名称の由来となったHotel Russell(旧名)
ラッセル・グループ (英 : Russell Group )は、イギリス の研究型国立大学 24校による構成団体である。政府 や議会 に大学側の要望を伝える調整機関(Pressure Group [1] )として1994年 に設立された。複数存在する英国の大学群の中で最も有名なグループであり、イギリスの大学生を対象にしたアンケート(2012)[出典無効 ] では72%がラッセルグループ加盟校を難関・名門・一流大学として認識していると回答した[2] [3] [4] 。タイムズ紙 やQS をはじめとする主要な世界大学ランキングでは同グループの会員校が上位を独占している(詳細は下記”立場-ランキング”欄参照 )。国内最高峰の大学群として認識されている事から、英国版アイビーリーグ (British Ivy)と呼ばれることもある[5] 。
概要
グループの名称は、ロンドン のラッセル・スクウェア に面したホテル・ラッセルにて初めての非公式会議が開催されたことに由来している。一般的な会合そのものは、タヴィストック広場 近くで開催の全大学総長会(現;英国大学協会)の直前に、主にロンドン大学 上院議事堂にて行われる。[6]
入学難易度は平均して高く、最難関のオックスブリッジ は別格としても、エリート校と認識されているゴールデン・ダイアモンド (Oxbridge, ICL , UCL , UoM )やKCL , LSE をはじめ、世界トップ100位内までは求められるGCSE , A-level (Aレベル ), 国際バカロレア のスコアは高い[7] [8] [9] 。
英国政府の研究用国家予算(2010)のおよそ80%が同グループの会員校に投入されている。また、この24校で英国の大学が所有する知的財産の約7割を占めると言われている[10] 。2014年の大学研究評価調べによると、世界最先端の研究の68%が同会員校で実施された[11] 。会員校は国内全博士号 の60%を輩出し[12] 国内全博士号 [要検証 – ノート ] 、EU圏外の留学生が全学生の30%以上を占める[10] 。
同グループ以外に有名な大学連合として、『古代の大学 』『赤レンガ大学 』『1994グループ 』『サットン13 』等が挙げられる。ラッセルグループ未加盟で世界大学ランキングで上位に位置している大学として、セントアンドリュース大学 、ランカスター大学 、ラフバラ大学 、サセックス大学 、レスター大学 等が挙げられる。
会員
イギリス(内、グレーター・ロンドン から5校、ヨークシャー・アンド・ザ・ハンバー から3校、ノース・イースト・イングランド ・ノース・ウェスト・イングランド ・サウス・ウェスト・イングランド ・サウス・イースト・イングランド から2校、イースト・オブ・イングランド ・イースト・ミッドランズ から1校)から20校、
スコットランド から2校、ウェールズ 、北アイルランド から1校の計24校で構成される。[13]
大学名[14]
入会年度
学生総数 (2013/14)[15]
職員総数 (2013/14)[16]
総収益 (2013/14, 100万£)[17]
研究収益 (2013/14, 100万£)[17]
オックスフォード大学
1994
25,905
6,470
1,174
478
ケンブリッジ大学
1994
19,580
5,430
1,504 †
371
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン ‡
1994
28,430
6,195
1,022
375
インペリアル・カレッジ・ロンドン
1994
16,225
4,055
865
351
エディンバラ大学
1994
27,625
4,010
780
216
マンチェスター大学
1994
37,925
4,720
886
214
キングス・カレッジ・ロンドン ‡
1998
27,645
4,370
604
172
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス ‡
1994
10,145
1,610
279
27
ウォーリック大学
1994
25,245
2,130
481
90
ブリストル大学
1994
20,170
2,780
486
132
グラスゴー大学
1994
27,390
3,000
511
134
サウサンプトン大学
1994
24,040
2,900
484
111
ダラム大学
2012
17,190
1,590
304
54
バーミンガム大学
1994
32,335
2,935
528
112
リーズ大学
1994
30,975
3,200
591
133
シェフィールド大学
1994
26,600
2,905
521
129
ノッティンガム大学
1994
33,270
3,350
572
105
クイーン・メアリー (ロンドン大学) ‡
2012
15,420
2,189
349
87
ニューカッスル大学
1994
22,410
2,649
450
102
エクセター大学
2012
19,520
1,785
324
60
カーディフ大学
1998
30,180
3,295
456
94
ヨーク大学
2012
16,680
1,605
312
55
リヴァプール大学
1994
21,345
2,665
435
84
クイーンズ大学
2006
23,320
1,665
298
65
注記:
† ケンブリッジ英検とケンブリッジ大学出版 を含み、カレッジ を除外。[18]
‡ ロンドン大学構成カレッジは独自の学位 を授与している
立場
研究
2014年の研究評価基準結果から2015-16年、イングランド高等教育財政カウンシル(以下、HEFCE)からの(暫定資金を除く)2000万£以上の研究資金支給対象となった19校は全て同会員であり、2000万£を下回る同会員は1860万£のLSEのみであった。[19]
2010-11年では、研究助成金と契約料による収益が最大の20校中19校は、同会員であった。[17]
2007年のHEFCEからの総研究資金配分では上位15校が同会員であり、[20] LSEは低予算の社会科学研究が中心であったことから21位、会員校のみで総研究資金の82%を占めた。[20]
研究資金額は研究内容以外の要因(例えば科学、技術、医学はより多くの資金を調達する傾向)に依存する。
順位
2015-16年の各機関による大学順位にて同会員は、世界大学学術ランキング 上位100に8校[21] 、クアクアレリ・シモンズ社上位100に17校[22] 、タイムズ社上位100に15校が指定された。
大学名
ARWU (世界)a [21]
QS (世界)a [22]
THE (世界)a [23]
Complete (国内)b [24]
Guardian (国内)b [25]
The Times (国内)b [26]
バーミンガム大学
101–150
76
119
15
13
17
ブリストル大学
57
37
69
24
38
20
ケンブリッジ大学
4
3
4
1
1
1
カーディフ大学
101–150
122
182=
35
33
33
ダラム大学
201–300
61
70
6
6
5
エディンバラ大学
41
21
24
19=
22
22
エクセター大学
151–200
161
93
13
11
7
グラスゴー大学
151–200
62
76=
29=
26
26
インペリアル・カレッジ・ロンドン
22
8
8
4
7
3
キングス・カレッジ・ロンドン
50
19
27
21=
42
27
リーズ大学
101–150
87
133=
16
16=
14
リヴァプール大学
101–150
151
157
38
59
38=
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス
151–200
35
23
3
12
9
マンチェスター大学
35
33
56=
25=
31
28=
ニューカッスル大学
301–400
162
196=
25=
37
23=
ノッティンガム大学
101–150
70
143
21=
25
25
オックスフォード大学
7
6
2
2
2
2
クイーン・メアリー (ロンドン大学)
151–200
109
98
31
34
34
クイーンズ大学
301–400
182
200
33
48
31
シェフィールド大学
101–150
80
97
28
41
21
サウサンプトン大学
101–150
81
110=
17
16=
16
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン
17
7
14
10
12
10
ウォーリック大学
151–200
48
80
8
9
6
ヨーク大学
201–300
103
131=
19=
19
15
注記:
a 世界順位(2015-16年)
b 国内順位(2016-17年)
財政
会員校で、2001-02年で英国高等教育部門収入全体の44.7%、2013-14年に49.1%を占めた。
同期間の会員校総収入は、部門平均で54.4%から実質ベースで69.9%に増加した。[27]
会員校は弁済信用力が高く扱われ、低金利優遇を受けている。[28]
脚注
外部リンク