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仙巌園駅

仙巌園駅
駅全景(2025年3月16日)
せんがんえん
Sengan-en
竜ケ水 (4.8[1] km)
(2.1[1] km) 鹿児島
地図
所在地 鹿児島県鹿児島市吉野町9698-5
北緯31度36分59.8秒 東経130度34分36.1秒 / 北緯31.616611度 東経130.576694度 / 31.616611; 130.576694座標: 北緯31度36分59.8秒 東経130度34分36.1秒 / 北緯31.616611度 東経130.576694度 / 31.616611; 130.576694
所属事業者 九州旅客鉄道(JR九州)
所属路線 日豊本線[1]
キロ程 460.5 km(小倉起点)
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 2025年令和7年)3月15日
備考 無人駅
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仙巌園駅(せんがんえんえき)は、鹿児島県鹿児島市吉野町にある、九州旅客鉄道(JR九州)日豊本線である[2][3]

駅名は近隣にある仙巌園国指定名勝)にちなむ。2025年3月15日開業[4]

歴史

2017年平成29年)に日豊本線竜ケ水駅から鹿児島駅の間にある仙巌園付近に「磯駅」の設置を検討する鹿児島市の協議会が設置された[5]。駅の設置目的としては交通手段に乏しい観光拠点である磯地区への交通手段の改善が挙げられており、経済効果は57億円との試算がなされた[6]2018年(平成30年)11月28日に鹿児島市の協議会により新駅は設置可能との方針が示された[5]2019年(平成31年・令和元年)に経済団体を中心とした「磯新駅設置推進協議会」が設立され[7]、同年12月には磯新駅設置推進協議会が鹿児島県知事に対して新駅設置要望書を提出した[8]

2020年4月には新駅設置の事業主体として鹿児島経済同友会などの経済団体、鹿児島県、鹿児島市が参加する「磯新駅設置協議会」が設置された。施設整備費は主に民間が負担し、鹿児島県、鹿児島市も一部を負担する計画となった[9][10]2021年(令和3年)3月31日付で磯新駅設置協議会とJR九州の間で覚書が交換された[1]。駅前広場と周辺道路を含む総整備費は約12億3,000万円を見込み、国(国庫補助を含む)が4億4,000万円、鹿児島市と鹿児島県がそれぞれ2億7,500万円、島津興業(仙厳園の運営会社)が2億4,000万円を負担する[11]。駅単体での整備費は約4億円で、島津興業が2億4,000万円、市が7,500万円、県が8,500万円を負担する[11]。駅前広場と鹿児島市道改良の総整備費は約2億6,000万円(国庫補助を含む)、国道10号の総整備費は約5億6,000万円で国が3億7,000万円、県が1億9,000万円を負担する[11]。なお、JR九州は負担しない[11]

磯新駅設置協議会は2023年(令和5年)10月に駅名の公募を実施し[12]、駅名候補の中から「仙巌園前」、「磯仙巌園」、「仙巌園」の3案について2月1日に九州旅客鉄道へ駅名案として提出した[13][14]2024年(令和6年)3月26日に駅の名称を「仙巌園駅」とすることが決定され[2]、翌27日に発表された[3]。九州旅客鉄道の社長である古宮洋二は記者会見において「仙巌園が一番シンプルで、来る人にとってわかりやすい」と選定理由を述べた[15]

年表

駅構造

単式ホーム1面1線である。4両編成までに対応する[16]国道10号の渋滞を防ぐ目的で踏切の遮断時間を短くする関係上、午前7時から午前9時までの間、下りの普通列車4本が当駅を通過する[17]

建築制限

地下遺構保護を兼ねたアプローチスロープ

仙巌園駅建設予定地は、文化財保護法での名勝である仙巌園と借景としての錦江湾および桜島の間に立地する景観保全地であり、世界遺産明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の緩衝地帯(バッファゾーン)としての開発規制区域でもあることから、駅舎の外観デザインや配色については厳しく制限される。そのため完成予想図文化庁ユネスコ世界遺産センターおよび世界遺産委員会へ提出し、承諾を得る必要がある。また、駅建設予定地は集成館に伴う周知の埋蔵文化財包蔵地であり、2022年に遺構の存在を確認する試掘調査を実施したところ、石造倉庫地盤となる人工的に地固めした痕跡を検出したことから、駅建設に際しては地中の埋蔵文化財を傷めない基礎工事を行わなくてはならない[18]

バス路線

駅前バス停(2025年3月16日)

駅建設地が既存の仙巌園前停留所(英名:Senganen Garden bus stop)に接していたことから、それを用地を取り込むかたちで駅前にバス停を併設し、これまで同停留所を発着していた鹿児島交通南国交通の路線バスがそのまま継続して停車する。但し、鹿児島市交通局の運行するシティビューバスはこの停留所には止まらず、仙厳園の正門前に専用の停留所を設けている。

新しいバス停は路肩から駅用地内に入り込むバス寄せを設けたが、鹿児島交通が一帯の渋滞対策の不備を理由にバス停標識の移設に難色を示し、国が2025年2月14日付で鹿児島県バス協会に同年3月14日までの標識移設を勧告したものの[19]、3月7日、バス協会はバス停を使用する事業者の賛否が分かれていることを踏まえ移設を承諾できないと回答、南国交通は移設に同意しているものの、鹿児島交通は駅の開業にともなう渋滞の悪化を懸念し「緩和策が示されない限り移設に反対する」としている[20]。結局、駅の開業日にはバス停標識の移設が間に合わず、旧来の場所に立ったままとなり、バス寄せ内に乗り入れることができず路上停車での乗降となり(添付画像参照)、そこはその先での左折レーンのためバスの発着がある度に渋滞が生じることとなった[21]。2025年3月24日には国が2025年4月25日までに移設するように勧告された[22]

