『怠惰の罪』(たいだのつみ、La Paresse)は、1962年(昭和37年)製作・公開のフランス・イタリア合作のオムニバス映画『新・七つの大罪』の一篇として、ジャン=リュック・ゴダールが監督した短篇映画である。
キリスト教・カトリックの「七つの大罪」をテーマに、1952年(昭和27年)のオムニバス映画『七つの大罪』からちょうど10年経て、企画されたオムニバス映画『新・七つの大罪』の一篇である。前作では、カルロ・リムがオリジナル脚本を書き、ジャン・ドレヴィルが監督した(『怠けもの』)。ゴダール作品も、ゴダールのオリジナル脚本による。
本作では、レミー・コーション役で知られるエディ・コンスタンティーヌが本人の設定で実名で登場している。コンスタンティーヌは、本作出演後、おなじゴダールの『アルファヴィル』(1965年)、『新ドイツ零年』(1991年)では、レミー・コーション役で出演している。ニコール・ミレルはクロード・オータン=ララ監督の『青い女馬』(1959年)でデビューした女優である。実際にはコンスタンティーヌと共演することもなく、1965年(昭和40年)には引退している。
レミー・コーション役で渋さが人気のスター俳優エディ・コンスタンティーヌ(本人)は、靴紐を結ぶのも面倒くさいという「怠け」精神の人である。映画で共演する新人女優のニコール・ミレル(本人)が誘惑するが、一向になびく気配もない。理由は「面倒だから」。「怠け」という大罪が、エディが「淫乱の罪」を犯すのを防いでいるのだ。