ショーン・コルヴィン(Shawn Colvin、1956年1月10日 - )は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター。アメリカ合衆国内だけで250万枚を超えるアルバム・セールスを記録している[1]。
幼少期
コルヴィンはサウスダコタ州で生まれ、イリノイ州のカーボンデールで育ち、南イリノイ大学カーボンデール校へ入学した[1]。彼女は10歳からギターの演奏を始めた[1]。彼女の初めてのコンサートは15歳のときに南イリノイ大学キャンパスで行ったものだった[1]。コルヴィンはジョニ・ミッチェルがもっとも自分の音楽に影響を与えているとして、コンサートでは最初に影響元の音楽を演奏する。
キャリア
音楽
コルヴィンは1970年代後半から音楽業界で働いていて、全国的な活動はテキサス州のオースティンが最初だった[1]。グリニッジ・ヴィレッジに集まったフォーク歌手の雑誌「Fast Folk」による関係で、1980年にはニューヨークへ引っ越した[2]。
彼女はミュージック・パートナーとなるジョン・リヴェンサルとその頃出会い、リヴェンサルはいくつかのアルバムでプロデューサーを務めた[1]。コルヴィンはよく同時代のミュージシャンに自分の才能を提供しており、例えばスザンヌ・ヴェガのヒット曲「ルカ」ではバック・ボーカルを歌っている[3][4]。ヴェガは返礼で、コルヴィンのデビューアルバム『Steady On』収録曲「Diamond In The Rough」でバック・ボーカルを務めている[3]。コルヴィンと友人でもあるメアリー・チェイピン・カーペンターは、若い頃はお互いのレコーディングに客演している。カーペンターの「The Hard Way」や「Come On Come On」(1992年)でコルヴィンはボーカルで参加しており[5]、コルヴィンのアルバム『Fat City』収録の「Climb On a Back That's Strong」ではカーペンターがボーカル参加している[6]。また、彼女はブルース・ホーンズビーの演奏にゲスト参加もしている[7]。
コルヴィンは1987年から88年までの短期間、ノースカロライナ州のバンドであるレッド・クライ・ランブラーズに参加していた[8]。
1988年にコルヴィンは、フォーク・シンガーソングライターのシェリル・ウィーラーとメアリー・チェイピン・カーペンターとの、トリオ・コンサートを依頼された。3人はバージニア州のアレクサンドリアで2夜連続で演奏した。
コルヴィンはシンガーソングライターのジュリー・ミラーとバディ・ミラーと関係が深い。3人が1970年代後半から80年代前半までオースティンで活動していた頃、ミラー夫妻と音楽的に親密になった。1990年、1991年と1993年に発表されたジュリーの3枚のソロ・アルバムで、ショーンはバック・ボーカルを務めている。
コルヴィンが発表した初期のアルバムはあまり売れなかったが、それでも1989年に発表したデビュー・アルバムの『Steady On』は1990年のグラミー賞の最優秀コンテンポラリ・フォーク録音賞を受賞した[1][4]。1992年に発表した次のアルバム『Fat City』は、1994年のグラミー賞で最優秀コンテンポラリ・フォーク録音賞にノミネートされ[4]、収録曲「I Don't Know Why」もグラミー賞の最優秀女性ポップ・ボーカル演奏賞にノミネートされた[4]。1994年に発表したカバー曲集のアルバム『Cover Girl』を発表した。『Cover Girl』は1995年のグラミー賞で最優秀コンテンポラリ・フォーク・アルバムにノミネートされた[4]。その頃、コルヴィンはリチャード・トンプソンと一緒にツアーを行い、そのオープニングアクトとバック・ボーカルを務めた。彼女はセサミストリートのアーニーと「I Don't Want to Live on The Moon」を歌った。
1996年10月に発表したアルバム『A Few Small Repairs』は、コルヴィンにとって最大の成功をもたらし、アメリカレコード協会からプラチナ・ディスクを認定された[9]。シングル「サニー・ケイム・ホーム」 (Sunny Came Home) は、ビルボード・ホット100でトップ10を記録し、1998年のグラミー賞では最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞した[1][4]。その後は、1998年にクリスマス・アルバム『Holiday Songs and Lullabies』を発表、2001年にアルバム『Whole New You』を発表、2004年にはベスト・アルバムを発表、2006年にアルバム『These Four Walls』を発表し、2009年に発表した『Live』はグラミー賞の最優秀コンテンポラリ・フォーク・アルバムにノミネートされた[4]。
コルヴィンはリサ・ローブのシングル「Falling in Love」のゲスト・ボーカルを務めた。彼女はリリス・フェアに大勢の女性アーティストらとともに参加した[10]。ブルック・シールズのシチュエーション・コメディ『Suddenly Susan』のテーマソングに、コルヴィンの曲「Nothin' on Me」が使用された。また、2001年にTNTで放送された『トリビュート・トゥ・ジョニ・ミッチェル』に、コルヴィンは出演した。
1992年10月16日に開催されたボブ・ディランのトリビュート・コンサートである『30〜トリビュート・コンサート』に、コルヴィンは出演した[11]。彼女は「どこにも行けない」 (You Ain't Goin' Nowhere) をロザンヌ・キャッシュ、メアリー・チェイピン・カーペンターと共演し、天国への扉 (Knockin' on Heaven's Door) を全出演者と一緒に演奏している。
コルヴィンは、イギリスチャンネル4のドキュメンタリー『Live from Abbey Road』に出演している。彼女のアビー・ロード・スタジオでのライヴ・セッションは、ザ・ズートンズやネリーナ・パロット、レイ・ラモンターニュと同じ回に収録されている。
コルヴィンは2002年に「Hold On To The Good Things」を録音し、その曲は映画『スチュアート・リトル2』で使用された[7]。彼女は映画『リトルベア』(The Little Bear Movie) に、「A Great Big World」を提供した[7]。
2007年には、コルヴィンはシングル「Crazy」を発表した。この曲はナールズ・バークレイのカバーである。
コルヴィンは2009年6月23日に15曲を収録したアルバム『Live』を発表した。このアルバムは、サンフランシスコで2008年7月に行われた3日間のライヴが収録されたものである[12]。
テレビと映画
コルヴィンはコメディ・シリーズの『ザ・ラリー・サンダースショー』(The Larry Sanders Show) に数回出演していて、最終回ではキャロル・キングの「Will You Love Me Tomorrow?」のアコーティスティック・カバーを演奏している。
彼女はコメディ・シリーズの『ザ・シンプソンズ』で2回ゲスト出演した。
現代のアーティストが過去の音楽スターを演じる映画『Crazy』では、コルヴィンはカントリー・ミュージックの伝説の歌手キティ・ウェルズを演じた。
コーエン兄弟の映画『ビッグ・リボウスキ』で、コルヴィンの「Viva Las Vegas」を聞くことができる。
コルヴィンはテレビドラマ『Lの世界』のシーズン2で、彼女自身の役で出演している。
受賞歴
- グラミー賞(ノミネートのみ)
- 1994年: 最優秀コンテンポラリ・フォーク録音賞 — 『Fat City』
- 1994年: 最優秀女性ポップ・ボーカル演奏賞 — 「I Don't Know Why」
- 1995年: 最優秀コンテンプラリ・フォーク・アルバム賞 — 『Cover Girl』
- 1997年: 最優秀ポップ・アルバム賞 — 『A Few Small Repairs』
- 1997年: 最優秀女性ポップ・ボーカル演奏賞 — 「Get Out of This House」
- 1998年: 最優秀女性ポップ・ボーカル演奏賞 — 「サニー・ケイム・ホーム」
- 2009年: 最優秀女性ポップ・ボーカル演奏賞 - 『Shawn Colvin Live』
- Video Premiere Award Nomination (ノミネートのみ)
- 2001年: Best Original Song - 「Great Big World」(『リトルベア』)[13]
ディスコグラフィ
アルバム
年
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アルバム
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順位
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RIAA[9]
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US[14]
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US Heat
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UK[15]
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1989
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ステディ・オン (Steady On)
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111
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ゴールド
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1992
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ファット・シティ (Fat City)
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142
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2
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1994
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カヴァー・ガール (Cover Girl)
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48
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67
