ハナミョウガ(花茗荷、学名:Alpinia japonica (Thunb.) Miq.[1])は、ショウガ科ハナミョウガ属に分類される多年草の1種[2][3][4]。和名は、茎葉がミョウガに似ていて、茎頂に花をつけることに由来する[3]。中国名が山姜。
特徴
高さ30-60 cmで[2]、束生する[4]。茎は2年生で斜上する[4]。根茎は太く分枝し、節に鱗状葉があり、若い部分は紅色[4]。葉は常緑、光沢は無く[5]、長さ15-40 cm、幅5-8 cmの広披針形で、両面特に裏面に細軟毛が多い[3]。偽茎の先端に花を付ける[2]。長さ10-15 cmの穂状花序で、花軸に細毛が密生する[3]。苞は狭長楕円形で早く落ちる[3]。花の長さはおよそ25 mm、萼は白色の筒状で細毛があり、長さ10-12 mm、先は赤く3鈍歯があり1側が裂ける。内花被は上部が3裂し、背後の1片は長楕円形で立って雄蕊を包む[3]。唇弁は卵形で先は2裂、白色で紅色の長さ約10 mmの条線があり、縁は波状に縮れ、基部の両側に黄赤色の付属片がある[3]。花期は5-6月[2][3]。果実(液果[4])は広楕円形で、赤く熟し長さ12-18 mm[3]、表面に細毛がある[2]。種子は伊豆縮砂と呼ばれ薬用とされた[3][4]。花序に短い枝軸が出て、萼や果実に毛がほとんど無いものは、ツクシハナミョウガ(学名:Alpinia x kiushiana Kitam.[6]、シノニム:Alpinia japonica (Thunb.) Miq. var. kiushiana Kitam.[7])と呼ばれ、九州南部に分布する[3]。
分布と生育環境
中国(中部と南部)、台湾と日本に分布する[4]。
日本では、本州(関東地方以西)、四国、九州、奄美諸島[3]に分布する[2]。
暖帯から亜熱帯にかけて[4]、山地の林下に生育する[2][3]。クロセセリの幼虫が、葉を食草としている[8]。
種の保全状況評価
日本では以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている。静岡県の奥大井県立自然公園の特別地域などで、捕獲や採取等を規制する植物の指定を受けている[9]。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク