『スマーフ』(The Smurfs)は、2011年に劇場公開されたアメリカ合衆国制作の3Dファミリー映画である。ペヨによるコミック『スマーフ』及びそれを原作とした1980年代のテレビアニメを原作としている。ラジャ・ゴズネルが監督し、ニール・パトリック・ハリス、ハンク・アザリア、ジェイマ・メイズ、ソフィア・ベルガラらが出演している。
ソニー・ピクチャーズ アニメーションが初めて手掛けたCGIと実写の融合作品で、『スマーフ』三部作の一作目[4]である。
あらすじ
どこかの世界にあるスマーフたちの村で、ブルームーンフェスティバル準備の最中にパパスマーフは、スマーフたちの中でも一番のドジであるクラムジーがドラゴンの杖を手にし、近くの城に住む悪い魔法使いガーガメルの笑い声が鳴り響く中で、スマーフたちが檻に入れられる予言を見る。パパは予言が実現しないことを祈るが、スマーフ枝を取りに行ったクラムジーはガーガメルとその飼い猫アズレールに見つかる。クラムジーは間一髪で村に逃げ込むが、村を魔法で隠していたことがガーガメルにバレて村に侵入される。逃げ惑うスマーフたちだが、クラムジーが道を間違えて逃げていることに気付いたパパスマーフ、スマーフェット、グラウチー、ブレイニー、ガッツィーたちは彼を追いかけて洞窟の中の崖に辿り着く。その時崖の先にある滝に奇妙な渦巻きが生まれ、6人は吸い込まれて現代のニューヨークに迷い込む。
スマーフたちは化粧品メーカーで広告担当するパトリック・ウィンスロウと妻グレースのアパートに落ち着き、元の世界へ戻るために必要な「スターゲイザー」を探しながらニューヨークの街を駆けまわる。人間とは異なる彼らの考え方と行動にパトリックは困惑するが、グレースは落ちこぼれのクラムジーと親しくなる。しばらくするとスマーフたちから青いエキスを抽出して魔法の素にするため、渦巻きからガーガメルとアズレールもニューヨークの街にやって来る。
「スターゲイザー」を手にしたスマーフたちは、ブルームーンが起きる日に魔法の呪文で元の世界に帰れることを知り、古本屋でペヨの描いた本を見つけて無事呪文を得るが、その途中でパパスマーフがガーガメルに捕らわれる。スマーフたちは果たして全員揃って無事に村に帰れるのか。
キャスト
公開
北米での公開日は2010年12月17日予定が、2011年7月29日に延期[5]され、後に2011年8月3日に延期[6]されるも、2011年3月25日に7月29日公開[7]とされる。
興行収入
北米では3395劇場の5300スクリーンで公開され[8]、そのうち2042ヶ所が3D劇場であった[9]。2011年7月28日、エグジビター・リレーションズは『スマーフ』の週末興行収入は2400万ドルで3位になると予想したが、一方でアナリストのジェフ・ボックはそれを上回り、ダークホースになるとした[10]。同日ジョン・ヤングは、『エンターテインメント・ウィークリー』誌上に、週末興行収入は3200万ドルで『カウボーイ & エイリアン』に次ぎ2位になると予想し、チケットサービスファンダンゴの調査に、本作はチケット売り上げでリードしていると述べた[9]。『スマーフ』は公開初日の金曜に1320万ドルを売り上げ、1300万ドルの『カウボーイ & エイリアン』を上回った[11]。ソニーの調査によると、『スマーフ』の観客の65%が、12歳以下の子供(25%)とその両親(40%)だった。また、観客のうち64%が女性で、55%が25歳以上であった[12]。
週末興行収入の概算値は『カウボーイ & エイリアン』、『スマーフ』共に3620万ドルであった[13]。詳細値は『カウボーイ & エイリアン』が3640万ドルで『スマーフ』は3560万ドルの2位であったが、興行アナリストの多くが予想していた3000万ドル以下という数字を上回った[14]。2度目の週末は約42%下落した2070万ドルを稼ぎ、『猿の惑星: 創世記』に次ぐ2位を維持した[15]。
北米のほかに7カ国で同時に公開され、初週末に440万ドル、スペインだけでは400万ドルを売り上げた[16]。2週目には42カ国まで拡大され、ほとんどの国々で1位となり、約4520万ドルを売り上げた。うち、ブラジルで665万ドル、フランスで593万ドル、メキシコで553万ドル、ドイツで543万ドル[17]、インドで1720万ルピーを売り上げた[18]。
批評家の反応
批評家には概ね否定的な評価を受けた。Rotten Tomatoesでは116件のレビューで22%の支持率であり、平均点は10点満点で4点となった[19]。また、Metacriticでは22個のレビューで30点であった[20]。評論家には批判されたものの、CinemaScoreによる観客の満足度調査では、18歳以下の観客からは「A」評定であった[11]。
音楽
アメリカのポップ・パンク・デュオ、パニック!アット・ザ・ディスコの「レディ・トゥ・ゴー」がエンディングに使用されている。アルバム『悪徳と美徳』に収録されているがサウンドトラックには収録されていない。
日本語版主題歌にはHey! Say! JUMPの「Magic Power」が使用されているが、DVDとBlu-ray Discでは使用されていない。
続編
2011年8月9日、ソニー・ピクチャーズ・アニメーションは2013年8月2日に続編を公開すると発表した[21]。
2013年7月31日にアメリカで『The Smurfs 2』(英語版)というタイトルで公開された。日本国内では『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』のタイトルで2013年8月16日に公開された。
その他
2011年の映画公開のPRイベントの場所にスペインのアンダルシア地方のフスカルが選ばれ、村の建物がキャラクタの青色に塗り替えられた。当初はイベント終了後元に戻される予定であったが、現地を訪れるファンのもたらす経済効果が大きく塗り替えは行われないこととなった[22]。
脚注
出典
- ^ Kaufman, Amy (2011年7月28日). “Movie Projector: 'Cowboys & Aliens' will trample 'Smurfs'”. Los Angeles Times (Tribune Company). https://latimesblogs.latimes.com/entertainmentnewsbuzz/2011/07/cowboys-aliens-smurfs-crazy-stupid-love.html 2011年7月28日閲覧。
- ^ a b “The Smurfs (2011)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2022年7月28日閲覧。
- ^ 「キネマ旬報」2012年2月下旬決算特別号 211頁
- ^ “NPH Set for The Smurfs?”. Fused Film. (2010年3月4日). オリジナルの2010年5月25日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/5pymcikLG?url=http://www.fusedfilm.com/2010/03/the-casting-couch-neil-patrick-harris-set-for-the-smurfs-selena-gomez-goes-to-monte-carlo-rachel-mcadams-joins-untitled-woody-allen-movie-robert-deniro-eyes-the-dark-fields-jackman-will-show-civi/ 2010年3月26日閲覧。