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1995
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Live '88
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1996
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ア・フュー・スモール・リペアーズ (A Few Small Repairs)
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39
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プラチナ
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1998
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クリスマス・ララバイ (Holiday Songs and Lullabies)
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181
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2001
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ホール・ニュー・ユー (Whole New You)
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101
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2004
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Polaroids: A Greatest Hits Collection
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2006
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These Four Walls
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109
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2009
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Live
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シングル
年
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曲名
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最高位
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収録アルバム
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US [16]
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US AC [17]
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US Alt [18]
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US Adult [19]
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CAN
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UK[15][20]
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1990
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ステディ・オン (Steady On)
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—
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30
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23
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—
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—
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—
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ステディ・オン
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Diamond in the Rough
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—
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—
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—
|
—
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—
|
—
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1992
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ラウンド・オブ・ブルーズ (Round of Blues)
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—
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44
|
25
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—
|
—
|
73
|
ファット・シティ
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クライム・オン (Climb on (A Back That's Strong))
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—
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—
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—
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—
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—
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—
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1993
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アイ・ドント・ノウ・ホワイ (I Don't Know Why)
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—
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16
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—
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—
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59
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62
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1994
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エヴリ・リトル・シング(ヒー)ダズ・イズ・マジック (Every Little Thing He Does is Magic)
|
—
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—
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—
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—
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—
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65
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カヴァー・ガール
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1995
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ワン・クール・リムーヴ (One Cool Remove) (w/ メアリー・チェイピン・カーペンター)
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—
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—
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—
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—
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—
