バイケイソウ (梅蕙草、学名 : Veratrum oxysepalum var. oxysepalum )は、ユリ目シュロソウ科 (メランチウム科: APG植物分類体系 による分類)シュロソウ属 に属する多年草 で高山植物 。従来の多くの分類体系ではユリ科 に分類されていた。和名 は、花がウメ 、葉がケイラン に似ていることに由来する[6] 。
分布・生育地
種(Veratrum album )は、ヨーロッパ 、北アフリカ 、シベリア 、東アジア 、アリューシャン列島 、アラスカ州 のスワード半島 に分布する。その亜種 のバイケイソウ(V. s. subsp. oxysepalum )は北東アジア と日本 に分布し、その基準標本 はカムチャッカ半島 のもの[7] 。日本では北海道 、本州 、四国 、九州 の山地 から亜高山帯 にかけての林内や湿った草地に分布する[7] 。
形態・生態
開花時期は、6 - 8月[8] [6] 。直径1.5-2 cm ほどの緑白色の花を房状に多数つける(茎の上部に大形の円錐花序 となる。[8] )[6] [7] 。6枚の花被片 は長さ1-1.5 cm程の細卵形でその先尖り、雄しべ はその半分程の長さ[7] 。
開花期の草丈は0.6 - 1.5 m となる[7] 。
中空で緑色の茎が直立する。葉 は長さ15 - 30 cm、幅10 - 20 cmの広楕円形から長楕円形で、その先が尖る[8] [7] 。下部の葉は、基部がさや状になって茎を抱く。
中毒
全草有毒で、誤食すると激しい嘔吐 、下痢 を引き起こし、多食すると血圧 降下をおこし、呼吸 減少、呼吸麻痺により死に至る場合がある。根茎 にジェルビン 、ベラトリン、プロトベラトミンなどのアルカロイド を含む[7] 。根茎は白藜蘆根(びゃくりろこん)と呼ばれ血圧降下剤として用いられたが、催吐作用や強い毒性があるので現在では用いられない。また、東雲草(しののめそう)の名で殺虫剤としても使われた。
芽生えの姿が、山菜 のオオバギボウシ (ウルイ)やギョウジャニンニク とよく似ているため、毎年のように誤食して中毒 する事例がある。ただし、バイケイソウはこれら山菜とは味が違う(不快な苦みがあるという)のが特徴。
分類
ミヤマバイケイソウ
ミヤマバイケイソウ (深山梅蕙草、学名:Veratrum alpestre Nakai )は、バイケイソウの高山型で北海道の中央高地と本州の中部以北の亜高山帯から高山帯 下部の湿地 に分布する。バイケイソウよりも小型で高さは、50-80 cm[7] 。シノニム が、Veratrum album subsp. oxysepalum f alpestre で、バイケイソウを区別しないとする見解もある[7] 。
コシジバイケイソウ
コシジバイケイソウ (越路梅蕙草、学名:Veratrum nipponicum Nakai)は、バイケイソウとコバイケイソウとの雑種 とみられている[7] 。シノニムが、Veratrum x nipponicum で、日本の固有種 。花期は8月で結実しない[7] 。花被片は白色で、基部は黄色を帯びる[7] 。
コバイケイソウ Veratrum stamineum
コバイケイソウ
近縁種にコバイケイソウ (小梅蕙草、学名:Veratrum stamineum Maxim. )がある[8] [6] 。
種の保全状況評価
日本では以下の都道府県 で、レッドリスト の指定を受けている[10] 。
画像
バイケイソウの若芽
バイケイソウの花
Veratrum album (スケッチ)
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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