上国寺(じょうこくじ)は、神奈川県茅ヶ崎市今宿にある日蓮宗の寺院。山号は妙厳山、院号は大乗院。旧本山は大本山中山法華経寺、旧寺格は平僧寺跡。寺法縁は親師法縁である可能性が高いが、歴代住職は池上芳師法類に所属している者が多い。
歴史
大本山中山法華経寺四院家の一・正中山浄光院の開基である大乗院日経が、応安年間(1368~1375年)に師の浄行院日祐(大本山中山法華経寺3世・本山光勝寺開山)を開山に迎え創建した。寺伝によれば、その際に千葉宗家第九代・千葉宗胤の長男である千葉胤貞が助力したという。また、不受不施義を確立し厳格な布教姿勢を貫いた久遠成院日親(本山本法寺開山)が一時期滞在したと伝えられている。[2]その後、第4世・大乗院日門が伽藍を拡大、以後「大乗院」が院号となった事から特に中興を冠せられている。第36世・慈誘院日相の代に発生した関東大震災で本堂・庫裡が倒壊したが、翌年には再建。昭和36年(1961年)には第40世・日照によって本堂の修復及び庫裡の新築が行われた。その後、第41世・慈宏院日栄によって庫裡の増築及び墓地・参道等の境内整備が施された。
境内
- 本堂
RC造建築。
寺宝
- 日蓮聖人像
“三月日永正十一年 作之”の銘がある。寄木造・玉眼嵌入・前後矧ぎ・肩膝前は別木を用いる。およその寸法は像高32.0cm・袖張42.5cm・膝張26.0cm。市内最古の日蓮聖人像として平成8年(1996年)11月1日に茅ヶ崎市の重要文化財に指定された。
歴代住職
交通アクセス
脚注
参考文献
- 『日蓮宗寺院名簿』/ 日宗新報社 /1914年
- 「大庭庄 今宿村 上國寺」『大日本地誌大系』 第38巻新編相模国風土記稿3巻之61村里部高座郡巻之3、雄山閣、1932年8月。NDLJP:1179219/147。
- 『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』/ 日蓮宗寺院大鑑編集委員会 / 大本山池上本門寺 / 昭和56年(1981年)
- 『特別展 鎌倉の日蓮聖人 中世人の信仰世界』/ 神奈川県立歴史博物館 / 平成21年(2009年)
- 「日蓮宗新聞」/ 日蓮宗新聞社 / 2016年6月4日付
- 『正中山遠壽院加行門人帳』/常円寺日蓮仏教研究所/正中山遠壽院大荒行堂/令和3年(2021年)