GB (ジービー)は、本田技研工業 が製造・販売していた単気筒 エンジン を搭載するオートバイ のシリーズ車種である。
概要
1983年 に発売されたGB250クラブマン が第1弾となる。2年後の1985年 にはGB400TTおよびGB500TTが発売され、同時にロケットカウル を装備したGB400TT MkIIも限定販売された。
シリーズ全車に「放射状4バルブ方式燃焼室 」RFVC (Radial Four Valve Combustion Chamber) を採用しており、この機構により省燃費と高出力化を実現している。
GB250クラブマンはCB250RS の後継および発展機種に相当するため、GBシリーズは系統としてはホンダ・CB 系に属する。ネーミングの由来としてEXCITING BIKE Special Vol.1「GB250」で開発関係者から語られた「当初は『CB 』の商標で販売が予定されたが、上層幹部が開発途中のGBシリーズを見た時に『CBは時代の先端を進んでいくイメージ、対してこれは時代を逆行している感じだ』と述べたことからGB250クラブマンとなった。」という話が知られている。
モデル一覧
250ccクラス
GB250CLUBMAN(1983年式)
GB250クラブマン(1983年 - 1997年)
E型 - 1983年12月0 7日発売
H型 - 1987年0 2月10日発売
J型 - 1988年0 6月0 1日発売
L型 - 1989年12月22日発売
P型 - 1993年0 4月0 1日発売
S型 - 1995年0 2月10日発売
V型 - 1997年0 1月15日発売
350ccクラス
GB350シリーズ(2021年 - )
GB350・GB350 S・GB350 C
基本情報 排気量クラス
普通自動二輪車 メーカー
本田技研工業 車体型式
NC59 * 2BL-NC59 (2021年モデル) * 8BL-NC59 (2023年モデル) NC64 * 8BL-NC64 (GB350 C)[ 1] エンジン
NC59E型 348 cm3 4ストローク 内径×行程 / 圧縮比
70.0 mm × 90.5 mm / 9.5:1 最高出力
15 kW (20 PS) / 5,500 rpm 最大トルク
29 N⋅m (3.0 kgf⋅m) / 3,000 rpm
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デザインは「人とバイクに一体感」を追求したもので、艶消し加工を施されたタンク やサイドカバーと金属の光沢感によって抑揚をもたらされている。ハンドルが体に近い位置にあるため、乗車姿勢が自然と起き上がり、余裕のある姿勢になっている。エンジンは「空冷 」「直立 」「単気筒 」の3つを表現し、力強く息の長い加速によって街中では軽快に走行することができる。また、「単気筒」の特徴であるエンジンの鼓動感がある。車体の振動を抑制する役割を持つバランサーが搭載されており、不快な振動だけを打ち消し、長時間の継続運転を可能にしている。マフラー音は重厚な低音と弾けるような高音を混ぜ合わせ、歯切れのいいサウンドになっている。シフトダウンをしたときにかかる急激なエンジンブレーキ のショックを軽減するアシスト&スリッパ―クラッチ が搭載されており、加減速を繰り返す街中走行で疲労が軽減されやすくなっている。
装備については、すべての灯火類がLED、メーターはギアポジションや時刻、燃費などの情報をコンパクトに表示、容量15Lのタンク、つま先でシフトダウンしかかとでシフトアップするシーソーペダル となっているが、シフトアップはほかのMT車と同じく前ペダルでも行える[ 5] [ 6] 。
バリエーションごとの差違
一見すると、どちらも違いがないように見えるが、それぞれ以下のような細かな特徴がある。
GB350
安定感のあるライディングポジションで乗車できる。上質感を感じさせるブラウンカラーのシートとスチール製の前後フェンダーが装備されている[ 7] 。
カラーリング
キャンディークロモスフィアレッド(2021年モデルのみ)[ 7]
マッドパールグレアホワイト(2023年モデルに追加)[ 8]
マットジーンズブルーメタリック
マットパールモリオンブラックメタリック
GB350 S
ライディングポジションはGB350よりもやや前かがみの姿勢となる。これは、GB350よりもハンドルを低く遠い位置に設定し絞り角を浅くしたことによる。それに合わせて、タックロール風ワディングシートが装備され、メインステップ位置を変更している。さらにリアホイールを17インチに小径化し、よりワイドなラジアルタイヤを履かせてグリップ特性と安定性の両立を図っている。このほか、小型のLEDウィンカーとリア灯火類、軽量化された樹脂製前後フェンダー、専用デザインのサイドカバー、バンク角をより深める形状のマフラーを採用し、フロントフォークブーツを標準装備している[ 7] 。これらの特徴により、スポーティなモデルとしてGB350と差別化している。
カラーリング
プコブルー(2023年モデルに追加)[ 8]
パールディープマッドグレー
ガンメタルブラックメタリック
GB350 C
インドで販売されるホンダ・CB350を、日本仕様に改めて発売される[ 9] 。開発コンセプトを「The Standard Classical Motorcycle」とし、上の2モデルよりもクラシックで重厚な印象のデザインになっている[ 10] 。前後のフェンダーを大型化し、大型フロントフォークカバーと専用のヘッドライトカバー、セパレートシートを装着する[ 10] 。
開発に携わった笹澤裕之によると、スタンダードのハイネスCB350よりもさらにクラシックなバイクを求める声に応じる形で提案したという[ 3] 。マフラーやリムなどを含め、GB350と同じ外装を使っていないため全く別の見た目に仕上がっている。
