平成15年台風第14号 (へいせい15ねんたいふうだい14ごう、アジア名:マエミー/Maemi[1] )は、2003年 9月 に発生し、南西諸島 や韓国などに大きな被害をもたらした台風 である。
概要
進路図
2003年9月6日15時、マリアナ諸島 近海で台風14号が発生し、アジア名「マエミー (Maemi)」と命名された[2] 。なお、フィリピン大気地球物理天文局 (PAGASA)はこの台風について、フィリピン名「ポギー (Pogi)」と命名している。台風は勢力を強めながら北西へ進み、10日21時には、沖縄県 宮古島 の南東海上で、中心付近の最大風速55 m/s の「猛烈な台風」となった。さらに11日3時には、中心気圧が910 hPaにまで低下して最盛期を迎えた。台風は時速10kmの速度で北西に進み、11日5時前に宮古島を通過。その後は東シナ海に進み、韓国済州島 に接近後、朝鮮半島に上陸し慶尚南道 ・慶尚北道 を縦断。そして、日本海を通過し、13日には北海道 に接近。14日の朝には温帯低気圧 に変わった[3] 。
なお、この台風のアジア名「マエミー」はこの台風限りで使用中止となり、次順からは「ムジゲ(Mujigae)」というアジア名が使用されることになったが、このアジア名も2015年の台風22号 限りで引退となったため、最終的には「スリゲ(Surigae)」というアジア名が使用されることになった。
記録
宮古島地方気象台 によると、宮古島が台風の眼に入る前の午前3時12分ごろ、最大瞬間風速74.1m/s(当地で歴代3位)を記録した。最低海面最低気圧も912.0 hPa(国内で歴代4位・当地で歴代2位)を記録した。なお、航空自衛隊宮古島分屯基地では参考記録ながら、第2宮古島台風の最大瞬間風速を超える86.6m/s が観測された[4] 。さらに、韓国 の済州島 でも、韓国での歴代1位となる最大瞬間風速60m/s を観測した。
被害
台風により難破 した船
日本でのこの台風による死傷者は113名(死者3名、負傷者110名)にのぼった。また住宅の被害は、全壊18棟、半壊87棟、一部損壊1,437棟、床上浸水72棟、床下浸水303棟となっている。
韓国では死者・行方不明者が100名を超え、被害総額が1兆5千億ウォンを超える大惨事となった。
特に済州島と南部の沿岸部が打撃を受け、釜山港 ではコンテナを運ぶガントリークレーン が数十基横倒しになり、釜山アジアード競技場 の屋根にも穴が開いた。
済州で観測された最大瞬間風速秒速60.0mは、2020年8月現在もなお、韓国国内の最高記録となっている[5] 。
脚注
^ 命名国:北朝鮮 意味:蝉
^ “平成15年の台風について ”. 2009年9月15日 閲覧。
^ “台風第14号 平成15年(2003年) 9月10日~9月14日 ”. www.data.jma.go.jp . 2020年4月28日 閲覧。
^ 台風14号による宮古島の台風被害について - 琉球大学工学部
^ “台風8号が韓国済州に接近…激しい風雨 ”. 中央日報 (2020年8月26日). 2020年8月26日 閲覧。
外部リンク
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※ 印は台風による被害以外 の理由により引退となった名前である。