トレモント(Tremont、1884年 - 1898年?)は、19世紀のアメリカ合衆国で競走生活を送ったサラブレッドの競走馬、および種牡馬。怪我により大競走を経験する前に引退したが、2歳時に無類の強さで13連勝を飾る伝説的な成績を残した。
経歴
フランク・マッケイブ調教師のもとで2歳のときにデビューを飾り、それ以降の13戦にすべて勝利するという驚異的な記録を残した。この2歳時に13戦全勝という記録は現在でも破られていない大記録で、また稼いだ賞金39,135ドルも当時の2歳賞金レコードであり、これもしばらく破られることがなかった。いずれの競走での勝ち方も強く、全競走で平均して約6馬身の差をつけていた。
同馬の所有者であるドワイヤー兄弟は、当時所有馬を使いづめることでも有名な馬主であり、トレモントもわずか10週間の間で13戦を消化した。しかしさすがに過度の連戦が祟り、3歳シーズンを迎える前についに故障、そのまま競走馬としての再起は叶わず引退した。
引退後は種牡馬となっているが、これといった成績を残すことはなかった。1898年が産駒の最後の世代であり、この頃に没したものと考えられている。
引退した1887年、ドワイヤー兄弟は当時所有していたグレーブセンド競馬場に、同馬の名を冠した「トレモントステークス」を創設した。現在ではベルモントパーク競馬場に移され、2歳限定のG3競走として施行されている。
評価
主な勝鞍
※当時はグレード制未導入
- 1886年(2歳) 13戦13勝
- ジュヴェナイルステークス、ジュニアチャンピオンステークス、フォームステークス、スプリングステークス、サーフステークス、ゼファーステークス、シークエンスステークス、パドックステークス、ジューンステークス、グレートポストステークス、グッバイステークス、アトランティックステークス、タイロステークス
年度代表馬
- 1886年 - アメリカ最優秀2歳牡馬(後年の選定による)
血統表
トレモントの血統(グレンコー系(ヘロド系) / Tramp 父内5x5=6.25%) |
(血統表の出典)
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父 Virgil 1864 青鹿毛 アメリカ
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父の父 Vandal 1850 鹿毛 アメリカ
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Glencoe
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Sultan
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Trampoline
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Tranby Mare
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Tranby
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Lucilla
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父の母 Hymenia 1851 鹿毛 アメリカ
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Yorkshire
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St. Nicholas
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Miss Rose
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Little Peggy
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Cripple
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Peggy Stewart
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母 Ann Fief 1876 青鹿毛 アメリカ
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Alarm 1869 鹿毛 アメリカ
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Eclipse II
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Orlando
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Gaze
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Maud
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Stockwell
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Countess of Albemarle
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母の母 Kate Walker 1868 青鹿毛 アメリカ
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Embrys Lexington
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Lexington
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Bellamira
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Carrie D
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Don Juan
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Romance F-No.A33
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外部リンク