ショウガ科(ショウガか、学名: Zingiberaceae)は、およそ50の属と総計およそ1600の既知種[1]から成る被子植物の科である。ショウガ科植物は芳香のある多年生草本であり、塊茎状の匍匐根茎を持つ。花の形は見かけ上はラン科の花にやや似る。熱帯アフリカ、アジア、アメリカ州の至るところに分布している。
ショウガ科の多くの種は重要な観賞植物、香辛料、薬用植物である。観賞植物となる属にはキフゲットウ(ハナミョウガ属 Alpinia)、クルクマ・シャローム(Curcuma alismatifolia)、グロッバ属 Globba、ハナシャクシュ(英語版)(シャクシュ属(英語版) Hedychium)、バンウコン属(英語版)(Kaempferia)、トーチジンジャー Etlingera elatior、レネアルミア属(英語版)(Renealmia)、ショウガ(ショウガ属(英語版) Zingiber)が含まれる。香辛料には、ショウガ(ショウガ属)、ガランガル(タイショウガ、Alpinia galangaやその他の種)、ギニアショウガ(Aframomum melegueta)、ミョウガ(Zingiber mioga)、コロリマ(英語版)(Aframomum corrorima)、ウコン(ウコン属 Curcuma)、カルダモン(アモムム属 Amomum、ショウズク属 Elettaria)がある。
ショウガ科は地下茎のよく発達した、面白い形の花を持つ単子葉植物の一群である。日本には種類がごく少ないが、熱帯を中心に多くの種がある。
植物体の姿はいずれもおおよそ似ていて、ショウガやミョウガを思い起こせれば分かりやすい。いずれも地下に肥大する地下茎を持っている。そこから茎が地上に伸び、左右2列に多数の葉をつける。ただしこの茎は本当の茎ではなく、葉の基部である葉鞘が折り重なって丈夫になっただけのものなので偽茎と言われる。葉鞘とはいえ結構丈夫なもので、大きなものは高さ5mにもなる。ちなみにこの構造はバナナと同じである。
花はたいていは穂状につく。花序は偽茎の先端から出る(ゲットウなど)か、地下茎から別に茎を伸ばしてつける(ミョウガなど)。
果実は液果、または蒴果である。
ショウガ科の植物の花は、かなり独特の姿をしている(左の花式図を参照)。雄蘂と雌蘂が癒合して一つになっていること、それを受けるような唇型の花弁があることなどは少々ラン科の花にも似ている。しかし、構造的には全く異なるものである。
花には6枚の花被があり、外花被3枚、内花被3枚からなる。ラン科の花では、これを数えるのは難しくないが、ショウガ科の場合、普通には数えることはできない。まず外花被はそれぞれが癒合して筒状になっている。これが花の基部にある。内花被3枚は、基部は癒合して、先端は3つに分かれて花の上と左右下側に出る。ちょうどランの花の外花被のような配置である。残るのは唇形の花弁であるが、実はこれは花弁ではなく、雄蘂が花弁の形になったもの。
雄蘂は2列6個あるが外列3個のうち1個は消失、後の2個は唇弁の脇に付属片として残るのみ。内側3個のうち、下側2個は先述の通り唇弁になり、1個だけが機能をもつ雄蘂となる。この雄蘂は雌蘂と融合して一つになって唇弁の上に出て、先端に柱頭、その根元側下面に葯がつく。なお、花粉はラン科のように花粉塊にはならない。
一般的には香辛料として利用されているものが多い。ショウガの地下茎やミョウガの花穂は薬味として利用される。ゲットウの葉は沖縄では餅を包むのに用いられ、その香りを楽しむ。ちなみに種子を利用するカルダモンもこの科に属する。
最近では精力剤として重要視されているものがあり、タイを原産とするクロウコン(ブラックジンジャー)はその代表となっている。
一方で、ゲットウやハナシュクシャ(ホワイトジンジャー)はその花が大きくて美しいため、観賞用に栽培されており、ガジュツやウコンなどの地下茎は、漢方薬や染料などに用いられる。
日本本土では野生種は関東以西にハナミョウガがある他は、すべてそれ以南にしか分布しない。ミョウガは時に自生状態で見られるが、古い時代の帰化種と考えられる。世界的に見れば、熱帯を中心に49属1500種がある。熱帯多雨林で、巨大な下草として繁茂している場合もある。
ショウガ科 Zingiberaceae
オオホザキアヤメ科 Costaceae
カンナ科 Cannaceae
クズウコン科 Marantaceae
ロウイア科 Lowiaceae
ゴクラクチョウカ科 Strelitziaceae
オウムバナ科 Heliconiaceae
バショウ科 Musaceae
日本産の種は以下の通り。
他に栽培されているものなどの有名種を以下に挙げる。