八大龍王(はちだいりゅうおう)は、天龍八部衆に所属する竜族の八王。法華経(序品)に登場し、仏法を守護する。霊鷲山にて十六羅漢を始め、諸天、諸菩薩と共に、水中の主である八大竜王も幾千万億の眷属の竜達とともに釈迦の教えに耳を傾けた。大乗仏教では、釈迦は「妙法蓮華経」の第二十五 観世音菩薩普門品に遺されているように「観音菩薩の御働き」を説いたとされる。その結果、「覚り」を超える「阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい、原語“Anuttara samyaksaMbodhi”)」「無上正等正覚(むじょうしょうとうしょうがく)」を得て、護法の神となるに至った。
古代インドでは「ナーガ (नाग, Nāga)」という半身半蛇の形であったが、中国や日本を経て今の竜の形になった。
一般的に次の順に番号がふられている。
昔から雨乞いの神様として祀られ、日本各地に八大龍王に関しての神社や祠がある。
源実朝の金槐集(雑部)に、次の一首がある。大雨を疎んじて八大龍王に「止めてくれ」と頼む趣旨。なおこの和歌は今上天皇が2015年11月18日に国際連合本部で開催された「第2回 国連水と災害に関する特別会合」における援護での基調演説「Quest for Better Relation between People and Water」(人と水のよりよい関わりを求めて)の「日本の和歌と俳句における水」の節で英訳され引用されている[2]。
時により過ぐれば民の嘆きなり 八大龍王雨やめたまへ