『吸血蛾』(きゅうけつが)は、1956年に公開された中川信夫監督の日本映画。
横溝正史の同名小説『吸血蛾』を原作としている。
あらすじ
ファッションデザイナーとして名声を得ている浅茅文代は、夜中に謎の男からデザイン画を買い取っては焼却していた。その一方で、文代が率いている団体の関係者が次々と殺害され、あるいは行方不明になる。実は、文代のデザインはパリで同棲していた伊吹のもので、オオカミのような形相で突発的に暴れまわる狼つきという奇病を患った伊吹から逃げるようにして帰国する際に盗んだものであった。謎の男は彼女のパトロン・長岡で、秘密を知って伊吹からデザインを買い取り、文代の良心に訴えるべく、素性を伏せて売りつけていたのである。
一方、伊吹は双子の兄である江藤が運営する昆虫館に文代を呼び出し暴行しようとして逆に殺害されており、それを目撃した浅茅会のマネージャー・村越徹は文代を脅して自らの目的に利用していた。快楽殺人者である村越は、伊吹の死が世間にまだ知られていないことを利用し、狼男・伊吹に成りすまして殺害を続けていた。行方不明になったモデルたちは、連続殺人を弟の犯行と考えた江藤が保護するつもりで拉致したのだが、その江藤も村越が殺害する。
しかし、金田一の指示で警察が伊吹の死体を発見する。狼男に扮して村越と文代の前に現れた金田一に真相を指摘された村越は文代を射殺して逃走する[注釈 1]。金田一が廃ビルの上階へ追いかけている間に警官隊が到着し、村越は逃げ損ねて転落死する。
スタッフ
以下のスタッフ名は特に記載がない限りKINENOTEに従った
[1]。
キャスト
以下の出演者名と役名は特に記載がない限りKINENOTEに従った[1]。
同時上映
脚注
注釈
- ^ 複数の映画情報サイト(#外部リンクに列挙されているKINENOTE・Movie Walker・映画.com)に掲載されている同一テキストのストーリー情報や、山田誠二の著書『18人の金田一耕助』(コーエーテクモゲームス、1998年、ISBN 4-87719-531-9)p.91に「村越が文代に命じて弓子を連れてこさせ、江藤が拉致した3人と併せてまとめて殺害しようとするが、金田一に阻止される」という趣旨の記述があるが、実際の映画にそのような展開は見られない。村越は「まとめて火あぶりにしてやる」と発言しているが、対象は弓子ではなく文代を含む4人。村越が逃走して金田一が追いかけ始めた後で、弓子が川瀬に連れられて現場に現れる。
出典
外部リンク