エアバスA380に搭載されたトレント900
トレント (Trent )は、イギリス のロールス・ロイス が製造する航空機エンジン。本項では3代目にあたる大型旅客機 用高バイパス比ターボファンエンジン の現行シリーズを主に扱う。
名称はトレント川 に由来する。なお、歴代ロールス・ロイス製ジェットエンジンのほとんどにイングランド を流れる河川 名の愛称 が与えられている理由については、ウェランド の項を参照されたい。
歴史
ロールス・ロイスは技術的飛躍を目指したRB.211 の開発が難航したため経営難に陥り1971年 から一時国有化されていたが、1987年 にサッチャー 政権下で再度民営化された。この頃、RB.211の販売は比較的好調だったものの大型民間機市場に於ける同社製エンジンのシェア は8%[1] にまで下落し、あいかわらず競合他社であるゼネラル・エレクトリック・エアクラフト・エンジンズ (GEAE)とプラット・アンド・ホイットニー (P&W)の後塵を拝していた。これは主にRB.211を標準搭載するロッキード L-1011 トライスター の販売不振と、イギリス航空産業の斜陽化、冷戦 緩和に伴う軍縮 に起因するもので、伝統に裏付けられた高い技術力と製造品質を誇る同社は起死回生の機会を渇望していた。
折りしも、2人乗務で運行でき三発機 よりも経済的な中~大型双発機 計画(後のボーイング777 やエアバスA330 等)が持ち上がり、新世代の大推力エンジンの需要が勃興した。これらにはETOPS (Extended-range Twin-engine Operational Performance Standards 、非常時の洋上片発飛行能力)認証に適う超高信頼性も同時に要求されており、ロールス・ロイスはRB211-524L計画案を元に、これを更に拡大洗練する方途を選んだ。
ロールス・ロイスは将来の大型航空機用エンジンの市場で勝つために、全ての大型民間機を対象とすることを決めた。新型エンジンを市場に供給するためには莫大な開発資金が必要となるため、共通のエンジンコアを基に系列化を進めることが開発費用を抑制するための唯一合理的な方法であった。RB211で採用された3軸設計は、新系列のエンジンの基本型として高圧(HP)、中圧(IP)、低圧(LP)のそれぞれのタービン /圧縮機 の大きさや能力を個別に変更できるため、柔軟性に富んでいた。
基本的に既存機のスケールエンジニアリングであったため開発は極めて順調に進み、早くも1988年 のファーンボロー航空ショー の場で、「トレント」と名付けられたRB.211発展型の発表に漕ぎ着けた。
トレントが開発された結果、キャセイパシフィック航空 [2] やブリティッシュ・エアウェイズ 、カンタス航空 といったイギリスに関係のある航空会社以外にも、シンガポール航空 やタイ国際航空 、マレーシア航空 、ルフトハンザドイツ航空 、ニュージーランド航空 、ハワイアン航空 等過去にロールス・ロイス製エンジンを採用していなかった航空会社がこぞって発注するようになり、シェアを高めることができた。さらに日本でもボーイング787 のローンチカスタマー である全日本空輸 がトレント1000を選択した。スカイマーク ではエアバスA330 でのトレント700を、エアバスA380 でトレント900を選択した。日本航空 はエンジンがトレントXWBのみとなるエアバスA350 XWB を発注した。
ロールス・ロイスはトレント計画に必要な初期投資について英国政府から援助を受けており、その額は1997年にトレント8104、500、600のために2億ポンド 、2001年にトレント600と900のために2億5000万ポンドに上った。一方、トレント1000の開発にあたっては援助を受けていない。初期投資は各エンジンの販売に応じてロイヤリティ として政府に返済されている[3] 。
技術的特徴
3軸式
RB.211の3軸式レイアウトを継承している。一般的な2軸式ターボファンより軸受 機構が複雑化するかわりに圧縮機設計を最適化できるため、うまく設計すればエンジン全体として同規模の2軸式エンジンと同じ性能で小型軽量化、高剛性 ・低騒音化、高性能・高信頼化できる可能性がある。
また3軸ユニット各々の規模を拡大縮小する事で、多様な性能と推力の需要に応えるファミリーを形成する事が可能になっている。例えば直径116-inch(290cm)のファンを持つトレント900はA380 の顧客によって要求される厳しい新騒音基準も満たしつつ、離陸速度を維持する[4] 。一方でコアのサイズを変えることで高圧タービン入口温度は出来るだけ低く維持されるようになり、整備コスト低減も果たしている。また800は700と同一の高圧系と中圧タービンを用いつつ高圧縮化されているが、これは中圧コンプレッサと低圧タービンの容量拡大によって達成された。
