チーム・フェルバーマイヤー・プロトンのポルシェを駆るマルク・リープ (2008年)
マルク・リープ [ 1] (Marc Lieb , 1980年 7月4日 - )は、ドイツ ・シュトゥットガルト市 のバートカンシュタット出身のドイツ人 レーシングドライバー である。
2014年時点で、FIA 世界耐久選手権 (WEC) にポルシェ のワークスドライバーとしてポルシェ・919ハイブリッド にドライブして参戦している。2003年 と2005年 のFIA GT選手権 で所属チームのタイトル獲得に貢献し、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ でも2005年 ・2006年 ・2009年 ・2010年 に所属チームにタイトルをもたらしている。ニュルブルクリンク24時間レース では4回優勝し、ル・マン24時間レース では2005年・2010年・2013年 にクラス優勝をし、2008年のセブリング12時間レース や2007年のロード・アトランタ戦 などで勝利している。
レース経歴
1992年 にリープはカート で彼自身のレース人生をスタートさせた。1995年 にドイツ・フォーミュラ・ルノー1800選手権 でカーレースに移行した。翌年、選手権をランキング2位でフィニッシュし、1998年 にドイツ・フォーミュラ・ルノー2000 に昇格した。1999年 にはユーロカップ・フォーミュラ・ルノー をランキング3位でフィニッシュした。2000年 にリープはポルシェのジュニアドライバーとなり、ポルシェ・カレラカップ・ドイツ でレースをしてランキング5位でフィニッシュした。2001年 にカレラカップ・ドイツをランキング7位でフィニッシュするとともに、カレラカップの国際シリーズであるポルシェ・スーパーカップでは表彰台に昇った。
2002年 にカレラカップ・ドイツに4勝してチャンピオンとなった。同年のFIA GT選手権 のN-GTクラスでもブルノ とペルグーサで2勝している。彼は更にセブリング12時間レースやアメリカン・ル・マン・シリーズ のロード・アトランタ戦(プチ・ル・マンと称される)も出走したが、どちらも完走できなかった。2003年 にポルシェのフルワークスドライバーとなってFIA GT選手権に出走した。 チーム・フライジンガー・モータースポーツに所属してステファン・オルテリ とコンビを組み、同年のFIA GT選手権 のN-GTクラスのタイトルを獲得した。その過程の途中で、ポルシェ・911 GT3-RSをドライブしてスパ・フランコルシャン24時間レース での2位に8ラップ差を付ける圧勝劇 を含む3勝を挙げている。同年のル・マン24時間レースでは、 GTクラスで2位に入っている。
2004年 には、アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS) でアレックス・ジョブ・レーシングに所属し、ロマン・デュマ とコンビを組んでレースをした。リープは開幕戦のセブリング12時間レースをクラス2位でゴールし、ポートランドとラグナ・セカ での勝利でポイントを積み上げ、最終的にランキング4位でフィニッシュした。
2004年シーズン終了後、リープはポルシェワークスで還元されたプログラムへの教育と併用させながらエスリンゲン大学 の応用科学学部で工学の勉強を始めた。リープは、以前レース活動に本格的に身を投じるか選択する前の頃、シュトゥットガルト大学 で2学期の間、自動車・モーター工学を学んだことがあった。リープは7つの学期での勉学を経てエスリンゲン大学の学位を取得した後、ヴァイザッハにあるポルシェモータースポーツ研修施設での技術者としての役職を通し、その経験をレース活動に生かせるように取り込んでいる[ 2] 。
2005年 にグルッペ M レーシング所属としてFIA GT選手権に復帰すると、ミケ・ロッケンフェラー とコンビを組んで、スパ・フランコルシャン24時間レースで勝利するなどしてポイントを重ねて、GT2クラスのドライバーズタイトル を獲得した。彼はまたル・マン耐久シリーズ にも参戦し、Sebah Automotiveチームのメンバーとして4戦中3勝した。ル・マン24時間レースでもミケ・ロッケンフェラーとレオ・ヒンデリーと組んでGT2クラスで初優勝を遂げた。2006年 には、アウターランド・スポーツに所属してジョエル・カマティアス とコンビを組んで、ル・マン・シリーズのGT2のタイトル を獲得している。
2007年 と2008年 は、チーム・フェルバーマイヤー・プロトンに所属してポルシェ・911 GT3-RSR (2008)を駆ったが、両年ともランキング2位で惜しくもタイトルを逃した。
