ヒューマン株式会社(英文社名:Human Corporation)は、かつて存在した日本のゲームソフト開発会社である。労働者派遣事業などを営むヒューマングループとは関係がない。
1983年5月に鈴木長四郎が6・7人のスタッフとともに設立。ファミリーコンピュータ用ゲームソフトの受託開発などを手がけた後、1989年6月に初の自社ブランドタイトルとなる『ファイヤープロレスリング コンビネーションタッグ』をリリース。ファイヤープロレスリングシリーズおよび1990年4月に第1作が発売されたフォーメーションサッカーシリーズはヒューマンの2大看板タイトルとなった。このほか、ホラーアドベンチャーのクロックタワーシリーズ、トワイライトシンドロームシリーズなども人気を博し、スーパーファミコンで発売した『セプテントリオン』、『ザ・ファイヤーメン』、『クロックタワー』は映画やライブに見られる迫力と臨場感をイメージしたシステム「シネマティックライブ」を取り入れていた。
また、アーケードゲーム事業に関係して以下の特許を出願したほか、技術研究所では統合型3Dマルチメディアオーサリングシステム「Digital Loca(デジタル ロケ)」を開発。1999年には不動産販売会社の大京と眺望シミュレーションソフトを共同開発している[1]。
1998年にアーケードゲーム事業から撤退した際に大幅な赤字を計上。1999年9月の「東京ゲームショウ'99秋」は出展を見合わせ[2]、同年11月には37億900万円の負債を抱え、東京地裁八王子支部に和議を申請して事実上倒産した[3]。ゲームソフト事業から撤退し、専門学校事業のみで経営の建て直しを図ることも検討されたが、2000年1月に再建を断念し和議を取り下げて破産した[4]。主な人気タイトルの権利はスパイクが取得、開発スタッフはスパイクが新たに設立したヴァイル株式会社(2001年7月 スパイクに吸収合併)に移り、ファイヤープロレスリングシリーズ、トワイライトシンドロームシリーズ、爆走デコトラ伝説シリーズなどの開発を担当することとなった。
1990年に開校した、世界初と言われるゲームクリエイター養成専門学校[5]。ヒューマンの本社所在地である吉祥寺に設立され、当初はヒューマン社員が講師を務めることも多かった。また同校は、1990年12月にバンダイと設立したベックや、1992年10月にNECホームエレクトロニクスと設立したヒューネックスにクリエイターを供給する役割も果たした。なお、卒業制作発表で優れたアイデアを持っていると認められた学生・作品は、「学生作品商品化プロジェクト」に進む機会が与えられ、同プロジェクトからは以下の作品が誕生した。
1999年4月には2号館が完成[6]。また、インターネットやパソコン通信を利用した通信教育「HUMAN Multimedia Network School(HUNET)」を提供していたが、1999年にはSKY PerfecTV! にてゲームクリエイター養成講座の放送が開始された[7]。2000年1月にヒューマンからドッドウエル ビー・エム・エスに経営権が譲渡され[8]、ドッドウエルとパソナソフトバンクの提携に伴い同年4月1日より学校名を「パソナソフトバンク クリエイティブスクール」に変更した[8]。この際に経営母体が株式会社アイルに移っている。2001年8月にはパソナソフトバンクのプロフェシオへの改称に伴い、校名を「プロフェシオ クリエイティブスクール」に再変更したが、入学予定者数の大幅な減少を理由に2002年度の募集を中止し、2003年3月に閉校した[9]。
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