『大怪獣激闘 ガメラ対バルゴン COMIC VERSION』(だいかいじゅうげきとう ガメラたいバルゴン コミックバージョン)は、2003年に発売された近藤和久の漫画。1966年に公開された特撮映画『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』を原典とし、近藤が新たに描き下ろしたものである[1]。
1995年公開の『ガメラ 大怪獣空中決戦』に感動した近藤が、当時の角川書店の編集員に「ガメラの漫画を描きたい」と打診したところ、了承を得られたために執筆活動が始まった[2]。しかし、当時の近藤は連載中の作品(『機動戦士ガンダム0079』など)を優先せざるを得なかったうえ、アシスタントを使わなかった[3]ために作業はなかなか進まず、1999年に『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』の公開が終了してもなお、完成しなかった。「映画化に合わせての漫画化した物ではなく、『ガメラ2 レギオン襲来』と『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』との間に位置するストーリーとしながらも、あくまで独立した作品との考えがあった」と語っている。
『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』については「思い入れのある作品」と語っており、ストーリーやムードを残しつつ、現代的にアレンジしている[4]。しかし、本作ではソビエト連邦が健在であったり[5]、自衛隊の装備品が一部旧装備であるなど、平成ガメラシリーズの世界観(や現実)との相違点が見られる。
著者の「あとがき」に加え、樋口真嗣(平成ガメラシリーズ特撮監督)へのインタビュー(「樋口真嗣監督の激烈特撮トーク」)も収録されている。
本作に対して「米軍が出せるのが羨ましかった」と語っており、『ガメラ 大怪獣空中決戦』において同描写が検討された結果、頓挫したことが明らかにされている。
内容に関しては、「都市(建物)破壊が少し足りない代わりに、怪獣同士の戦いは多い」、「人それぞれのガメラ作品が有っても良い」と述べている[6]
パイロットの開田、宝石商の井上、学者の下丸子は、ニューギニア近くの島で、バルゴンの骨と大量の宝石を発見する。しかし、骨の頭部から滴り落ちてきた巨大なオパールを巡って奪い合いになり、井上は下丸子博士を射殺してしまう。開田も突如起きた地震と浸水で流されてしまい、井上は一人で島を脱出したが、手に入れた巨大オパールは、実はバルゴンの卵だった。
日本へ向かう船上でバルゴンは孵化し、井上を餌食にした後、神奈川県葉山に上陸する[7]。一方、開田はアヤという少女に助けられて一命を取りとめ、バルゴンを退治すべく、アヤと共に日本へ向かう。切り札となる「バルゴンの魂」を持って。
この他、作中のイメージシーンでジャイガー、ジグラ、イリスらしき怪獣が登場する[8]。
以下については「同書」と省略する。