ターボ機構をRB.211から一新したことにより性能が向上し、騒音・排出ガスレベルが改善されている。トレント700シリーズで改良された高圧系をRB211-524Gと-524Hに導入することによって大幅に性能が改善され、それぞれ-524G-T, -524H-Tになった[5] 。
可変静翼機構
元のRB211計画が始まった時、圧縮機システムはアメリカの競合他社とは異なり、可変静翼を全廃する予定だったが、中圧圧縮機(IPC)の作動領域が限られているため、加速時のサージ耐性を高めるには少なくとも中圧コンプレッサの最前列(インレット・ガイドベーン)を可動にすべきという事が研究過程の初期で明らかになり、RB.211とトレントシリーズにも採り入れられている。しかし他の2軸式ターボファンでは必須の多数の可変静翼機構が3軸式のRB.211には存在せず、簡略化、軽量化、信頼性向上が図られている。
チタン製中空ファンブレード
チタン 製で中空のファンブレードは、摩擦攪拌接合 により3枚のチタン薄板の外周部を接合し、金型内で板の間に液体 を注入して加圧(ハイドロフォーミング )する事により、3次元的に成型されている。GEアビエーション等、耐衝撃性に劣る複合材 のファンブレードを採用している他社が、バードストライク 対策として前縁部のみチタン複合材としているのに対し、ロールスロイスはRB.211で当初、自社開発したCFRP (商品名ハイフィル)製ファンブレードがバードストライク試験をなかなかパスできなかった経験を活かし、堅牢かつ軽量なチタン製中空ファンブレードを独自開発した。
各種型
トレント600
最初の生産型でMD-11 向けに開発されたが、MD-11自体の販売不振に加え、カスタマーはブリティッシュ・カレドニアン航空 とエア・ヨーロッパ のみに留まり、前者は1987年 のブリティッシュ・エアウェイズ への吸収合併に伴い発注をキャンセルされてしまい、後者は湾岸戦争 の影響で倒産した。600は2000年 、長距離型B767-400ER 向けにエンジン・アライアンス GP7172 と共に採用されたが、アメリカ同時多発テロ事件 以降の航空機需要の冷え込みと原油価格 の高騰で計画放棄された。このため、近代化型B747-8 はGEnx のみ選択可能になっている。
トレント700
エアバス A330向けには当初トレント600(680)が予定されていたが、A330が計画値より重量超過したため、拡大版700(720)が新規に設計された。1989年 にキャセイ・パシフィック航空から10機、トランス・ワールド航空 から20機の確定発注を受けて翌1990年 に進空し、1994年 に90分、1995年 に120分、1996年 には180分間のETOPS認証を獲得した。2007年 のパリ航空ショー までに700は140基を受注し、A330搭載エンジンの41%のシェアを獲得している。
トレント800
ボーイング のB767X(767 の拡大版)案に対しては760が提示されていたが、計画は1990年に推力80,000ポンド 級の高推力エンジンを要求する、より大型のB777に変更された。ファン径を700系の2.47mから2.79mに拡大した800を新設計するにあたり、ロールス・ロイスは川崎重工業 と石川島播磨重工(現IHI )に技術協力と、11%の生産分担を要請した。800の地上試験は1993年 に開始され、1995年 に耐空証明 を、翌1996年 には180分間のETOPS認証を700と共に得た。永年のパートナーであったブリティッシュ・エアウェイズがB777のローンチカスタマーとしてGE90 を選定した事もあり(背景には米からの政治的圧力も存在した)、販売面では当初苦戦したが、P&Wユーザーだったシンガポール航空から大量受注してから後は、800の高信頼性と同社のアフターサービス の良さが好評を博して形勢を逆転し、ブリティッシュ・エアウェイズもB777の追加発注に際しては800を指名した。
トレント8104/8115
1998年 に持ち上がったB777の長距離型777-300ER 計画に、トレント800の拡大版8104、続いて777X のために8115を提案した。8104は初めて推力100,000 lbf (440 kN)、続いて推力110,000 lbf (490 kN)を達成したにもかかわらず、GEアビエーション の社長のジェームズ・マックナーニ (後にボーイング社CEO)がボーイングに対して「自社のエンジンを777Xに排他的に採用するのであれば開発費として最大5億ドルを負担する」という提案を行ったため、ボーイングは1999年7月にGE90-110BとGE90-115Bを長距離型777(B777ER)の唯一のエンジンとして採用した[6] 。行き場を失った8104は、完全後退角の幅広のファンを初めて採用し、業界初の大推力を達成したにもかかわらず、デモンストレーション 専用という不遇をかこっている。777X のために提案された8105ではファンの直径が8104から2.5%拡大された3.05 mになり、推力は115,000 lbf (510 kN)にまで引き上げられる予定だったが、ボーイングが777Xのエンジンの供給をGEアビエーションに限定したために開発されなかった[7] 。