駅周辺

駅前広場整備工事

隣の駅

九州旅客鉄道(JR九州)
日豊本線[1][3]
竜ケ水駅 - 仙巌園駅 - 鹿児島駅

脚注

  1. ^ a b c d e f 日豊本線 竜ヶ水〜鹿児島間の新駅設置に関する覚書の交換について』(PDF)(プレスリリース)九州旅客鉄道、2021年3月31日。オリジナルの2021年3月31日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210331062603/https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2021/03/31/210331_shinekioboegaki_1.pdf2021年3月31日閲覧 
  2. ^ a b c 【独自】磯新駅の名前は「仙巌園駅」に決定 JR九州が27日午後発表へ”. 鹿児島讀賣テレビ (kyt-tv.com) (2024年3月26日). 2024年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月27日閲覧。
  3. ^ a b c d 日豊本線 新駅(竜ヶ水駅~鹿児島駅間)の名称を決定しました! - 九州旅客鉄道(2024年3月27日、同日閲覧)
  4. ^ a b 2025年春ダイヤ改正について”. 九州旅客鉄道 (2024年12月13日). 2024年12月15日閲覧。
  5. ^ a b 「磯地区の新駅設置は可能」鹿児島市の協議会”. 日本経済新聞 (2018年11月28日). 2020年5月14日閲覧。
  6. ^ 鹿児島)磯新駅、早期設置へ提言 57億円の経済波及”. 朝日新聞デジタル (2018年6月26日). 2020年5月14日閲覧。
  7. ^ プロジェクトについて”. JR「磯新駅」設置プロジェクト. 2020年5月14日閲覧。
  8. ^ 12月19日(木曜日)磯新駅設置に関する要望をいただきました”. 鹿児島県 (2019年12月20日). 2020年5月14日閲覧。
  9. ^ 鹿児島市磯地区への新駅設置の事業主体、4月に発足”. 日本経済新聞社 (2020年2月3日). 2020年5月14日閲覧。
  10. ^ 【鹿児島】磯新駅4月事業主体設立/事業費3.9億 21年度にも基本設計”. 鹿児島建設新聞 (2020年2月3日). 2020年5月14日閲覧。
  11. ^ a b c d 野間優希乃「仙巌園駅整備12.3億円 島津興業2.4億円負担」『南日本新聞』2025年3月7日18面。
  12. ^ “鹿児島市磯地区にできる新しい駅の駅名案 来月30日まで募集”. 日本放送協会. (2023年10月25日). https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20231025/5050025009.html 2024年3月29日閲覧。 
  13. ^ “鹿児島市磯地区に計画 日豊線の新駅名称 3案をJRに提出へ”. 日本放送協会. (2024年1月25日). https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20240125/5050025875.html 2024年3月29日閲覧。 
  14. ^ “2024年度中に開業の磯新駅の名称、「仙巌園前」など3案に絞られる”. 南日本新聞. (2024年1月26日). https://373news.com/_news/storyid/189084/ 2024年3月29日閲覧。 
  15. ^ “JR九州、新駅名「仙巌園駅」に 鹿児島の世界遺産の近く”. 日本経済新聞. (2024年3月28日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC275790X20C24A3000000/ 2024年3月29日閲覧。 
  16. ^ 南日本新聞 2025年1月5日 14面
  17. ^ 鹿児島テレビ (2025年3月17日). “鹿児島・JR仙巌園駅が開業 桜島と錦江湾を望む15年ぶりのJR新駅 開業初日のにぎわいと期待”. FNNプライムオンライン. 2025年3月27日閲覧。
  18. ^ 旧集成館(エリア 2/構成資産 2-1)の緩衝地帯におけるJR鉄道駅の新設計画に関する進捗状況報告” (PDF). 内閣官房. 2024年3月27日閲覧。
  19. ^ "国道上にポツリ残るバス停、なぜ? 一部事業者が異議、国の移設勧告に従わず「法的に争う」 JR仙巌園駅前". 南日本新聞デジタル. 南日本新聞社. 2025-03-04. 2025年3月10日閲覧
  20. ^ "JR仙巌園駅の開業まで3日 国道沿いにぽつりと残るバス停 鹿児島". Yahoo!ニュース. KKB鹿児島放送. 2025-03-12. 2025年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月15日閲覧
  21. ^ 仙巌園前バス停移設問題…駅開業日には一時的な渋滞・危険な車線変更も 鹿児島市」『TBS NEWS DIG』(南日本放送)2025年3月17日。2025年3月27日閲覧。
  22. ^ 道路幅員狭く危険 仙巌園前 標識移設を 国、県バス協会に再勧告 『南日本新聞』 2025年3月26日 15面
  23. ^ a b 磯地区の新駅、計画始動 仙巌園前に25年3月開業目標”. 朝日新聞デジタル (asahi.com). 朝日新聞社 (2022年1月22日). 2024年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月27日閲覧。

関連項目

外部リンク

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