八広駅(やひろえき)は、東京都墨田区八広六丁目にある、京成電鉄押上線の駅である。駅番号はKS47。
開業当初から長い間荒川駅と名乗っていた。荒川(当時は荒川放水路)の土手上に位置していたことが由来だが、1932年(昭和7年)の荒川区成立後は誤解や誤乗を招くことがあった。荒川橋梁の架け替え、駅の高架化を機に地元地名の「八広」に改名した[2]。
「八広」という町名は、1965年(昭和40年)12月1日の住居表示実施に伴い従来の寺島町六・八丁目、隅田町四丁目・吾嬬町西五 - 九丁目の8地区が合併して新たな町域が成立した際に、縁起の良い「八」の字を採り、その字体から「末広がり」の縁起を担いで命名されたものである。
下り線・上り線共用の追い抜き設備を設置した、単式ホーム・島式ホーム2面3線の高架駅である。
四ツ木駅とを結ぶ荒川橋梁に接している。荒川橋梁の架け替え工事前[3]は青砥寄り、荒川堤防上の道路(都道449号)沿いに駅舎および改札があり、構内踏切も設置されていた。架け替え工事により線路が付け替えられたことに伴い、2001年9月15日のダイヤ改正から新駅舎での営業を開始した。コンコースも高架下の中央に移転するとともに下り線に追い抜き設備が設置され、使用を開始した。
基本的に上り列車は1番線、下り列車は2番線を使用するが、下り列車が当駅で通過列車の待避を行う場合は3番線に発着する。一方、平日朝ラッシュ時は上り列車の待避が多く存在するため、7:09 - 9:16の間に発車する上り普通列車は待避の有無にかかわらず全て2番線に発着し、1番線は上り通過線としてホームが封鎖され、同時間帯の下り列車は通過列車も含めて3番線を使用する。
また2番線を使用して当駅での折り返し運転も可能であるが、定期ダイヤでの設定はない。
当駅には京成電鉄で唯一、LEDを併用した反転フラップ式案内表示機が設置されていたが、2016年7月下旬日暮里駅や成田空港駅などと同じく英語入り接近放送への更新と合わせ、フルカラーLED式の発車案内表示器に取り換えられた。
2023年度の1日平均乗降人員は13,264人である[4]。押上線の駅では乗降人員が最も少ないが、2000年代から増加傾向にある。
近年の1日平均乗降・乗車人員の推移は下表の通りである。
駅南側の道路上に停留所がある。停留所名は東京都交通局が八広、京成バスが八広(八広駅)である。
1953年には、小津安二郎監督映画『東京物語』の撮影でロケ地として使われ、冒頭のシーンで堀切駅として登場した[7]。