岡野 八代(おかの やよ、1967年 - )は、日本の政治学者、同志社大学教授。専門は、政治思想、フェミニズム思想。
経歴
三重県松阪市出身。三重県立松阪高等学校、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。同大学院政治学研究科修士課程修了。藤原保信に師事。トロント大学大学院博士課程留学を経て、大阪市立大学大学院法学研究科博士課程退学。立命館大学法学部助教授・教授を経て、2010年から同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科アメリカ研究クラスター教授。日本による対韓輸出優遇撤廃に反対する、<声明>「韓国は「敵」なのか」呼びかけ人の1人[1]。
2018年、「新潮45」に掲載された杉田水脈のLGBTに関する主張に抗議するために同性愛者であることを公表し、論壇誌「世界」10月号に「差別発言と、政治的文脈の重要性」という杉田発言を批判する論考を発表した[2]。
2023年6月9日、自民党・公明党は、LGBT理解増進法案として、日本維新の会・国民民主党案を取り込んだ4党修正法案を衆議院内閣委員会に提出した。6月13日に衆議院本会議で法案が可決されると、6月14日、岡野、浅倉むつ子、上野千鶴子、三浦まり、三成美保ら22人の女性は連名で、「LGBTQ+への差別・憎悪に抗議するフェミニストからの緊急声明」をウィメンズアクションネットワーク(WAN)の公式サイトに発表[注 1]。「『全ての国民が安心して生活することができることとなるよう留意』という文言が入ったことで、マイノリティの権利保障に向けたはずの法律がマジョリティの権利尊重を謳うことになってしまい、性的マイノリティへの理解増進が抑制的に運用される懸念がある」と訴えた[3]。
著書
単著
- 『法の政治学――法と正義とフェミニズム』(青土社、2002年)
- 『シティズンシップの政治学――国民・国家主義批判』(現代書館、2003年/増補版、白澤社、2009年)
- 『フェミニズムの政治学――ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房、2012年)
- 『戦争に抗する――ケアの倫理と平和の構想』(岩波書店、2015年)
編著
- 『自由への問い(7)家族――新しい「親密圏」を求めて』、岩波書店, 2010
- 『政治の発見(1)生きる――間で育まれる生』、風行社, 2010
共編著・対談
訳書
出演
ネット番組
脚注
注釈
- ^ 「LGBTQ+への差別・憎悪に抗議するフェミニストからの緊急声明」の呼びかけ人は以下の22人(五十音順)。浅倉むつ子、荒木菜穂、池田啓子、伊田久美子、井田奈穂、上野千鶴子、長志珠絵、太田啓子、大森順子、岡野八代、河野和代、北仲千里、清末愛砂、杉田真衣、内藤忍、中谷文美、中野麻美、東優子、福田和子、古久保さくら、三浦まり、三成美保[3]。
出典
関連人物
外部リンク