トレント500
エアバス の四発長距離機A340 に採用されていたCFM56 は性能向上の限界に達していた。ストレッチ型のA340-500/-600に対し、1996年 にはGEとエアバスの間で新エンジン開発が一旦合意されたが、独占供給契約を要求する GE の高姿勢に反発したエアバスはこれを拒否した。残るP&Wとの競争に勝利したロールス・ロイスは縮小版500の開発に着手し、1997年 のパリ航空ショー でA340-500/-600への採用が発表された。500は1999年 に完成し翌2000年 に耐空証明 を得て、15の航空会社で150機以上のA340シリーズに搭載されている。
トレント900
1990年代 初頭にエアバスがB747 への対抗機案A3XX(後のA380)を構想した際、ロールス・ロイスは900計画で即座に呼応し、ローンチエンジンに採用された。ファンの更なる巨大化に伴い、最内軸がトルク 打ち消しのため反転された。リスク・収益分担パートナーはITP(インダストリア・デ・ターボ・プロパルゾレス )(西、低圧タービン)、ハミルトン・スタンダード (米、電子装置)、アヴィオ (伊、ギアボックス )、丸紅 (日、部品)、ボルボ・エアロ (瑞、圧縮機容器)、グッドリッチ (米、ファン容器、センサ 類)、ハネウェル (米、油圧 系)の7社である。また三星電子 (韓)、川崎重工業 、石川島播磨重工も従来通り協力している。A380は当初計画より12か月遅延しているが、2007年 9月現在53%で900が選択されている(残余はエンジン・アライアンス GP7000 )。
2010年11月4日、カンタス航空32便 (エアバスA380 )のトレント900エンジン1基(左翼内側)が飛行中に爆発し、エンジンがむき出しになり、主翼に穴が開いた。その後の調査でタービン 部品の欠陥による油漏れのため、油が燃焼して中圧タービンディスクを固定するピンがはずれたことが分かった。ロールス・ロイスはこれをトレント900固有の問題としている。最大でカンタス14基、シンガポール航空 20基、ルフトハンザ 2基の交換の可能性がある。
トレント1000
B787 の開発に際しボーイングは当初GE一社に供給を絞る心算だったが、インターフェースを共通化して、各社のエンジンをパイロンごと交換可能な民間機初のシステムを採用する事になり、ロールス・ロイスも1000で開発に参加した。ロールス・ロイスは独立行政法人物質・材料研究機構 (NIMS)とガスタービンエンジン向け超耐熱合金の共同研究を行い、NIMS開発の単結晶超合金をタービン翼に採用した[8] 。タービン翼に初めて国産の材料が使われたことになる[9] 。川崎重工業 (中間圧縮機モジュール)、三菱重工業 (燃焼器、低圧タービンブレード)、ITP (低圧タービン)、カールトン鍛造所 (加、ファンケース)、ハミルトン・スタンダード (英語版 ) (ギアボックス )、グッドリッチ (電子装置)の6社がリスク・収益分担パートナーとして総計35%を担当している。787 の「ワーキングトゥゲザー」で最大手ユーザーになる予定の全日空 が2004年 に 1000 を選択した事を発表し、全日空向けトレントの契約額は10億米ドルを越えた。その後、世界最大の航空機リース会社インターナショナル・リース・ファイナンス からも大量発注を受け、B787用で38%のシェアを占めている。1000は2006年 頭に初火入れされ、ロールス・ロイス社有の747-200改造機で試験された結果、翌年夏に耐空証明 を得たが、2007年中に予定されていた787の進空は約2年遅延している。さらに2010年8月には、ロールス・ロイスで地上試験中だった1000が爆発し、試験設備が破壊された[10] 。2016年、立て続けに中圧タービンのニッケル合金製タービンブレードが破断するトラブルが発生したが、2017年から対策品が製造され、換装が始まった[11] 。2021年までに終えられる見通し[12] 。
トレント1500
B777-200LR/300ERの対抗機として計画された、A340-500/600に用いられる予定だった500の改良型。新型双発機A350 XWB (Xtra Wide-Body) が代替する事になり、実機は製作されなかった。ファンの直径が97.4インチでトレント1000/XWBのガス発生器と低圧タービンを改良し使用する予定だった。
