ヴァラー級フリゲート (英語 : Valour class frigate )は、南アフリカ共和国 海軍のフリゲート の艦級[ 2] [ 3] 。
設計
艤装前の「スピオエンコプ」
本級は、ドイツ のブローム・ウント・フォス 社によるMEKO A-200型フリゲート の設計を採用しており、MEKO A-200 SAN型 と称される。
船型は長船首楼型で、レーダー反射断面積 (RCS)の低減に配慮したXフレームと称される設計が採用されている。また煙突を廃し、排気は冷却のうえで艦尾より行われていることから、赤外線シグネチュアも低減されているほか、バルバス・バウ の付与により水中放射雑音の低減も図られており、全スペクトラムでのステルス性 の向上が志向されている[ 2] [ 4] 。ただし2010年8月には、ネームシップにおいて、センサーの誤作動によって排気系より海水の侵入を許し、機関部の損傷事故が生じた[ 3] 。
主機方式は特徴的で、CODAG -WARP(WAter jet and Refined Propellers )と称される方式を採用している[ 3] 。これは、巡航時には左右のディーゼルエンジン によってスクリュープロペラ を駆動し、高速発揮時には、これに加えて中央のガスタービンエンジン によるウォータージェット推進 を使用するという方式である。スクリュープロペラは可変ピッチ・プロペラであるが、負荷に応じて、エンジンの回転数と翼角の双方を自動制御しており、特にリファインド・プロペラと称される[ 4] 。
電源 としては、MTUフリードリヒスハーフェン 製ディーゼルエンジン を原動機とする発電機 (出力550キロワット)が4セット搭載された[ 3] 。
装備
主な電装品はタレス・グループ 製が採用され、戦術情報処理装置 はTAVITAC-NT とされている。主センサーとしてはCバンド の3次元レーダー であるMRR-3D NGが搭載されており、アンテナは前檣に配されている。またソナーも同社製のキングクリップ であり、こちらは艦首直後のハル・ドームに収容されて搭載された[ 3] 。
個艦防空ミサイル としては、同国のデネル・エアロスペース・システムズ 社製ウムコント を搭載した。発射機としては、艦橋 直前に8セルのVLS を4基配置している[ 1] 。また火器管制レーダーとしては、やはり同国のローテック社製のRTS-6400を艦橋構造物上と後部上部構造物上に1基ずつ配している。艦対艦ミサイル は、エグゾセ MM40 ブロックIIを4連装発射筒2基に収容して、艦橋構造物直後の中部甲板に搭載した[ 2] [ 3] 。
艦砲 としては、オート・メラーラ 社製76mmコンパット砲 を搭載したが、これは退役艦からの流用である。また後部上部構造物の後端部にデネル DPG 35mm連装機銃も搭載された[ 1] [ 2] [ 3] 。
ハンガー は、アトラス オリックス (英語版 ) (アエロスパシアル ピューマ の南アフリカ版発展型)なら1機、より小型のアグスタウェストランド リンクス なら2機収容できる[ 3] 。搭載定数はスーパー・リンクス1機である[ 1] [ 2] 。
同型艦一覧
1999年12月3日、4隻およびオプション1隻の建造契約が締結された。ブローム・ウント・フォス 社ハンブルク 造船所でF145とF147、ホヴァルツヴェルケ=ドイツ造船 社キール造船所でF146とF148の計4隻が建造され、2006年 から2007年 にかけて就役した[ 2] [ 3] 。
参考文献
外部リンク