ジミー・リード(Jimmy Reed, 1925年9月6日 - 1976年8月29日)は、アメリカ合衆国のブルース・シンガー。本名はマティス・ジェイムズ・リード。南部出身らしい力の抜けた緩いサウンドが特徴的だが、R&B、ポップ色を織り込み、1950年代から1960年代にかけてヴィージェイ・レコードより数多くのヒットを生み出した。また、ハーモニカホルダーを使用し、1stポジションによる高音部のブロウベンドを駆使した特徴的なハーモニカ演奏は、個性的なものとしてよく知られている。
その影響はブルースの枠にとどまることなく、ローリング・ストーンズ、エルヴィス・プレスリーなどのロック・アーティストなどにも広がっている。代表曲は、「Ain't That Lovin' You Baby」、「Honest I Do」、「Bright Lights, Big City」など。
来歴
1925年、ミシシッピ州ダンレイスに生まれた。のちにシカゴのシーンで共演者となるギタリストのエディー・テイラーとは同郷の幼なじみであり、彼からギターやハーモニカを教わった。
15歳の頃、シカゴに移住。兵役に就いた後、インディアナ州ゲイリーに移住する。やがてジョン・ブリムと出会い、彼のサイドマンとして活動するようになった。このとき、ブリムのバンドでドラマーを務めていたのが、後にギタリストとして大ブレイクすることになるアルバート・キングだった。
1953年、キングの紹介で新興レーベル、ヴィージェイ・レコードと契約。同年、「High and Lonesome」でレコード・デビューを果たした。以後、リードはヴィージェイが倒産する1966年までレーベルに在籍し、計10枚のアルバムを発表。アルコール中毒とてんかんでときに体調を崩しながらも、音楽活動を続け、レーベルの看板スターとして活躍し、黄金期を築いた。
ヴィージェイ倒産後は、ABC-ブルースウェイ・レコードへ移籍し、1973年までの間に計5枚のアルバムを発表するなど活動を続けるが、ヴィージェイ在籍時のような成功を収めることは出来なかった。
1976年8月29日、50歳で死去した。1991年、ロックの殿堂入りを果たしたている。
ディスコグラフィー
- 1958年 『I'm Jimmy Reed』 (Vee-Jay)
- 1959年 『Rockin' with Reed』 (Vee-Jay)
- 1960年 『Found Love』 (Vee-Jay)
- 1960年 『Now Appearing』 (Vee-Jay)
- 1961年 『Jimmy Reed at Carnegie Hall』 (Vee-Jay)
- 1962年 『Just Jimmy Reed』 (Vee-Jay)
- 1963年 『T'aint No Big Thing But He Is...Jimmy Reed』 (Vee-Jay)
- 1963年 『Jimmy Reed Sings the Best of the Blues』 (Vee-Jay)
- 1963年 『12 String Guitar Blues』 (Vee-Jay)
- 1966年 『At Soul City』 (Vee-Jay)
- 1967年 『The New Jimmy Reed Album』 (BluesWay)
- 1967年 『Soulin'』 (BluesWay)
- 1968年 『Big Boss Man』 (BluesWay)
- 1969年 『Down in Virginia』 (BluesWay)
- 1973年 『I Ain't from Chicago』 (BluesWay)
編集盤
- 1995年 『Classic Recordings』 (Tomato)
- 1998年 『The Vee-Jay Box』 (P-Vine)
- 2001年 『Big Box Man』 (Collectables) (box set)
- 2007年 『The Best of the Vee-Jay Years』 (Shout! Factory)
シングル
リリース年 |
曲名 |
レーベル/No. |
R&Bチャート |
ポップ・チャート
|
1955年 |
「You Don't Have to Go」 |
Vee-Jay 119 |
#5 |
-
|
1956年 |
「I Don't Go for That」 |
Vee-Jay 153 |
#12 |
-
|
1956年 |
「Ain't That Lovin' You Baby」 |
Vee-Jay 168 |
#3 |
-
|
1956年 |
「Can't Stand to See You Go」 |
Vee-Jay 186 |
#10 |
-
|
1956年 |
「I Love You Baby」 |
Vee-Jay 203 |
#13 |
-
|
1956年 |
「You Got Me Dizzy」 |
Vee-Jay 226 |
#3 |
-
|
1957年 |
「Honey, Where You Going?」 |
Vee-Jay 237 |
#10 |
-
|
1957年 |
「Little Rain」 |
Vee-Jay 237 |
#7 |
-
|
1957年 |
「The Sun is Shining」 |
Vee-Jay 248 |
#12 |
#65
|
1957年 |
「Honest I Do」 |
Vee-Jay 253 |
#4 |
#32
|
1957年 |
「I'm Gonna Get My Baby」 |
Vee-Jay 298 |
#5 |
-
|
1958年 |
「Down in Virginia」 |
Vee-Jay 287 |
- |
#93
|
1959年 |
「I Told You Baby」 |
Vee-Jay 304 |
#19 |
-
|
1960年 |
「Baby, What You Want Me to Do」 |
Vee-Jay 333 |
#10 |
#37
|
1960年 |
「Found Love」 |
Vee-Jay 347 |
#16 |
#88
|
1960年 |
「Hush-Hush」 |
Vee-Jay 357 |
#18 |
#75
|
1961年 |
「Close Together」 |
Vee-Jay 373 |
#12 |
#68
|
1961年 |
「Big Boss Man」 |
Vee-Jay 380 |
#13 |
#78
|
1961年 |
「Bright Lights, Big City」 |
Vee-Jay 398 |
#3 |
#58
|
1962年 |
「Aw Shucks, Hush Your Mouth」 |
Vee-Jay 425 |
- |
#93
|
1962年 |
「Good Lover」 |
Vee-Jay 449 |
- |
#77
|
1963年 |
「Shame, Shame, Shame」 |
Vee-Jay 509 |
- |
#52
|
1966年 |
「Knockin' at Your Door」 |
Exodus 2005 |
#39 |
-
|
[1][2][3]
注: ビルボードは1963年11月30日から1965年1月23日までの間、R&Bチャートを発行していない。よってこの間のリードのシングルはR&Bヒットになっていない[3]。
参考文献
外部リンク