大阪屋

株式会社 大阪屋
OSAKAYA CO.,LTD.
大阪屋 旧本社社屋
(旧新町演舞場)
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
577-0002
大阪府東大阪市稲田上町1丁目17番20号
設立 1949年昭和24年)9月6日
業種 卸売業
法人番号 2120001049048 ウィキデータを編集
事業内容 書籍雑誌教科書ニューメディア商品等、出版物取次販売
代表者 大竹深夫(代表取締役社長・上席執行役員)
資本金 1億円
売上高 686億8100万円(2016年3月期)
営業利益 3200万円(2016年3月期)
経常利益 2億1800万円(2016年3月期)
純利益 1億1300万円(2016年3月期)
従業員数 180名(2014年度・第68期)
決算期 3月(1999年に決算期を変更)
主要株主 楽天大日本印刷KADOKAWA
講談社集英社小学館、株式会社OSS
主要子会社 大阪屋物流、大阪屋ロジスティクス、リーディングスタイル
外部リンク http://www.osakaya.co.jp/[リンク切れ]
特記事項:2016年4月1日、大阪屋栗田(現・楽天ブックスネットワーク)が権利義務全部を承継し、大阪屋は解散
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株式会社大阪屋(おおさかや)は、かつて大阪府東大阪市本社を置き、出版取次書籍卸売業)を営んでいた日本企業2016年4月1日に大阪屋の権利義務全部を承継して「株式会社大阪屋栗田(OaK出版流通)」(現・楽天ブックスネットワーク)が設立され、大阪屋は解散した。

概要

1949年昭和24年)9月、過度経済力集中排除法昭和22年法律第207号)で閉鎖指定を受けて業務を停止した日本出版配給株式会社の大阪支店を母体として、大阪市東区瓦町5丁目20番地(当時)にあった日本デモクラシー会館で設立。同年12月に大阪市西区新町の旧日本出版配給大阪支店の建物へ移転し、2014年平成26年)5月まで本社を置いていた。出版取次としては西日本を中心に大きなシェアを持っていた。出版取次業の全国売上規模で観ると、日本出版販売(日販)、トーハンに次いで全国3位となっていたが、この二大取次との間には4〜5倍の差があった。

一般の書店で本を注文する際に、書籍情報の確認によく使用されている「OPAS」は、「Osakaya Publication Agency System = 大阪屋出版流通システム」の略で、書店向けに提供されている「Web-OPAS」は2002年平成14年)から運用しているものであった。1995年(平成7年)11月、東大阪市関西ブックシティという出版流通拠点を設け、2014年(平成26年)5月には当地へ本社を移転した。

インターネット書籍販売の最大手・Amazon.co.jpは、2000年(平成12年)11月の日本市場参入時から大阪屋をメインの調達先(主帳合)としていたが[1]2008年(平成20年)6月から書籍・コミック・ムックの新刊委託分について主要調達先が日販に変更され[2]、続いて2012年(平成24年)9月には既刊も含めて書籍の主要調達先が日販に変更となった[3]

2008年(平成20年)6月に業界4位の栗田出版販売と業務提携し、物流の合理化や情報システムの相互利用を行った。2009年(平成21年)11月に共同出資会社の株式会社OKCを設立し、共同で流通センターを立ち上げるなど、縮小傾向が続く出版業界で再編を加速させていた[4]

2013年(平成25年)5月には経営不振から東京支社の自社ビルを売却。同年6月4日には楽天との資本・業務提携の協議が報じられた[5]。これに伴い、Amazonとの取引が中止されると報じられた[6]

2014年(平成26年)1月には、本社売却や大規模なリストラを伴う5カ年事業再生計画の骨子を発表し、経営の立て直しを図っていた[7]。その一環として、大阪市西区新町の本社社屋が売却され、本社を東大阪市の関西ブックシティに移転した[8]

2015年(平成27年)6月、栗田出版販売の経営破綻を受けて出版共同流通との連携による再生支援を表明[9]。同年10月には、栗田出版販売の事業を承継するための子会社・株式会社栗田を設立した[10]

2016年(平成28年)2月、株式会社栗田が栗田出版販売(旧栗田)の出版物、CDDVD等の取次事業に関する権利義務の一部を吸収分割で承継。同時に商号を変更して「栗田出版販売株式会社」(新栗田)を設立した[11][12]。同年4月1日、栗田出版販売(新栗田)を存続会社とする吸収合併により、大阪屋の権利義務全部を承継して「株式会社大阪屋栗田(OaK出版流通)」が設立され[13]、大阪屋は解散した[14]

