トム・マーカンド (英語 : Tom Marquand 、1998年 3月30日 - )[ 1] [ 2] は、イギリス 出身の騎手 である。
幼少期
マーカンドは幼少期をチェルトナム で過ごした。彼自身の家族は競馬とは関係無かったが周りに馬がいる環境で育った。ポニーレーシングと地元の調教師の調教助手を務めた後、16歳でリチャード・ハノン・ジュニア (英語版 ) 調教師の所属となった[ 1] 。
経歴
2014年 に初勝利を挙げ、翌2015年 に最優秀見習い騎手となる。その年にはBBCヤングスポーツパーソナリティオブザイヤー賞 のファイナリストとなった[ 1] 。
2017年 9月7日 にディックプールフィリーズステークス (英語版 ) を人気薄のアンナネリウムで制し、重賞初制覇[ 3] 。翌年の2018年 にはアンナネリウム及びマーカンドの重賞2勝目となるスプリームステークス (英語版 ) を含む100勝以上をマーク[ 3] 。その年のクリスマスと年末年始にかけてシドニー のジョン・オシア調教師のもとで6週間ほどオーストラリア で騎乗した[ 1] 。
2019年 にはアンナネリウムと共に重賞3勝目となるプリンセスエリザベスステークス を勝利した他、モニカシェリフに騎乗しフランスのベル・ド・ニュイ賞 (英語版 ) を制した[ 3] 。2020年 の3月から4月にかけてオーストラリアへ再度渡航し、アデイブ に騎乗し自身初のGIとなるランヴェットステークス 及びクイーンエリザベスステークス を制覇した[ 4] 。マーカンドはこれ以外にも複数のG3をオーストラリアで制覇した事から、現地のファンからは「オージー・トム」というニックネームを与えられた[ 5] 。また同年にはエプソムダービー 初騎乗となり、この時の騎乗馬Khalifa Satはサーペンタイン の2着に入った[ 6] [ 7] 。またダービーの数カ月後の9月12日 にはガリレオクローム騎乗でセントレジャーステークス を制覇し、自身初のクラシック 制覇となった。尚ガリレオクロームには当初シェーン・クロス (英語版 ) が騎乗する予定であったが、彼がレース前日に新型コロナウイルス の陽性反応が出た為急遽のテン乗り となった[ 8] 。
2021年 にマーカンドは英国で176勝を挙げ、この中にはスターマン騎乗で制覇したジュライカップ も含まれている。また、この年にはアデイブ騎乗でクイーンエリザベスステークスを連覇した[ 3] 。
2022年 にはGIレースで3勝を挙げ、妻のホリー・ドイル と共にジョッキーズチャンピオンシップで2位になった後にそれまでの香港ではなく、日本で10月29日から12月25日の間、JRAにおいて短期騎手免許 で騎乗した[ 2] [ 9] 。この時の身元引受調教師は宮田敬介 、契約馬主はシルクレーシング であった[ 2] 。騎乗初日から東京競馬場 の第8競走をカトゥルスフェリスで制し日本初勝利を挙げる[ 10] 。
日本初勝利時のセレモニー。横でプラカードを持つのは妻のドイル。
2023年 もマーカンドはオーストラリアへ騎乗しに渡航したが、到着後程なくしてランドウィック競馬場 において落馬し、脳震盪と肩の負傷を負った。それにも係わらずクイーンエリザベスステークスまでには復帰し、同レースをドバイオナー で制覇した[ 11] 。その後英国でも5月5日にマーカンドはニューマーケット にて馬に蹴られ、その週騎乗予定であった2000ギニーステークス と1000ギニーステークス は乗り替わりとなった[ 12] 。
復帰後グッドウッドカップ にQuickthorn騎乗で参戦し、序盤でハナを取りそのまま最後まで逃げ切り勝ちを決めた。彼はこの馬を同様の戦法で前年8月開催のロンズデールカップ を制していた。レース後マーカンドは馬について「彼とはこれまでも何回か大事な日に楽しんだ事があり、彼もそのまま行きたがる性格故に…(中略)…特に計画らしいものは立てませんでした。皆が彼が何をしようとしているのかをわかっていたからで、それが彼がどんな馬かを証明しています」と述べた[ 13] 。
2023年9月4日に英国で1000勝目を挙げた。翌日にはリポン競馬場にて英国史上最安オッズタイの敗戦をDoom騎乗で喫した。これは1948年以来史上2頭目である[ 14] [ 15] 。その後ドイルと共に再び来日し、11月11日から12月29日の間は日本でJRAの短期騎手免許を取得し騎乗する。身元引受調教師及び契約馬主は前年同様宮田敬介とシルクレーシングである[ 16] 。
2024年も11月よりドイルと共に来日し、同月9日から同年12月22日まで短期騎手免許を取得した。引き続き、身元引受調教師及び契約馬主は宮田敬介とシルクレーシングとなった[ 17] 。
家族
マーカンドはポニーレーシングしていた頃からの幼馴染だったホリー・ドイル と2020年に婚約し[ 1] 、2022年3月21日にヘレフォードシャー にあるアイヴィングトンという村の教会にて結婚式を行った[ 18] 。
主な騎乗馬
脚注