墨塗り教科書(すみぬりきょうかしょ)とは、教科書の記述に墨を塗らせて抹消したもの。
日本が第二次世界大戦で敗戦した直後に、国家主義や戦意を鼓舞する内容を抹消させたものが有名である。
教科書への墨塗りは、日本以外では韓国でも行われていた。
第二次世界大戦後の占領下の日本
「終戦に伴ふ教科書図書取扱方に関する件」に基づき、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が不適切と判断したものは書き換えられるか、墨塗りされた。教科によっては、ほぼ全行に抹消線が引かれたものもあった。当時の国民学校(現:小学校・中学校)では、当時使われた教科書のうち、戦意高揚をうたった文章の箇所については「墨汁で塗りつぶして読めないように」という進駐軍の指示(命令)が出されたためである。また児童が教師の指示に従い塗りつぶしを行った。
同時に、教職追放令により、45万の教師のうち11万5千人が辞職、約5200人が教職追放となった。マッカーサーの陸軍省宛の報告には、「推定1800万人の生徒、40万人の教師、4万の学校は、占領政策の道具である」とあり、その意図に沿った指令であったとされる。
脚注
参考文献
- 茂木友三郎「終わらぬ夏」『読売新聞』2020年8月10日、第12版。
関連項目
外部リンク