2009年 にリープはチーム・フェルバーマイヤー・プロトン在籍を続け、ポルシェ・911 でル・マン・シリーズに参戦する為に、新たにリヒャルト・リーツ とコンビを組んだ。リープはGT2クラスで5戦中3勝を収めてタイトル を決めている。ル・マン24時間レースへの復帰に関して、チーム・フェルバーマイヤー・プロトンでリーツとヴォルフ・ヘンツラー とチームを組んで挑んだが、途中でリタイアを余儀なくされた。同年のFIA GT選手権 では、プロスピード・コンペティションに所属してダリル・オーヤン と組んで最終戦のゾルダー のみ出走している。同年のニュルブルクリンク24時間レースではチーム・マンタイに所属して優勝した。同年のALMS では。フライング・リザード・モータースポーツに所属してヨルグ・ベルグマイスター とパトリック・ロング の第3ドライバーとしてセブリング12時間レースでは4位、プチ・ル・マンでは5位に入り、また、ファーンバッハー-ロールズ・レーシングにも所属して出走したレースではブライス・ミラー の代役としてウォルフ・ヘンツラーとチームを組んで出走し2位に入っている。いずれのレースもGT2クラスをポルシェ・911を駆って出走している。
2010年 にリープはチーム・フェルバーマイヤー・プロトン在籍とリヒャルト・リーツとのコンビ関係を続行し、同年のル・マン・シリーズ ではフェラーリのセミワークスチームと言われるAFコルセ の2台のフェラーリ・F430 に対して3勝するなどしてGT2クラスのドライバーとチームのタイトルを首尾よく防衛した。同年のル・マン24時間レースでは、チーム・フェルバーマイヤー・プロトンでリーツとヘンツラーと再び組んでポルシェ・911で参戦し、2度目のGT2クラスの制覇を成し遂げた。同年のALMS では、セブリング12時間レース(4位)とプチ・ル・マン(5位)と2つの主要なレースのみ、ヨルグ・ベルグマイスターとパトリック・ロングの第3ドライバーとしてフライング・リザード・モータースポーツに所属して前年に引き続いて出走した。プロスピード・コンペティションに所属してマルコ・グロッセンス とマルコ・ホルツァー とリチャード・ウェストブルック らと組んでGT2クラスのポルシェ・911でた同年のスパ・フランコルシャン24時間レース出走したが、途中リタイアした。
2011年 にリープはチーム・フェルバーマイヤー・プロトン在籍とリヒャルト・リーツとのコンビ関係を続行したが、同年のル・マン・シリーズ では全5戦中、表彰台には手が届くが優勝は1回も出来ずに、このシーズンよりGTS/GT1 クラスLが改称されていた新生LMGTE Pro クラスでドライバーズランキング5位・チームランキング3位の成績で終わった。同年のル・マン24時間レースでは、LMGTE Pro クラス4位で終わった。同年のALMS では、ヨルグ・ベルグマイスターとパトリック・ロングの第3ドライバーとしてフライング・リザード・モータースポーツに所属して前年に引き続いて出走し、セブリング12時間レースで6位に入った。プチ・ル・マンの出走はなかったが、デイトナ24時間レース にBrumosレーシングに所属してポルシェ・911で参戦し、6位に入っている。同年のニュルブルクリンク24時間レースではチーム・マンタイに所属してティモ・ベルンハルト ・ロマン・デュマ・ルーカス・ルーア とチームを組んで出走して優勝した。彼はオーストラリア のサーファーズ・パラダイス市街地コース で行なわれるV8スーパーカー レースでフォード・ファルコン をドライブするオーストラリア人のレースドライバーアレックス・デヴィソン の相方として招待を受け、第1レフ・第2レフそれぞれを23位と18位 で終えた。
2012年 に、チーム・フェルバーマイヤー・プロトンは、そのレース活動をヨーロピアン・ル・マン・シリーズから新設されたFIA 世界耐久選手権(WEC) のLMGTE Proクラスに移した。参戦するレースのシリーズは変わったが、リーツとのコンビ関係はそのまま継続した。彼は全8戦中2勝し6回表彰台に昇り、チーム・フェルバーマイヤー・プロトンはチームランキング3位で終わり、ポルシェはコンストラクターズランキング2位という結果となった。また、同年のル・マン24時間レース で組んだパートナーの一人のヴォルフ・ヘンツラーとは2009年以来4シーズンの間、ル・マン24時間レースでパートナー同士だった。同年のデイトナ24時間レースをBrumosレーシングに所属してポルシェ・911で参戦し、3位に入っている。一方で、同年のサーファーズ・パラダイス・グランプリは、今度はホールデン・コモドア に乗って出走し、2位と14位 で終えた。