トレントXWB
787の対抗機として、エアバス社は2005年 にA330の改良機A350 構想を発表し、ロールス・ロイスは川崎重工業 の協力下1000シリーズの強化版1700を計画したが、A350の新味の無さに市場は冷淡な反応を示したため、エアバス社は2006年7月17日、B787より更に広く大きいA350 XWBへの改案に追い込まれた[13] 。同機用エンジンもトレントXWBの仮称で再設計され、シリーズ中最強力になる予定である[14] 。
このトレントXWBは静止推力74,200から97,000ポンド 、ブリードエアエンジン[15] であり、開発には川崎重工 が参加する。
2013年 、推力84,000ポンドのトレントXWB-84がA350 XWB-900に搭載され初飛行を果たした。今後、推力74,200ポンドのトレントXWB-75および推力79,000ポンドのトレントXWB-79がA350 XWB-800に、推力97,000ポンドのトレントXWB-97がA350 XWB-1000に搭載される予定である[16] 。
トレント 7000
2014年7月14日にファーンボロー国際航空ショー でエアバスA330neo の専用エンジンとしてトレント7000が公式発表された。トレント7000はこれまでA330で使用されたトレント700での経験のほか、トレント1000の最新版であるトレント1000-TENから基本構造を流用し、トレントXWBで使用される技術を活用する予定である。予定される推力は68,000–72,000 lbf (300–320 kN)で電気式ブリードエアシステム(electronic bleed air system) (EBAS)を採用する。エアバスA330のエンジンとトレント7000を比較すると燃料消費率 が12%(搭載時10%)改善されバイパス比が倍増し、A330neoは厳格なロンドン・ヒースロー空港 の騒音基準(QC)のQC1/0.25に適合し、聴覚での騒音を半減させる[17] [18] 。エンジン直径は112インチで20枚のブレードを備えている[19] 。
諸元
トレント・エンジン・ファミリー: 主要な項目
型式
静止推力(lbf )
自重(lb )
推力重量比
全長(in )
ファン直径(in)
就航年
搭載機
トレント 553
53,000
10,400
5.1
154
97.4
2003
A340-500
トレント 556
56,000
10,400
5.4
154
97.4
2002
A340-500 A340-600
トレント 560
60,000
10,400
5.76
154
97.4
2002
A340-600
トレント 600
65,000
10,400
6.3
154
97.4
使用されず
使用されず
トレント 768
67,500
10,550
6.4
154
97.4
1996
A330-200 A330-300
トレント 772
71,100
10,550
6.7
154
97.4
1995
A330-200 A330-300
トレント 772B
71,100
10,550
6.7
154
97.4
1995
A330-200 A330-300
トレント 875
75,000
13,100
5.7
172
110
1996
777-200(506,000lb)
トレント 877
77,000
13,100
5.9
172
110
1996
777-200(545,000lb)
トレント 884
84,000
13,100
6.4
172
110
1997
777-200(590,000lb)
トレント 890
90,000
13,100
6.9
172
110
1998
777-200ER
トレント 892
92,000
13,100
7.0
172
110
1997
777-200(656,000lb) 777-200ER 777-300(660,000lb)
トレント 895
93,400
13,100
7.1
172
110
2000
777-200ER
トレント 8104
104,000
14,400
7.2
172
110
使用されず
LW2011-211ER
トレント 8115
115,000
不明
不明
172
120
使用されず
LW2011-284LR
トレント 970[20]
75,152
13,842
5.4
179
116
2007
A380-841
トレント 970B
78,304
13,842
5.6
179
116
TBA
A380-841
トレント 972
76,752
13,842
5.5
179
116
TBA
A380-842
トレント 972B
80,231
13,842
5.8
179
116
TBA
A380-842
トレント 977
