ティレル 023 (Tyrrell 023) は、ティレルが1995年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラカーで、ハーベイ・ポスルスウェイトが設計した。1995年の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。
概要
この年新たに携帯電話端末製造会社のノキアをタイトルスポンサーに迎えた。
023には、1993年いっぱいで禁止されてしまったアクティブサスペンション同様の機能を発揮し、セッティングの幅が広くしかもセッティング変更の時間も短縮できるといわれた新機構、油圧式のハイドロリンクサスペンションを装備していた。しかし、シーズン開幕直後からマシンには速さが見られず、第9戦ドイツGP以降は022に搭載されていたものと同じノーマルサスペンション(パッシブサスペンション)に変更されてしまった。
サイドポンツーン後方は高さも幅も022より格段に細くコンパクトにされていた。また、センターディフューザー上で左右ステップボトム後端を合流させることでダウンフォースの増加にも努めた。しかし、対照的にフロント周りは022と酷似したデザインだった。
1995年シーズン
第13戦ポルトガルGPのスタート直後に大クラッシュに遭った片山右京は第14戦ヨーロッパGPを欠場した。代役にテストドライバーのガブリエル・タルキーニがたてられた。第15戦からは再び右京が復帰した。
1994年の活躍から、さらに躍進が期待されたティレルだったが、ミカ・サロの3度の入賞による5ポイントしか獲得できないシーズンを送った。ノキアはこの年いっぱいでスポンサーから撤退した。
最終戦オーストラリアGPのスタート直前、サロは「あと80周だけしたら、二度とこの車に乗らなくて済むと思うと、嬉しくて」とコメントするほど、023の出来は良くなかった[1]。
スペック
シャーシ
- シャーシ名 023
- シャーシ構造 カーボンファイバー/アルミハニカム製モノコック
- 全長 4,380mm
- 全高 950mm
- ホイールベース 2,890mm
- 前トレッド 1,700mm
- 後トレッド 1,610mm
- クラッチ AP
- サスペンション ハイドロリンクサスペンション/パッシブサスペンション(第9戦以降)
- ダンパー コニ
- ブレーキキャリパー AP
- ホイール フォンドメタル
- タイヤ グッドイヤー
- ギアボックス 6速+リバース1速横置きセミオートマチック
エンジン
- エンジン名 ヤマハOX10C
- 気筒数・角度 V型10気筒・72度
- 排気量 3,000cc
- スパークプラグ NGK
- 燃料・潤滑油 アジップ
- イグニッション ザイテック
- インジェクション ザイテック
記録
脚注
- ^ 『F1全史 1991 - 1995』 ニューズ出版、1996年、98頁。
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創設者 | |
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主なチーム関係者 | |
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主なドライバー |
1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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太字はティレルにおいてドライバーズワールドチャンピオンを獲得。 |
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車両 | |
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主なスポンサー |
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