沿革

  • 1949年昭和24年)
    • 9月6日 - 日本出版配給大阪支店を母体として設立(大阪市東区瓦町、資本金500万円)、東京支店(神田橋)を開設
    • 10月 - 神戸出張所(多聞通)を開設
    • 12月15日 - 旧日本出版配給大阪支店の建物を購入して本社を移転(大阪市西区新町)
  • 1950年(昭和25年)
    • 2月 - 資本金を3000万円へ増資
    • 5月 - 東京支店新社屋(飯田橋)が完成
    • 6月 - 京都出張所(上柳町)を開設
    • 12月 - 梅田店売所を開設
  • 1951年(昭和26年)6月 - 『大阪屋商報』発刊(1975年(昭和50年)10月に『週刊大阪屋商報』へ改称)
  • 1956年(昭和31年)11月 - 東京支店新社屋(九段)が竣工
  • 1958年(昭和33年)7月 - 梅田店売所、神戸・京都出張所を営業所に改称
  • 1959年(昭和34年)11月 - 東京〜大阪間で国鉄を使用したコンテナ輸送を開始
  • 1960年(昭和35年)
    • 3月 - 資本金6000万円へ増資
    • 6月 - 本店東側社屋竣工
  • 1962年(昭和37年)11月 - 資本金を1億円へ増資
  • 1964年(昭和39年)12月 - 資本金を1億4800万円へ増資
  • 1965年(昭和40年)
    • 3月 - 電子計算機UNIVAC1004型」を導入
    • 11月 - 三島作業所(現・大阪流通センター)を開設
  • 1966年(昭和41年)7月 - 大阪屋友の会大阪府支部結成
  • 1968年(昭和43年)10月 - 資本金を1億9700万円へ増資
  • 1969年(昭和44年)3月 - 大阪屋友の会連合会発足
  • 1970年(昭和45年)7月 - 取次各社の出資による出版物共同受品センターが業務開始
  • 1971年(昭和46年)3月 - 本店新社屋竣工
  • 1972年(昭和47年)
    • 4月 - 広島出張所(皆実町)を開設
    • 8月 - 東京支店新社屋(文京区水道)を開設
  • 1975年(昭和50年)12月 - 四国出張所を開設
  • 1978年(昭和53年)
    • 3月 - 東洋情報システム(現・TIS)に電算処理をアウトソーシング、OPAS(大阪屋出版流通システム)を開発・稼動
    • 7月 - 出版物共同受品センターを法人化する形で取次5社(大阪屋・協和出版販売・栗田出版販売・中央社・日教販)により出版物共同流通センターを設立
  • 1979年(昭和53年)4月 - 神戸営業所を移転し、神戸支店に昇格
  • 1982年(昭和57年)11月 - 日本建築学会から「貴重な建物2000棟」の一つに選ばれる
  • 1984年(昭和59年)
    • 9月 - 本店を本社に、東京支店を東京支社に改称
    • 12月 - 書店オンラインネットワーク「OPAS-NET」のサービス開始
  • 1987年(昭和62年)3月 - 補充スリップのOCR(光学式文字読み取り)を開始
  • 1989年平成元年)10月 - 三島営業所を大阪流通センターに改称、京都・広島・四国各営業所を支店に昇格、東京流通センターを建設・稼働
  • 1990年(平成2年)7月 - データベースサーバー型分散情報処理システム「NEW-OPAS」稼働
  • 1991年(平成3年)3月 - 広島支店を新社屋(西区商工センター)に移転
  • 1992年(平成4年)10月 - 東京支社を東京本部に改称
  • 1993年(平成5年)9月16日 - 出版業界VANと接続し、講談社とのオンライン受発注システムを稼働
  • 1994年(平成6年)
    • 6月 - OPAS-XAが稼働
    • 7月 - 売上高1000億円を超える
    • 11月 - 大阪流通センターに雑誌返品自動仕分機を設置
  • 1995年(平成7年)11月 - 関西ブックシティ(KBC)竣工
  • 1996年(平成8年)
    • 5月 - 広島支店に四国支店を統合し、西部支店に改称
    • 10月 - OPAS-XA・KBCシステムが日経コンピュータ主催の情報システム大賞・準グランプリ受賞
  • 1997年(平成8年)11月 - 京都支店を新設・移転(伏見区竹田西内畑町)
  • 1999年(平成11年)12月 - インターネット書店「本の問屋さん」稼働
  • 2000年(平成12年)8月 - 本社内に電子商取引受注センター「iブックシティ(iBC)」を開設
  • 2001年(平成13年)
    • 1月 - 新座流通センター(埼玉県新座市)を開設
    • 3月 - 茨木流通センター(大阪府茨木市)を開設
    • 8月 - iBCを活用した新客注システム「OPAS-客注くん」を稼働
  • 2002年(平成14年)
    • 4月15日 - 日本出版販売・栗田出版販売・日教販・太洋社と業務提携して出版共同流通を設立
    • 12月 - インターネットを利用した書店向け店舗管理システム「Web-OPAS」を稼働
  • 2003年(平成15年)12月 - 富士山マガジンサービスと業務提携、雑誌定期購読システムを稼働
  • 2007年(平成19年)
    • 4月 - 大阪屋物流を設立
    • 10月 - 支店機能(神戸・京都)を本社に統合
    • 12月 - 支店機能(西部)を本社に統合
  • 2008年(平成20年)
    • 3月 - 東京本部を東京支社に改称
    • 6月 - 大阪屋商事を設立、栗田出版販売と業務提携
    • 12月 - 第三者割当増資を実施し、資本金を4億9700万円へ増資
  • 2009年(平成21年)11月 - 栗田出版販売との共同出資会社・株式会社OKCを設立
  • 2011年(平成23年)10月 - OKC戸田センターが全面稼働
  • 2012年(平成24年)2月 - 東京ブックシティ(TBC)に専門書センターとiブックシティを配置
  • 2013年(平成25年)
    • 1月 - リーディングスタイルを設立
    • 5月 - 東京支社を現在地(文京区小石川)へ移転
  • 2014年(平成26年)
    • 5月 - 本社機能を関西ブックシティ(東大阪市)に移転[8]
    • 10月 - 「本の問屋さん」会員専用サービス終了[15]
    • 11月 - 持株会社・株式会社OSS(Osakaya Stock Society)を設立して事業会社へ移行、会社分割で大阪屋ロジスティクスを設立[16]
  • 2015年(平成27年)10月 - 100%出資会社の株式会社栗田を設立
  • 2016年(平成28年)
    • 2月1日 - 株式会社栗田が栗田出版販売(旧栗田)の取次事業を承継して商号を栗田出版販売(新栗田)に変更[11]
    • 3月31日 - 出版共同流通(日本出版販売の子会社)が株式会社OKCの第三者割当増資を引き受け、同社の連結子会社とした[17]
    • 4月1日 - 栗田出版販売(新栗田)が大阪屋を吸収合併して大阪屋栗田(OaK出版流通、現・楽天ブックスネットワーク)を設立[13]、大阪屋は解散[14]
    • 11月18日 - 株式会社出版物共同流通センターが業務を終了し解散[18]

