岡本(おかもと)は、東京都世田谷区の町名。隣接する瀬田と共に高級住宅地となっている。現行行政地名は岡本一丁目から岡本三丁目。郵便番号は157-0076[2]。砧地域に属する。
地理
世田谷区南西部の砧地域に属する。北部は東名高速道路を隔てて砧公園に接する。国分寺崖線に沿うため崖線の上下を結ぶ急坂が複数見られる。坂の下は岡本三丁目に源流を持つ丸子川や、その支流である谷戸川が流れ、町域の西部は仙川に接する。その他隣接する地域として世田谷区大蔵・瀬田・鎌田・玉川がある。
国分寺崖線の風光明媚な高台があることから、明治時代末期から政財界人や著名人たちが邸宅や別荘を構え[4]、現在では高級住宅街として知られる[5]。
東京都都市整備局が2022年に発表した地震に対する総合危険度の町丁別評価では、岡本一丁目から三丁目までいずれも、5段階評価のうち相対的に最も安全とされる「レベル1」となった[6]。
町域内に鉄道駅はなく、東急田園都市線の用賀駅・二子玉川駅までは徒歩20~30分程度要する。二子玉川駅・成城学園前駅からは後述のバス路線を利用できる。
静嘉堂緑地と湧水
岡本二丁目の静嘉堂緑地は、元は三菱財閥岩崎家の庭園であったものが、戦後四十数年間ほぼ手つかずの状態のままにあったために照葉樹林が生い茂り、国分寺崖線の貴重な自然が残されている[7]。現在は世田谷区の管理地となっている[8]。
同緑地の湧水は東京の名湧水57選の一つに選ばれている。また、湧水は同緑地の他に岡本公園や二丁目の公園「岡本わきみず緑地」にも見られる。
岡本三丁目の坂
岡本三丁目27番と28番の間に、通称「岡本三丁目の坂」と呼ばれる国分寺崖線の急坂がある。この坂は坂上から多摩川方面を臨むと、視界を遮る高い建築物が無く、晴れた日には富士山を望める。映画・テレビドラマ[4]やミュージック・ビデオ[9]の撮影が行われることもある。
近隣の岡本民家園や静嘉堂文庫と共にせたがや百景の一つである。国土交通省関東地方整備局により関東の富士見百景にも選ばれており、それらのうち東京23区内で七か所選ばれている「東京富士見坂」の一つに挙げられている。関東地方整備局による案内柱が坂上に設置されている。
地価
住宅地の地価は、2024年(令和6年)1月1日の公示地価によれば、岡本1-14-11の地点で50万7000円/m2となっている[10]。
歴史
1597年(慶長2年)の六郷用水開削関係の文書に初出する。1889年(明治22年)に砧村の大字となる。1936年(昭和11年)より世田谷区岡本町。1968年(昭和43年)に住居表示が実施され、岡本一丁目~三丁目が成立した。
近代において国分寺崖線沿いには政財界重鎮の別邸が多く建てられたが、岡本にも岩崎小弥太、鮎川義介、高橋是清などの別邸が存在した。また東宝スタジオなど映画関連の施設が周辺に点在することもあって、映画監督や俳優も邸宅を構えた[4]。
地名の由来
村内の長円寺の山号(岡本山)からとった、あるいは木曾義仲配下の岡本成勝の出身地であることに因むなどと伝えられているが、実際は地形的な命名と考えられる。
世帯数と人口
2024年(令和6年)4月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]。
丁目 |
世帯数 |
人口
|
岡本一丁目
|
1,394世帯
|
3,032人
|
岡本二丁目
|
943世帯
|
2,238人
|
岡本三丁目
|
1,325世帯
|
3,193人
|
計
|
3,662世帯
|
8,463人
|
小・中学校の学区
区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[11]。
交通
バス
いずれも東急バス。
施設
公共
福祉
教育
文化
寺社・教会
脚注
関連文献