マーケル・エヌガイ・フルツ(Markelle N'Gai Fultz, 1998年5月29日 - )は、アメリカ合衆国メリーランド州アッパー・マルボロ出身のプロバスケットボール選手。ポジションはポイントガード。
経歴
ハイスクール
メリーランド州ハイアッツビルのデ・マーサ・カソリックハイスクールでプレーし、2016年のU-18 FIBAアメリカの金メダル獲得チャンピオンシップチームの一員となり、トーナメントMVPを獲得するほか、2016年にはマクドナルド・オール・アメリカンにもイーストチームで出場した。大学のリクルート評価では5スターを獲得し、2016年のトップクラス選手の1人であった。卒業後はワシントン大学に進学した[2][3]。
カレッジ
2016年11月3日、西ワシントン大とのエキシビション戦で、ワシントン大学ハスキーズのユニフォームでベンチから初登場し、14分、7リバウンド、5アシスト、3ターンオーバーの成績を残した[4]。
公式戦のデビュー戦で、30得点、7リバウンド、6アシストを記録し、その後もオールラウンドなスタイルを確立し続けた。1994-95シーズンのラドレル・ホワイトヘッド以来となる、ルーキーシーズンに1試合平均、20得点、5リバウンド、5アシストを記録した。ワシントン大をポストシーズンに導くことはできなかったにもかかわらず、フルツはオール・パシフィック12カンファレンスのファーストチームに選ばれ、オールアメリカンのサード・チームにも選出された。ワシントンで1シーズンを終えた後、2017年のNBAドラフトにアーリーエントリーすることを発表した[5]。
個人成績
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2016-17
|
ワシントン
|
25 |
25 |
35.7 |
.476 |
.413 |
.649 |
5.7 |
5.9 |
1.6 |
1.2 |
23.2
|
フィラデルフィア・76ers
2017年のNBAドラフトでは、予てからトップ指名を予想されており、ドラフト前にはナイキとシューズ提供の複数年契約を結んでいる[6]。ドラフト3日前にボストン・セルティックスからフィラデルフィア・セブンティシクサーズに1位指名権がトレードされ[7]、結局、シクサーズからトップ指名を受けた[8]。しかし、シーズンキャンプから右肩の不調を訴え、2017-18シーズン開幕して間もなく治療の為にチームから離脱すると報じられた[9][10]。2018年3月26日に行われたデンバー・ナゲッツ戦で約5か月振りに復帰した。フルツはこの試合で10得点、8アシストを記録、試合は76ersが123-104で勝利した[11]。4月11日の76ersが130-95で勝利したミルウォーキー・バックス戦でキャリア初のトリプル・ダブルとなる13得点、10リバウンド、10アシストを記録した。また、NBA史上最年少(19歳と317日)でのトリプル・ダブル達成ともなった[12]。
2018-19シーズンも開幕から不調が続き、身体の痛みを抱えながらのプレイとなり、11月に入りミネソタ・ティンバーウルブズとのトレードによりジミー・バトラーが加入するとスターターの座を奪われる形となった。痛みを解明するため複数の専門家の元を訪れ、胸郭出口症候群と診断された。これによりフルツはNBA2年目のシーズンも無期限離脱となった。[13][14]
オーランド・マジック
シクサーズでは怪我の影響もあり充分な力を発揮できなかったフルツは、2019年2月7日にジョナソン・シモンズ、複数のドラフト指名権とのトレードでオーランド・マジックへ移籍した[15]。
2020-21シーズン開幕前の2020年12月22日にマジックとの3年総額5000万ドルの延長契約に合意した。シーズン開幕後の2021年1月7日のクリーブランド・キャバリアーズ戦にて左前十字靭帯損傷の大怪我を負ってしまい、シーズンの残りの試合の全休が発表された[16][17]。
2021-22シーズンは開幕からリハビリを続け、2022年2月28日のインディアナ・ペイサーズ戦にて、1年ぶりに公式戦に復帰した[18]。4月10日のマイアミ・ヒート戦でキャリアハイとなる15アシストを記録し、チームは125-111で勝利した[19]。
2022-23シーズン、2023年3月18日のロサンゼルス・クリッパーズ戦でキャリアハイとなる28得点、4スティールを記録し、チームは113-108で勝利した。
NBA個人成績
レギュラーシーズン
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2017–18
|
PHI
|
14 |
0 |
18.1 |
.405 |
.000 |
.476 |
3.1 |
3.8 |
.9 |
.3 |
7.1
|
2018–19
|
19 |
15 |
22.5 |
.419 |
.286 |
.568 |
3.7 |
3.1 |
.9 |
.3 |
8.2
|
2019–20
|
ORL
|
64 |
59 |
28.3 |
.473 |
.254 |
.723 |
3.3 |
5.2 |
1.3 |
.2 |
12.1
|
2020–21
|
8 |
8 |
26.9 |
.394 |
.250 |
.895 |
3.1 |
5.4 |
1.0 |
.3 |
12.9
|
2021–22
|
18 |
3 |
20.0 |
.474 |
.235 |
.810 |
2.7 |
5.5 |
1.1 |
.3 |
10.8
|
2022–23
|
60 |
60 |
29.6 |
.514 |
.310 |
.780 |
3.9 |
5.7 |
1.5 |
.4 |
14.0
|
2023–24
|
43 |
18 |
21.2 |
.472 |
.222 |
.697 |
3.2 |
2.8 |
1.0 |
.3 |
7.8
|
通算
|
234 |
164 |
25.4 |
.472 |
.274 |
.731 |
3.4 |
4.6 |
1.2 |
.3 |
11.1
|
プレーオフ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2018
|
PHI
|
3 |
0 |
7.7 |
.143 |
--- |
.750 |