- ^ “The Smurfs Movie Release Pushed Back”. 'ReelzChannel' (2009年9月14日). 2010年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月25日閲覧。
- ^ “The Smurfs”. 'ComingSoon.net'. CraveOnline Media. 2010年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月25日閲覧。
- ^ “Sony Bumps Up 'The Smurfs' To July 29”. Deadline.com. (2011年3月25日). https://deadline.com/2006/03/what-did-i-tell-you-29/ 2011年3月25日閲覧。
- ^ Gray, Brandon (2011年7月30日). “Friday Report: 'Smurfs' & 'Cowboys' Neck-and-Neck”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月1日閲覧。
- ^ a b Young, John (2011年7月28日). “Box office preview: 'Cowboys & Aliens' takes aim at 'The Smurfs' invasion”. Entertainment Weekly (Time Inc.). オリジナルの2011年8月12日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/60sYGnVt2?url=http://insidemovies.ew.com/2011/07/28/box-office-preview-cowboys-aliens-smurfs/ 2011年8月29日閲覧。
- ^ Pomerantz, Dorothy (2011年7月28日). “The Smurfs Try to Make it Big”. Forbes. オリジナルの2011年8月12日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/60sXzDvuc?url=http://www.forbes.com/sites/dorothypomerantz/2011/07/28/the-smurfs-try-to-make-it-big/ 2011年7月29日閲覧。
- ^ a b McClintock, Pamela (2011年7月30日). “Box Office Upset: 'Smurfs' Beats 'Cowboys & Aliens' on Friday”. The Hollywood Reporter (Prometheus Global Media). オリジナルの2011年7月31日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/60aHoLONs?url=http://www.hollywoodreporter.com/news/box-office-upset-smurfs-beats-217410 2011年7月31日閲覧。
- ^ Gray, Brandon (2011年7月31日). “Weekend Report: It's a Draw Between 'Cowboys' & 'Smurfs'”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月1日閲覧。
- ^ Young, John (2011年7月31日). “Box office report: It's a tie! 'Cowboys & Aliens' and 'The Smurfs' both open to $36.2 mil”. Entertainment Weekly (Time Inc.). https://ew.com/article/2011/07/31/box-office-report-cowboys-aliens-smurfs/ 2011年8月1日閲覧。
- ^ Young, John (2011年8月1日). “Box office update: 'Cowboys & Aliens' edges past 'The Smurfs' to win weekend with $36.4 mil”. Entertainment Weekly (Time Inc.). https://ew.com/article/2011/08/01/box-office-update-cowboys-aliens-smurfs/ 2011年8月1日閲覧。
- ^ Gray, Brandon (2011年8月8日). “Weekend Report: Hail the Conquering 'Apes'”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月8日閲覧。
- ^ Subers, Ray (2011年7月31日). “Around-the-World Brief: 'Potter' Beats 'Transformers' to $1 Billion”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年8月1日閲覧。
- ^ Subers, Ray (2011年8月7日). “Around-the-World Brief: 'Potter' Passes 'Rings'”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月8日閲覧。
- ^ “Box office collection india as of august 4 2011”. travel-guide. travel-guide. 2011年8月30日閲覧。
- ^ “The Smurfs (2011)”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2011年9月15日閲覧。
- ^ “The Smurfs Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2011年8月3日閲覧。
- ^ Lussier, Germain (2011年8月9日). “'Smurfs' Sequel Gets 2013 Release Date”. /Film. 2011年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月12日閲覧。
- ^ “青一色のスペイン「スマーフ村」、経済効果絶大で塗り直さず | 世界のこぼれ話”. Reuters. 2014年6月26日閲覧。
外部リンク
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