大慈寺(だいじじ)は熊本県熊本市南区にある曹洞宗の寺院。山号は大梁山(だいりょうざん)。元九州本山。修行道場として僧堂がある。本尊は釈迦三尊。「大慈禅寺(だいじぜんじ)」の名でも知られる。
開山の寒巌義尹が後鳥羽天皇(順徳天皇とも)の皇子であったため、朝廷との結びつきが深く、紫衣を許可され、曹洞宗の九州本山として寒巌派の拠点となっていたが、度重なる火災で衰退した[1]。
歴史
開山の寒巌義尹(1217 - 1300)は、道元に参禅した曹洞宗の僧で、2度の入宋の後、博多の聖福寺を経て肥後に住した。地元の地頭河尻泰明は寒巌に帰依し、境内地を寄進して、弘安元年(1278年)、大慈寺が創建された。寺は亀山法皇の勅願寺となり、正安2年(1300年)に本堂が完成した。
正平年間(1346年 - 1370年)に焼失し、大雲化縁が再興。その後も中世を通じてたびたび焼失と再興を繰り返した。永正17年(1520年)には戦乱に巻き込まれて焼失。再興するも天文9年(1540年)にも戦乱に巻き込まれて焼失、天文15年(1545年)に再興した。
近世に入っても火災があり、享禄2年(1629年)に再興、明和5年(1768年)にも焼失している。
明治時代初期には廃仏毀釈で荒廃。昭和9年には河川改修工事により、境内地が削られている。昭和期には澤木興道が滞在し、坐禅を指導。昭和60年に再興された。
伽藍
文化財
重要文化財(国指定)
- 梵鐘 - 弘安10年(1287年)銘
- 寒巌義尹文書
- 伽藍草創偈
- 寒巌義尹自賛像(永仁己亥)(絹本)
- 大渡橋幹縁疏(建治2年5月日)
- 大渡橋供養記(弘安元年7月晦日)
- 宝塔幹縁疏(正応2年5月16日)
- 発願文(永仁元年12月8日)
その他
俳句
所在地
交通
出典
- ^ 角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典43 熊本県』角川書店、1987年、658-659頁
- ^ 日本談義社『熊本文学ノート』荒木精之、1957年、92頁
関連図書
- 熊本日日新聞社編纂・発行『熊本県大百科事典』、1982年、510-511頁
外部リンク