ジュリアン・グリーン(Julien Green 1900年9月6日 - 1998年8月13日)は、フランス・アメリカ合衆国の小説家。
生涯
アメリカ人の両親のもとパリに生まれる。母方の祖先は米国上院議員のジュリアン・ハートリッジ。プロテスタントの厳格な教育を受けるが、14歳の時に母親が死去し、二年後父親と共にカトリックに改宗する。第一次世界大戦に伍長として参加、1919年叔父の招きでアメリカに行き、ヴァージニア大学で学ぶ。
1926年長編小説「モンーシネール」でデビュー。孤独な人間の不安、苦悩を「幻を追う人」(1934年)、「真夜中」(1936年)等で描く。1940-1945年は米国情報省に勤務し、講演旅行をする。1945年帰国し、カトリックの信仰を深め、1950年「モイラ」、1971年「他者」などを書く。1966年文化国民大賞受賞。1970年、アカデミー・フランセーズ文学大賞受賞。
日本では人文書院から全集が出ている。
邦訳
- モイラ(福永武彦訳) 地を旅する者(川村克己訳)
- 1 アドリエンヌ・ムジュラ 新庄嘉章訳 1979
- 2 漂流物 三輪秀彦訳 1979
- 3 ヴァルーナ 高橋たか子訳 1979
- 4 モイラ 福永武彦訳 1980
- 5 南部・敵・影 大久保輝臣、豊崎光一、渡邊守章訳 1981
- 6 他者 山崎庸一郎訳 1979
- 7 日記 小佐井伸二訳 1980
- 8 レヴィアタン 工藤進訳 1982
- 9 幻を追う人 福永武彦訳 1981
- 10 真夜中 中島昭和訳 1982
- 11 つみびと 多田智満子、井上三朗訳 1983
- 12 人みな夜にあって 山崎庸一郎訳 1981
- 13 悪所 三輪秀彦訳 1981
- 14 日記 2 小佐井伸二訳 1983
- 『私があなたなら』原田武訳 青山社 1979
- 『終末を前にして ジュリアン・グリーンは語る』マルセル・ジュリアン共著 原田武訳 人文書院 1981
- 『アシジの聖フランチェスコ』原田武訳 人文書院 1984
- 『パリ』田辺保訳 青山社 (発売) 1986
- 『信仰の卑俗化に抗して フランスのカトリック信者へのパンフレ』原田武訳 青山社 1993
- 『モイラ』石井洋二郎訳 岩波文庫 2023