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40
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アイ・ドント・ノウ・ホワイ (I Don't Know Why) [再発売]
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—
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—
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—
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—
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—
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52
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ファット・シティ
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1997
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ゲット・アウト・オブ・ディス・ハウス (Get Out of This House)
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—
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—
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—
|
—
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—
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70
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ア・フュー・スモール・リペアーズ
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サニー・ケイム・ホーム (Sunny Came Home)
|
7
|
1
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—
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1
|
3
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29
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ユー・アンド・ザ・モナ・リサ (You and Mona Lisa)
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20
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—
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—
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—
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—
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—
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1998
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ナッシン・オン・ミー (Nothin' on Me)
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—
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—
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—
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24
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25
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—
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2001
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ホール・ニュー・ユー (Whole New You)
|
—
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24
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—
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—
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—
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—
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ホール・ニュー・ユー
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バウンド・トゥ・ユー(Bound to You)
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—
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—
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—
|
—
|
—
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—
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2006
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Fill Me Up
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—
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—
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—
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—
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—
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—
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These Four Walls
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2007
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Crazy
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—
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—
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—
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—
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—
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—
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アルバム未収録シングル
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— はチャートに入らなかったことを示す。
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その他
- 『素晴らしき日』 トラック5: 「サムワン・ライク・ユー」(Someone Like You) (1996年)
- 『噂~フリートウッド・マック・トリビュート・アルバム』 トラック7: 「ザ・チェイン」(The Chain) (1998年)
- 『Elmopalooza』 トラック6: 「I Don't Want to Live on the Moon」 (with アーニー) (1998年)
- 『アルマゲドン』 トラック6: 「ホエン・ザ・レインボウ・カムズ」(When the rainbow comes) (1998年)
- 『プリティ・ブライド』 トラック8: 「ネヴァー・ソウ・ブルー・ライク・ザット」(Never Saw Blue Like That Before) (1999年)
- 『セレンディピティ』 トラック7: 「When You Know」 (2001年)
- 『107.1 KGSR Radio Austin - Broadcasts Vol.10』 トラック7: 「Not a Drop of Rain」 (2002年)
- 『WYEP Live and Direct: Volume 4 - On Air Performances』 トラック3: 「ホール・ニュー・ユー」 (2002年)
- 『Born to the Breed: A Tribute to Judy Collins』 トラック5: 「Secret Gardens」 (2008年)
- ベラ・フレック・アンド・フレックトーンズ - 『Outbound』 - Track 3: 「A Moment So Close」 (2001年)
脚注
外部リンク