決算

決算期(期間) 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
第69期(2015年4月1日 - 2016年3月31日) 686億8100万円 3200万円 2億1800万円 1億1300万円
第68期(2014年4月1日 - 2015年3月31日) 681億円 ▲6億8900万円 ▲7億3800万円 22億4000万円
第67期(2013年4月1日 - 2014年3月31日) 766億5300万円 ▲8億1400万円 ▲8億0300万円 ▲13億7400万円
第66期(2012年4月1日 - 2013年3月31日) 942億5900万円 ▲3300万円 ▲6億1900万円 ▲1億6300万円
第65期(2011年4月1日 - 2012年3月31日) 1199億4300万円 8億0900万円 2億2300万円 1億2300万円
第64期(2010年4月1日 - 2011年3月31日) 1268億8800万円 4億4000万円 ▲1億2600万円 ▲1億4300万円
第63期(2009年4月1日 - 2010年3月31日) 1257億3900万円 5億7800万円 2億3300万円 1億2700万円
第62期(2008年4月1日 - 2009年3月31日) 1281億7000万円 7億2600万円 4億1000万円 ▲30億3300万円
第61期(2007年4月1日 - 2008年3月31日) 1280億0100万円 6億0400万円 2億3700万円 1億0110万円
第60期(2006年4月1日 - 2007年3月31日) 1257億4100万円 6億0400万円 3億2400万円 1億2900万円
第59期(2005年4月1日 - 2006年3月31日) 1205億6100万円 6億8500万円 3億3900万円 1億円
第58期(2004年4月1日 - 2005年3月31日) 1093億4700万円 8億3100万円 4億5700万円 1億0300万円
第57期(2003年4月1日 - 2004年3月31日) 1074億円 9億2700万円 5億2600万円 3億1054万円
第56期(2002年4月1日 - 2003年3月31日) 1077億7300万円 9億4900万円 6億8000万円 3億3400万円
第55期(2001年4月1日 - 2002年3月31日) 1052億8700万円 9億1600万円 6億0900万円 2億7200万円
第54期(2000年4月1日 - 2001年3月31日) 1023億3700万円 3億9800万円 1億2500万円

