在欧アメリカ空軍・アメリカ空軍アフリカ (ざいおうアメリカくうぐん・アメリカくうぐんアフリカ、英語 : United States Air Forces in Europe– Air Forces Africa , 略称:USAFE-AFAFRICA)は、アメリカ空軍 における主要軍団(Major Command, 略称:MAJCOM)の1つ。2012年4月20日の組織改編によって、在欧アメリカ空軍から名称変更されており、活動範囲もアフリカ まで拡大した[ 2] 。
部隊管理上は空軍参謀本部に直属し、作戦指揮上はアメリカ欧州軍 およびアメリカアフリカ軍 の指示を受ける。ドイツ のラムシュタイン空軍基地 に司令部を置き、現在は大将 (4つ星)が司令官を務めている。2022年6月27日からの現任司令官はジェームズ・ヘッカー (英語版 ) 空軍大将である[ 3] 。
目的
在欧アメリカ空軍・アメリカ空軍アフリカの目的は、ヨーロッパ およびアフリカ地域でのアメリカ空軍による航空宇宙任務の執行である。管轄地域は、3つの大陸と91か国を含む2,000万 km2 の面積で、世界の4分の1の人口を守る事になる。具体的な管轄地域は、イギリス からトルコ までのヨーロッパ、アフリカ大陸全域のほか、アジア 地域の一部にまで及んでいる。
在欧アメリカ空軍・アメリカ空軍アフリカは、NATO とも共同訓練を行うなど、有事 に備えている。
主要基地
イングランドを飛行する第100空中給油航空団のKC-135R
イギリス
イタリア
ドイツ
第2次的な基地および支援施設
歴史
第二次世界大戦期
在欧アメリカ空軍・アメリカ空軍アフリカの前身は、アメリカ陸軍航空軍 の航空軍の1つである第8空軍 であり、これは第二次世界大戦 中にヨーロッパ地域への戦略爆撃 を行っていた。
ヨーロッパにおける第二次世界大戦の終結後、在イギリスのアメリカ陸軍航空軍部隊は大部分が廃止され、1945年 8月にはヨーロッパ地域で活動するアメリカ陸軍航空軍部隊は、在欧アメリカ空軍に再編された。当初はパリ 郊外に司令部が所在していたが、1945年 9月 にドイツのウィースバーデン空軍基地 に本部を移転している。
戦後ドイツでの活動
ドイツ上空を飛行するRB-24 (1945年)
第二次世界大戦後、アメリカとソビエト連邦 は相互不信の状態が続き、次第に両国間で対立構造が生じた。ソ連 は共産圏 となったドイツ(後の東ドイツ )などから、西ヨーロッパ に圧力をかけ始める(ベルリン封鎖 )。事態を重く見たアメリカ側は、東ヨーロッパ に向けて偵察飛行を展開した。
この偵察飛行では主に、写真撮影や地図作製などが行われた。1945年秋から1949年 まで、中央ヨーロッパ 、北アフリカ 、大西洋 諸国などに向けての偵察飛行は、在欧アメリカ空軍が行った。偵察飛行は、RB-17 やRB-24 などによって行われた。しかし、偵察飛行はソ連周辺部のほか、ソ連本土にも侵入していた。
1946年 には、数度に渡ってソ連側がアメリカ機に射撃するという事件が起こり、アメリカとソ連の間では緊張が高まった。同年に当時のハリー・S・トルーマン 大統領 は、在欧アメリカ空軍に対して警戒態勢を高めるよう指示し、同年後半から1947年 にかけて相次いで、B-29 を西ドイツ などに配備している。
またこの間、在欧アメリカ空軍はドイツに対し物資の空輸などの支援を行った。この空輸作戦はベルリン空輸 と呼ばれる。1949年3月に、雪が積もるヴィースバーデン空軍基地(西ドイツ)に、C-54 がベルリン空輸に参加するため駐機し、作戦が開始している。アメリカ海軍 とイギリス空軍 の協力もあり、在欧アメリカ空軍は230万トン以上の食料や燃料、医療品を空輸している。
1948年 3月17日 には、アメリカなどの西ヨーロッパ諸国とソ連との間で高まる緊張状態に対応するため、NATO が設立される。それによって在欧アメリカ空軍も、NATO戦略防衛に基づいて兵力が強化されている。
1960年代にはフランスのNATO軍事機構からの離脱に伴い、フランス国内の基地から撤退した。冷戦終結後は兵力の削減が行われているが、湾岸戦争に際しては兵力を派遣しており、ユーゴ紛争にも参戦している。
近年の再編
近年では、冷戦終結後の対露脅威の減少に伴い、陸軍における在欧陸軍 と同様に、在欧空軍も基地の整理・閉鎖や兵員の削減、作戦航空機数の削減などを実施している。
また、オバマ 政権では世界金融危機 に端を発したアメリカの不況と財政赤字・債務残高の増大に伴って、歳出の大幅な削減を進めており、国防分野についても削減が進められている。在欧空軍についても例外ではなく、2011年 1月 には合理化策の一環として、司令官ポストを将来的にこれまでの大将級(4つ星)から中将 級(3つ星)に改めることで部隊の事実上の規模縮小・格下げを実施する予定であることがロバート・ゲーツ 国防長官 (当時)より発表された[ 4] がこれは実施されなかった。
2012年4月20日、在欧アメリカ空軍・アメリカ空軍アフリカへと改編され[ 2] 、コスト削減の一環としてラムシュタイン空軍基地の第17空軍 が解隊された[ 5] 。
2015年1月にはイギリスのミルデンホール基地の移転閉鎖など、アメリカの国防予算の大幅削減に伴う大規模な再編、統合計画が発表されたが[ 6] 、アメリカでの政権交代などの理由により2020年2月に基地閉鎖が2027年まで延長されることが発表された[ 7] 。
関連項目
脚注
出典
外部リンク
欧州陸軍
第5通信集団 第21戦域支援集団
第16支援旅団
第18工兵旅団
第18憲兵旅団
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第409契約支援旅団
第7民事支援集団
欧州海軍
CTF-60
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欧州空軍
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