この項目では、サウジアラビアの首都について説明しています。その他の用法については「リヤド (曖昧さ回避) 」をご覧ください。
リヤド(衛星画像、2018年)
リヤド (アラビア語 : الرياض , ラテン文字転写 : al-Riyāḍ 、アッ=リヤード, 英字表記:Riyadh )は、サウジアラビア の首都 。
概要
リヤドはアラビア半島 中央部のナジュド 地方に位置する内陸都市 で、人口は2018年 時点でおよそ767万人である[1] 。
サウジアラビア王国建国以前からサウジ王家であるサウード家 の本拠地としてワッハーブ主義 運動の中心になってきた。中東 有数の世界都市 で、アメリカのシンクタンク が2014年に発表した世界都市ランキングでは65位にランクインしている。
名称
名前はアラビア語でアッ=リヤード(アラビア語 : الرياض , ラテン文字転写 : ʾar-riyāḍ )と呼ばれ、日本語表記ではリヤドないしはリヤード と表記されるのが一般的。
リヤードは名詞 روضة (rawḍahないしはrawḍa, ラウダ, 「庭、庭園」「牧場、草場、水に恵まれ草がたくさん生えている土地」[2] [3] [4] )の複数形で、植生に恵まれラクダや馬を放牧するのに適した場所であったことから命名されたという[5] [6] 。
歴史
古代 から存在したと考えられておりHajrと呼ばれていた。リヤドはナジュド 地方の心臓部であるワディ・ハニーファの中心都市 の一つであったとも考えられており人口 もリヤドのみでは数万人、ワディ・ハニーファ全体を合わせると数十万人いたとも言われている。この一帯はサウード家 の所属するバヌー・ハニーファ一門が支配していたともされる。
18世紀 にサウード家の第一次サウード王国 の支配下に入ったリヤドは、1818年 にエジプト のムハンマド・アリー の軍により本拠地ディルイーヤ を破壊されたサウード家が移転したことにより、歴史に名が残るようになった。
サウード家はここで第二次サウード王国 を興すが、リヤドは1892年 にはサウード家に敵対するラシード家 (英語版 ) (ジャバル・シャンマル王国 )の手に落ちた。1902年 、サウード家を復興したアブドゥルアズィーズ・イブン=サウード がラシード家からリヤドを奪還して以降はナジュド地方の政治的中心となり、1932年 にサウジアラビア王国の首都に定められた。
もともとリヤドは内陸の小都市でサウジアラビア建国以前は数万人が居住するに過ぎなかったが、第二次世界大戦後 、石油 の富 がサウジアラビアに還流するようになると急速に発展し、アラビア半島最大の都市へと変貌を遂げた。
周辺国との国境から距離があり、戦争とは無縁の土地であったが、2015年 以降、隣国イエメン の反政府勢力フーシ が発射した弾道ミサイル が市内に飛来するようになり、パトリオットミサイル で迎撃する事態となっている[7] 。2021年2月28日にも大規模な弾道ミサイル攻撃があり、複数のミサイルの破片が落下。ケガ人の発表は無かったが、民家の被害が報道されている[8] 。
地理
アラビア半島 中央部のナジュド (高原地帯)に位置し、リヤード州 (リヤド州)の州都である。
気候
気候はケッペンの気候区分 では砂漠気候 に属する。年降水量は約135mmである。
リヤドの気候
月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
年
最高気温記録 °C (°F )
31.5 (88.7)
34.8 (94.6)
38 (100)
43 (109)
46.1 (115)
47 (117)
48 (118)
47.8 (118)
44.5 (112.1)
42 (108)
39 (102)
33 (91)
48 (118)
平均最高気温 °C (°F )
20.1 (68.2)
23 (73)
27.6 (81.7)
34 (93)
40.6 (105.1)
42.7 (108.9)
43.4 (110.1)
43.2 (109.8)
41.3 (106.3)
37.1 (98.8)
28.6 (83.5)
21 (70)
33.1 (91.6)
日平均気温 °C (°F )
14.4 (57.9)
16.9 (62.4)
21.1 (70)
26.9 (80.4)
32.9 (91.2)
35.4 (95.7)
36.6 (97.9)
36.5 (97.7)
33.3 (91.9)
28.2 (82.8)
21.4 (70.5)
16.1 (61)
26.6 (79.9)
平均最低気温 °C (°F )
6.9 (44.4)
9 (48)
15 (59)
21.3 (70.3)
26.7 (80.1)
28.6 (83.5)
31.1 (88)
29.5 (85.1)
26.7 (80.1)
22.9 (73.2)
14.3 (57.7)
8.4 (47.1)
19.9 (67.8)
最低気温記録 °C (°F )
−2 (28)
0.5 (32.9)
4.5 (40.1)
11 (52)
18 (64)
21 (70)
23.6 (74.5)
22.7 (72.9)
16.1 (61)
13 (55)
7 (45)
1.4 (34.5)
−2 (28)
雨量 mm (inch)
11.7 (0.461)
10.5 (0.413)
24.7 (0.972)
23.3 (0.917)
2.6 (0.102)
0 (0)
0 (0)
0 (0)
0 (0)
0.7 (0.028)
6.9 (0.272)
13 (0.51)
94.6 (3.724)
平均降水日数
5.8
4.8
9.8
9.0
3.5
0.0
0.0
0.0
0.0
1.2
3.4
6.3
45.2
% 湿度
47
38
34
28
17
11
10
12
14
21
36
47
26
出典:[9]
行政区画
リヤドは16地区に区分されている。
経済
リヤドのスカイライン
リヤドの夜景
サウジアラビアの経済の中心地である。工業 分野では、リヤド地域サウジアラビア工業用地公団(MODON: Saudi Industrial Property Authority)の監督下の2つの工業団地がある[10] 。金融 分野ではアルオラヤ金融ビジネス街やKAFDなどがある。アルオラヤにあるキングダムセンターは、著名な投資家であるアルワリード王子の金融関連会社のオフィスと、地上にはショッピングセンター がある。また毎年10月から翌年3月までにはリヤド・シーズン が行われ、世界中から観光客が訪れる。
交通
航空
高速道路
鉄道
以下の二つの国営鉄道会社による鉄道路線があり旅客便の運行が行われている。さらに、ジェッダ方面への鉄道も建設が進められている。
バス
市内にはSAPTCO (英語版 ) によりバス路線が運行されており、ICカードで乗車する方式を取っているが路線数は少なく広大なリヤド市内の中でも一部の地域での運行に限定されている。専用軌道を走るBRT 区間も3路線ある。外国人労働者の利用が中心である。
地下鉄
教育
施設
ギャラリー
キングダムセンター
アルファイサリヤタワー
マスマク城
スポーツ
サッカー
リヤドをホームタウンとする、サウジ・プロフェッショナルリーグ に属するプロサッカー クラブが複数存在している。アル・ヒラル 、アル・ナスルFC 、アル・シャバブ・リヤド である。中でもアル・ヒラル はリーグ最多優勝クラブであり、AFCチャンピオンズリーグ においても最多優勝を誇る。また、アル・ナスルFC も2022年にポルトガル代表 のクリスティアーノ・ロナウド と契約を結ぶなど、話題となっている。
出身者
出典
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
リヤド に関連する
メディア および
カテゴリ があります。