ポルシェは公式に2013年のWEC に参戦を表明した。リープはチーム・マンタイで新しいポルシェ・911用のドライバーとして採用され、再びリーツと組むこととなった。付け加えると、初戦から3戦目の同年のル・マン24時間レース まではロマン・デュマを含む3人でチームを組むこととなった。ル・マン24時間レースではクラス優勝を果たし、4位にも5回入って、結果としてドライバーランキングも4位となりチームランキングは2位となっている。同年のスパ・フランコルシャン24時間レースにチーム・マンタイで出場し総合2位に入り、ニュルブルクリンク24時間レースでは総合7位でSP7では優勝している。一方で、同年のデイトナ24時間レースをBrumosレーシングに所属してポルシェ・911で参戦しており、オーストラリアで開催されるV8スーパーカーレースでは3戦まで出場レースを増やしてジョナソン・ウェブ とタッグを組んでホールデン・コモドアで挑んでいる。
ポルシェはWECの2013年シーズン終了後、2014年シーズンのLMP1-Hクラスに出走する為に開発されたポルシェ・919ハイブリッド の走行テストプログラムにリープが加わることを発表した[ 3] 。
2013年9月4日、リープはニュルブルクリンク の北コースでポルシェ918スパイダー で6分57秒のラップを刻んでいる。このタイムはそれまでニュルブルクリンクに持ち込まれた公道車の中では過去3番目に速いタイムである[ 4] [ 5] [ 6] 。
レース戦績
ポルシェ・カレラカップ・ドイツ
グランドツーリング
FIA GT選手権
スパ・フランコルシャン24時間レース
スポーツカー
アメリカン・ル・マン・シリーズ
ル・マン耐久シリーズ/ル・マン・シリーズ
インターコンチネンタル・ル・マン・カップ
(key )
FIA 世界耐久選手権
ル・マン24時間レース
セブリング12時間レース
デイトナ24時間レース
脚注
^ しばしば姓の日本語表記が "リーブ" と書かれることがあるが、ドイツ語の発音の特徴として音節末の有声子音字(この場合はb音)は対応する無声子音があればその音(b音の無声子音はp音)で発音するので、姓の Lieb の語末の 'b' の発音記号は[p]となり、 "リープ" [liːp]の日本語表記の方が本来の発音に近くなる(参照: ドイツ語音韻論 )。
^ Tiersen, Charlotte (June/July 2011). “All-Round Talent” . Christophorus (Stuttgart: Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG). http://files1.porsche.com/filestore.aspx/All-Round-Talent.pdf?pool=uk&type=download&id=christophorus-junejuly2011-marc&lang=none&filetype=default&version=9628beb8-b3e5-49c1-ad16-4f078b786a56 1 December 2014 閲覧。 .
^ “Works engagement with 919 hybrid and 911 RSR ”. Porsche.com . Porsche. 14 December 2013 閲覧。
^ Laptime video url=http://www.youtube.com/watch?v=Bc9UUPNaOzE
^ 918 laptime http://www.porsche.com/uk/models/918/918-spyder/
^ Marc Lieb laptime url=http://press.porsche.com/news/release.php?id=812
関連項目
外部リンク
世界耐久選手権 世界スポーツプロトタイプカー選手権 スポーツカー世界選手権 FIA 世界耐久選手権
FIA GT選手権
GT1クラス →GTクラス →GT1クラス GT2クラス →N-GTクラス →GT2クラス
FIA GT1選手権 FIA GTシリーズ →ブランパンスプリントシリーズ →ブランパンGTシリーズスプリントカップ →ブランパンGTワールドチャレンジヨーロッパ →GTワールドチャレンジ・ ヨーロッパ・スプリントカップ
Proカップ →総合 シルバーカップ →ゴールドカップ Pro-Am トロフィー →Pro-Amカップ →シルバーカップ ジェントルマン トロフィー →Amカップ →ブロンズカップ