旧本社社屋

かつて大阪市西区にあった本社社屋は、歴史的に貴重な建築物として知られた[19]。正面玄関のある建物は、1922年大正11年)に建設された新町演舞場を改修したもの。かつて遊廓新町遊廓)として栄えた新町の街並みを知ることのできる貴重なものだったが、2014年(平成26年)4月2日に大和ハウス工業近鉄不動産に売却され、本社移転と共に解体された[20]

拠点

脚注

  1. ^ アマゾン・コム 日本語サイトAmazon.co.jpをオープン”. Amazon.co.jp (2000年11月1日). 2006年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月20日閲覧。
  2. ^ アマゾンジャパン、新刊委託分の調達先を日販に変更へ”. 過去のニュースフラッシュ. 新文化 (2008年4月). 2022年10月20日閲覧。
  3. ^ アマゾンジャパン、主要仕入先を日販に変更”. 文化通信 (2012年9月7日). 2022年10月20日閲覧。
  4. ^ 大阪屋、栗田、OKC(戸田流通センター)概要決まる、新文化、2010年2月11日
  5. ^ 大阪屋、楽天と資本・業務提携の協議始まる、新文化、2013年6月4日
  6. ^ “1強”アマゾン対楽天、競争激化で再編機運高まる出版業界〜苦境の出版社・書店の思惑Business Journal、2013年8月17日
  7. ^ 大阪屋の南雲社長、本社売却など5カ年事業再生計画の骨子発表、新文化、2014年1月10日
  8. ^ a b 弊社 本社移転のお知らせ - ウェイバックマシン(2014年7月27日アーカイブ分)、大阪屋、2014年5月7日
  9. ^ 栗田出版販売(株) 民事再生申立にともなう表明 - ウェイバックマシン(2015年7月4日アーカイブ分)、大阪屋、2015年6月26日
  10. ^ 出版取次の栗田出版販売、大阪屋と来春統合へ 再生計画案可決日本経済新聞、2015年12月24日
  11. ^ a b 大阪屋と栗田の統合会社、社名は「大阪屋栗田 OaK(オーク)出版流通」、新文化、2016年2月10日
  12. ^ 「吸収分割公告」『官報』平成27年12月28日付(号外第292号)、2015年12月28日、94頁
  13. ^ a b 大阪屋、新栗田出版販売を発足/統合会社は「大阪屋栗田」に、出版書店 業界NEWS、2016年3月12日
  14. ^ a b 「合併公告」『官報』平成28年2月15日付(本紙第6714号)2016年2月15日、28頁
  15. ^ 【本の問屋さん】会員サービス終了のお知らせ - ウェイバックマシン(2014年11月29日アーカイブ分)、大阪屋ニュースリリース、2014年10月14日
  16. ^ 大阪屋、6社による出資額は総額37億円に、新文化、2014年10月9日
  17. ^ 日本出版販売株式会社第68回定時株主総会招集ご通知』日本出版販売、2016年6月28日、8頁http://www.nippan.co.jp/wp-content/uploads/2016/06/68_shoshu.pdf 
  18. ^ 共同集品の出版物共同流通センターが解散へ”. 文化通信 (2016年10月13日). 2022年10月20日閲覧。
  19. ^ 本社社屋の歴史”. 大阪屋公式ウェブサイト. 2011年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月8日閲覧。
  20. ^ 【不動産】大阪屋の旧本社ビル解体に着手/施工は青木あすなろ建設/大和ハウス工業と近鉄不動産、建設ニュース、2014年7月22日

参考資料

外部リンク

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