2024年4月の大阪モーターサイクルショー 2024にて、跨り可能なプロトタイプ車両が用意された[ 9] 。そして同年9月には、正式に発売されることが明かされた[ 1] 。なお、エンジンの仕様は変更されていない。
項目\モデル
GB350 (2021年モデル)
GB350 (2023年モデル)
GB350 S
GB350 C
全長×全幅×全高(mm)
2,180×800×1,105
2,180×790×1,105
2,175×780×1,100
2,205×790×1,105
最低地上高(mm)
166
168
165
重量(kg)
180
179
178
186
タイヤサイズ(前)
100/90-19M/C 57H
タイヤサイズ(後)
130/70-18M/C 63H
150/70R17M/C 69H
130/70-18M/C 63H
燃費(km/L、定地燃費値 (60 km/h、2名乗車時))
49.5
47.0
本体価格(税込)
550,000円
561,000円
594,000円 (2021年モデル) 605,000円 (2023年モデル)
668,800円(2025年モデル)
※燃費の値は、国土交通省届出値・定地燃費値である。
GB350 2021年3月30日発表、4月22日発売[ 7]
マイナーチェンジ 2023年5月26日発表、7月6日発売[ 8]
GB350S 2021年3月30日発表、7月15日発売[ 7]
マイナーチェンジ 2023年5月26日発表、7月6日発売[ 8]
GB350C 2024年2月22日発表[ 10] 、10月10日発売予定[ 1]
400ccクラス
GB400TT / GB400TT MkII(1985年 - 1987年)
GB400TT (ジービー400ツーリストトロフィー)は1985年7月20日に発売された。
GB500TTと共通の車体に、500ccクラスの「PC16E型」のボア・ストロークをダウンした「NC20E型」エンジンを搭載。シングルシートを装備するMkIIや500TTと異なり、ダブルシート仕様となっている。
GB400TT MkII (ジービー400ツーリストトロフィー・マークツー)は1985年8月20日に発売された。
GB400TTをベースとした派生仕様。ロケットカウル 型のハーフフェアリング とシングルシートを装備したモデルであり、それ以外の車体構成は基本的に同一である。なお、400TTは国内年間6000台予定の通常販売となっていた一方、MkIIは4000台の限定販売となっていた。
車名のTTは「ツーリスト・トロフィー」の略称であり、マン島TTレース で活躍した1960年代の英国車の雰囲気を強くイメージしたデザインとなっている。なお、ホンダは1959年に同レースに初参戦して完走を果たし、1961年には初優勝を飾っている。
500ccクラス
GB500TT(1985年)
GB500TTに搭載されるエンジンは、輸出用エンデューロレーサー のXR500RD で採用されたエンジンを元に、フライホイールマスの増加やセルフスターターの追加、ツインキャブからシングルキャブへの変更などを施した「PC16E型」を採用。なお、400TTでは同型のボア・ストロークをダウンした「NC20E型」エンジンを搭載している。
シングルシートを標準装備しており、タンデム使用を想定しない一人乗りである点も特徴となっている(400TT MKIIも同様にシングルシートを標準装備)。
脚注
^ a b c “クラシカルスタイルのロードスポーツモデル「GB350 C」を発売 ”. 本田技研工業 (2024年9月12日). 2024年9月24日 閲覧。
^ a b c 宮﨑健太郎 (2021年6月27日). “「ふたりの友情と、ひとつの夢の物語」──ホンダGB350開発秘話 ”. GQ JAPAN. 2024年1月10日 閲覧。
^ a b 関谷守正 (2024年4月24日). 上野茂岐: “開発者に聞いたホンダ GB350Cの魅力「外装はほぼ新設計&リアル金属」クラシック感を追求した豪華な作りに注目! ”. モーサイ . 2024年5月21日 閲覧。
^ “GB350 | 5MTのギヤ比と加速・最高速 [141km/h NC59型 2021年 ]”. greeco motorcycle . 11 Jan 2024 閲覧。
^ “【シーソー式】GB350 シーソー式のシフトペダルがいい感じ【ホンダ】 ”. Rioblog (05 Jul 2021). 20 May 2024 閲覧。
^ “GB350車種カタログ ”. Honda公式ホームページ . 2022年7月17日 閲覧。
^ a b c d e “新型ロードスポーツモデル「GB350」「GB350 S」を発売 ”. 本田技研工業 . 11 Jan 2024 閲覧。
^ a b c d “ロードスポーツモデル「GB350」「GB350 S」の仕様を一部変更し発売 ”. 本田技研工業 . 11 Jan 2024 閲覧。
^ a b “ホンダ「GB350 C」撮影レポート|各部装備を徹底チェック! スタンダードのGB350とのちがいを見てみよう ”. Webオートバイ (12 Apr 2024). 20 May 2024 閲覧。
^ a b c “「第40回 大阪モーターサイクルショー2024」「第51回 東京モーターサイクルショー」「第3回 名古屋モーターサイクルショー」Hondaブース出展概要について ”. 本田技研工業 (22 Feb 2024). 20 May 2024 閲覧。
^ a b ホンダ・プレスインフォメーション - 1985年6月19日
外部リンク
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