80,781
13,842
5.8
179
116
TBA
A380-843F
トレント 977B
83,835
13,842
6.0
179
116
TBA
A380-843F
トレント 980-84
84,098
13,842
6.0
179
116
TBA
A380-941
トレント 1000-A
63,800
11,924
5.4
160
112
2008
787-8
トレント 1000-C
69,800
11,924
5.9
160
112
2008
787-8 787-9
トレント 1000-D
69,800
11,924
5.9
160
112
2008
787-8 787-9
トレント 1000-E
53,200
11,924
4.5
160
112
2010
787-3
トレント 1000-H
58,000
11,924
4.9
160
112
2008
787-3 787-8
トレント 1000-J
73,800
11,924
6.2
160
112
2010
787-9
トレント 1000-K
73,800
11,924
6.2
160
112
2010
787-9
トレント XWB-75
[21] [22]
74,200
16,043
4.6
176.5
118
2014
A350-941(日本航空,囯內線機材)
トレント XWB-79
[23] [24]
78,900
16,043
4.9
176.5
118
使用されず
A350-800(開発中止)
トレント XWB-79B
[25] [26]
78,900
16,043
4.9
176.5
118
使用されず
A350-800(開発中止)
トレント XWB-84
[27] [28]
84,000
16,043
5.23
176.5
118
2013
A350-941
トレント XWB-97
[29] [30]
97,000
16,043
6.04
176.5
118
2017
A350-1041
航空機以外のトレント
MT30
マリントレント30は、トレント800のコアに500のギアボックス を組み合わせた派生種(ターボシャフトエンジン )で、出力30メガワット (MW)から現状で36MWに発展した。
洋上用では発電機 〜原動機を介してウォータージェット やプロペラ を機械的に駆動し、英国海軍 のクイーン・エリザベス級空母 に搭載されている。また、アメリカ海軍 のフリーダム級沿海域戦闘艦 にも搭載されたが、同級を含む沿海域戦闘艦 調達は途中で打ち切られ、競合他社機を主機とするコンステレーション級ミサイルフリゲート 調達に切り替えられた。
トレント 60 ガスタービン
マリントレントに類似した発電専用型で、出力58MW時の熱効率 は42.8%。
大別してDLEとWLEの2バージョンがあり、トレント700と800から部材を流用したWLEは、水噴射時出力58MW、ISA条件では52MW。
定格排気温度は420℃で、排熱はパッケージ全体の効率向上のため温水供給や蒸気タービン の駆動で回収される。
脚注
^ Pugh, Peter (2002). The Magic of a Name, Part Three . Icon Books. ISBN 1840464054
^ 特にキャセイパシフィック航空・シンガポール航空はトレントが選択できないケース(B777-300ER等)以外はほとんどがトレントを発注する。
^ “Repayable launch investment (RLI) ”. House of Commons. 2010年11月22日 閲覧。
^ Donoghue, J.A. (2004年11月1日). “The fan is the thing ”. Air Transport World . 2013年2月14日時点のオリジナル よりアーカイブ。2007年2月3日 閲覧。
^ “Rolls-Royce standardises on hybrid RB211 after entry success” . Flight International. (1998年5月6日). http://www.flightglobal.com/articles/1998/05/06/36700/rolls-royce-standardises-on-hybrid-rb211-after-entry.html 2007年1月20日 閲覧。
^ BW Online | August 9, 1999 | How GE Locked Up That Boeing Order
^ ボーイング、次世代機向けエンジンの独占サプライヤーにGEを選定 . https://jp.reuters.com/article/tk8350423-boeing-ge-idJPTYE92H03D20130318 .