1.0 |
1.7 |
.7 |
.0 |
1.7
|
2020
|
ORL
|
5 |
5 |
29.4 |
.400 |
.375 |
.857 |
2.2 |
5.2 |
1.0 |
.6 |
12.0
|
2024
|
7 |
0 |
15.1 |
.588 |
.000 |
.556 |
2.0 |
1.1 |
.4 |
.0 |
6.4
|
通算
|
15 |
5 |
18.3 |
.446 |
.353 |
.700 |
1.9 |
2.6 |
.7 |
.2 |
7.3
|
脚注
- ^ “Markelle-Fultz”. draftexpress.com (2017年). 2021年1月25日閲覧。
- ^ “Markelle Fultz commits to Washington Huskies”. Espn.go.com (2015年8月27日). 2017年2月27日閲覧。
- ^ “5-star recruit Markelle Fultz hopes to ‘blaze my own path’ with UW Huskies”. The Seattle Times. http://www.seattletimes.com/sports/uw-husky-basketball/5-star-recruit-markelle-fultz-hopes-to-blaze-my-own-path-with-uw-huskies/ 2017年2月27日閲覧。
- ^ “Huskies Top Vikings, 109-103, In Exhibition Opener”. http://www.gohuskies.com/news/2016/11/4/mens-basketball-huskies-top-vikings-109-103-in-exhibition-opener.aspx 2016年11月13日閲覧。
- ^ “Washington's Markelle Fultz announces he's going pro”. ESPN. March 11, 2017閲覧。
- ^ DePaula, Nick (June 16, 2017). “Markelle Fultz discusses new deal with Nike”. June 16, 2017. https://sports.yahoo.com/markelle-fultz-discusses-new-deal-nike-003724845.html June 19, 2017閲覧。
- ^ “Celtics, 76ers finalize blockbuster deal to swap top picks”. ESPN. (June 19, 2017). http://www.espn.com/nba/story/_/id/19680150/boston-celtics-trade-no-1-overall-pick-philadelphia-76ers-no-3-pick-future-first-round-selection
- ^ “Markelle Fultz goes No. 1 to Sixers; Lonzo Ball lands with hometown Lakers”. NBA.com (2017年6月22日). 2017年7月29日閲覧。
- ^ 76ers' Markelle Fultz out indefinitely, will be re-evaluated in three weeks
- ^ 76ersの新人、マーケル・フルツが右肩の負傷で無期限の離脱へ NBA.com JAPAN
- ^ “No.1 pick Fultz scores 10 points in 1st game since October” (英語). ESPN.com. ESPN (2018年3月26日). 2018年3月27日閲覧。
- ^ “76ers win 16th straight, earn 3 seed in romp over Bucks” (英語). ESPN.com. ESPN (2018年4月11日). 2018年4月12日閲覧。
- ^ release, Official. “Sixers officially acquire Jimmy Butler in trade with Timberwolves” (英語). NBA.com. 2018-12-05T08:22:20Z閲覧。
- ^ “76ersの2017年ドラフト1位指名、マーケル・フルツが胸郭出口症候群で無期限離脱へ”. www.sportingnews.com. 2018-12-05T08:22:32Z閲覧。
- ^ “Magic Acquire Markelle Fultz in Trade From 76ers”. NBA.com (February 7, 2019). February 7, 2019閲覧。
- ^ “Magic's Fultz suffers torn left ACL; season over” (英語). ESPN.com (7 January 2021). 7 January 2021閲覧。
- ^ “Markelle Fultz's Injury Diagnosed as Torn ACL by Magic, Will Miss Rest of Season” (英語). Bleacher Report. 7 January 2021閲覧。
- ^ Cohen, Josh (March 1, 2022). “An Analysis of Markelle Fultz's Return Performance”. nba.com. April 11, 2022閲覧。
- ^ Cohen, Josh (April 10, 2022). “Magic Match Team 3-Point Record in Season-Finale Win Over Heat”. NBA.com. April 10, 2022閲覧。
外部リンク
|
---|
1940年代 | |
---|
1950年代 | |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|