^ “「ナノイノベーションの最先端」第28回 ”. www.nanonet.go.jp . 2020年3月4日 閲覧。
^ 平成30年版日本の航空宇宙工業 . 一般社団法人日本航空宇宙工業会. (2018-03-31). p. 214. ISSN 0910-1527 . https://www.sjac.or.jp/common/pdf/sjac_gaiyo/info/nihon_H30.pdf
^ 「英ロールス:ジェットエンジン検査施設、依然閉鎖-事故の影響続く」ブルームバーグ
^ ANAの「787」エンジン不具合、ロールス・ロイスが改良型の部品供給 ニュースイッチ・日刊工業新聞(2017年02月02日)2017年02月04日閲覧
^ YOSHIKAWA, Tadayuki (2018年11月30日). “787エンジン改修、21年までに完了へ RRイーストCEO「ANAは優先事項」 ”. Aviation Wire . 旭技研. 2018年11月30日 閲覧。
^ “Airbus goes for extra width - A350 XWB special report” . Flight International . (2006年7月25日). http://www.flightglobal.com/articles/2006/07/25/208045/airbus-goes-for-extra-width-a350-xwb-special-report.html 2007年2月23日 閲覧。
^ “Farnborough: Airbus A350 powerplant race ignites as Rolls-Royce reaches agreement to supply Trent, Alliance confirms interest” . Flight International . (2006年7月25日). http://www.flightglobal.com/articles/2006/07/25/208086/farnborough-airbus-a350-powerplant-race-ignites-as-rolls-royce-reaches-agreement-to-supply-trent.html 2007年2月23日 閲覧。
^ "Rolls-Royce to develop Trent 1700 for A350" , David Kaminski-Morrow, Flight International , October 6, 2005.
^ “Flightdeck rethink heralds new A350 XWB design” . Flight International . (2007年9月27日). http://www.flightglobal.com/articles/2007/09/27/217061/flightdeck-rethink-heralds-new-a350-xwb-design.html 2007年10月17日 閲覧。
^ “Airbus selects Rolls-Royce Trent 7000 as exclusive engine for the A330neo ”. www.rolls-royce.com/ . Rolls Royce (2014年7月14日). 2014年7月14日 閲覧。
^ “Rolls-Royce Details Trent 7000 Plans For A330neo ”. aviationweek.com . Aviation Week (2014年7月14日). 2014年7月14日 閲覧。
^ “Trent 7000 infographic ”. www.rolls-royce.com . Rolls-Royce. 2014年7月26日時点のオリジナル よりアーカイブ。2014年7月14日 閲覧。
^ Federal Aviation Administration FAA (2007-06-06). Type Certificate Data Sheet . http://rgl.faa.gov/Regulatory_and_Guidance_Library/rgMakeModel.nsf/0/09b47c27a9cfb982862573080054f9ea/$FILE/E00075EN.pdf 2007年11月3日 閲覧。 .
^ “TYPE-CERTIFICATE DATA SHEET No.EASA E.111for EngineTrent XWB series engines ” (PDF). EASA (2020年5月22日). 2020年12月31日 閲覧。
^ “TYPE-CERTIFICATE DATA SHEET No.EASA.A.151 AIRBUS A350 ” (PDF). EASA (2020年6月26日). 2020年12月31日 閲覧。
^ “TYPE-CERTIFICATE DATA SHEET No.EASA E.111for EngineTrent XWB series engines ” (PDF). EASA (2020年5月22日). 2020年12月31日 閲覧。
^ “TYPE-CERTIFICATE DATA SHEET No.EASA.A.151 AIRBUS A350 ” (PDF). EASA (2020年6月26日). 2020年12月31日 閲覧。
^ “TYPE-CERTIFICATE DATA SHEET No.EASA E.111for EngineTrent XWB series engines ” (PDF). EASA (2020年5月22日). 2020年12月31日 閲覧。
^ “TYPE-CERTIFICATE DATA SHEET No.EASA.A.151 AIRBUS A350 ” (PDF). EASA (2020年6月26日). 2020年12月31日 閲覧。
^ “TYPE-CERTIFICATE DATA SHEET No.EASA E.111for EngineTrent XWB series engines ” (PDF). EASA (2020年5月22日). 2020年12月31日 閲覧。
^ “TYPE-CERTIFICATE DATA SHEET No.EASA.A.151 AIRBUS A350 ” (PDF). EASA (2020年6月26日). 2020年12月31日 閲覧。
^ “TYPE-CERTIFICATE DATA SHEET No.EASA E.111for EngineTrent XWB series engines ” (PDF). EASA (2020年5月22日). 2020年12月31日 閲覧。
^ “TYPE-CERTIFICATE DATA SHEET No.EASA.A.151 AIRBUS A350 ” (PDF). EASA (2020年6月26日). 2020年12月31日 閲覧。
外部リンク