オオキヌタソウ
分類 (APG IV )
学名
Rubia chinensis Regel et Maack f. mitis (Miq. ) Kitag. (1979)[ 1]
シノニム
Rubia chinensis Regel et Maack var. pedicellata (Nakai ) H.Hara (1952)[ 2]
Rubia chinensis Regel et Maack var. glabrescens (Nakai) Kitag. (1939)[ 3]
Rubia chinensis Regel et Maack f. glabrescens (Nakai) Kitag. (1979)[ 4]
和名
オオキヌタソウ(大砧草)[ 5]
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オオキヌタソウ (大砧草、学名 :Rubia chinensis f. mitis )は、アカネ科 アカネ亜科アカネ属 の多年草 [ 5] [ 6] [ 7] [ 8] 。
特徴
地下茎 は細く、匍匐する。群生せず孤立して生えることが多い。茎 は直立して、高さは30-60cmになり、4稜があり、稜に鉤状の刺はない。葉 は4個が輪生するが、この葉は2個の本来の対生する葉と2個の葉状の托葉 となる。葉身は紙質で、長さ6-10cm、幅2-5cm、卵形または広披針形で、先は鋭頭、基部は円形または浅い心形となって、長さ0.5-2cmになる葉柄 がある。葉に5-7個の葉脈 があり、ほぼ無毛かごくまばらに短毛が生える[ 5] [ 6] [ 7] [ 8] 。
花期は5-7月。茎先および茎上部の葉腋に集散花序 をつけ、多数の花 をまばらにつける。花柄 は細く、長さ1-5mmになり、毛はない。萼 筒は鐘形で、長さおよび径は0.8-1mmになり、無毛。花冠 は杯状で、径3-4mmになり、緑白色で先は4-5裂し、裂片は三角形または卵形で、長さ1.5-2mmになる。花冠裂片はつぼみ時には敷石状にたたまれる。 雄蕊 は5個ある。子房 は2室に分かれ、各室に1個の胚珠 がある。花柱は2裂する。果実 は2個の分果からなり、各分果に1個の種子 がある。分果は径4-6mmの球形の液果 で、黒色に熟す。分果の片方は不熟に終わることが多い[ 5] [ 6] [ 7] [ 8] 。
分布と生育環境
日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林中に生育する[ 5] [ 6] [ 7] [ 8] 。世界では、朝鮮半島 、中国大陸 東北部に分布する[ 6] [ 7] [ 8] 。
名前の由来
和名 オオキヌタソウ は「大砧草」[ 5] の意で、全体に同科ヤエムグラ属 に属するキヌタソウ Galium kinuta に似るが、比べるとはるかに大型なのでこの名がついた[ 8] 。
種小名 (種形容語)chinensis は、「中国の」の、品種名 mitis は、「柔和な、温和な」の意味[ 9] 。シノニム群の変種名 pedicellata は、「小花柄のある」の[ 10] 、glabrescens は、「やや無毛の」の意味[ 11] 。
種の保全状況評価
国(環境省)のレッドデータブック 、レッドリストの選定はない。
都道府県のレッドデータブック、レッドリストの選定は次の通り[ 12] 。
岩手県-Bランク
宮城県-準絶滅危惧(NT)
秋田県-絶滅危惧IB類(EN)
福島県-絶滅危惧IA類(CR)
群馬県-絶滅危惧IA類(CR)
埼玉県-絶滅危惧II類(VU)
神奈川県-絶滅危惧IA類(CR)
石川県-絶滅危惧II類(VU)
福井県-要注目
愛知県-絶滅危惧IB類(EN)
三重県-絶滅危惧IA類(CR)
滋賀県-分布上重要種
京都府-絶滅危惧種
大阪府-絶滅危惧II類
兵庫県-Bランク
奈良県-絶滅危惧種
和歌山県-絶滅危惧II類(VU)
鳥取県-準絶滅危惧(NT)
山口県-絶滅危惧II類(VU)
徳島県-絶滅危惧I類(CR)
愛媛県-準絶滅危惧(NT)
福岡県-絶滅危惧IA類(CR)
長崎県-絶滅危惧I類(CR+EN)
宮崎県-準絶滅危惧(NT-r,g)
ギャラリー
葉は4個が輪生するが、この葉は2個の本来の対生する葉と2個の葉状の托葉となる。茎に刺はない。
葉の先は鋭頭、基部は円形または浅い心形となって、明瞭な葉柄がある。葉に5-7個の葉脈があり、ほぼ無毛かごくまばらに短毛が生える。
茎先および茎上部の葉腋に集散花序をつけ、多数の花をまばらにつける。
花柄は細く、毛はない。花冠は緑白色で先は4-5裂し、裂片は三角形または卵形になる。
マンセンオオキヌタソウ
マンセンオオキヌタソウ Rubia chinensis Regel et Maack f. chinensis [ 13] - 本種の分類上の基本種で、茎や葉に曲がった毛がやや密に生える。日本では本州中部地方に分布し、世界では、朝鮮半島、中国大陸東北部・北部、アムール、ウスリーに分布する[ 6] [ 7] [ 8] 。
分類
日本に分布するアカネ属 のうち、本種とアカネムグラ Rubia jesoensis は、茎がつる性 にならず直立する。本種の茎には刺はなく、葉の基部に明瞭な葉柄 があり、アカネムグラの茎には下向きの小さな刺があり、葉の基部がしだいに狭まって不明瞭な葉柄となる。その他のアカネ属のアカネ R. argyi 、オオアカネ R. hexaphylla 、クルマバアカネ R. cordifolia var. lancifolia は、茎がつる性となって茎に下向きの鉤状の刺があり、葉に葉柄がある[ 14] 。
脚注
^ オオキヌタソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
^ オオキヌタソウ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
^ オオキヌタソウ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
^ オオキヌタソウ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』pp.2388-389
^ a b c d e f 『原色日本植物図鑑 草本編I(改訂版)』p.108
^ a b c d e f 内貴章世 (2017)「アカネ科」『改訂新版 日本の野生植物 4』p.289
^ a b c d e f g 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.975
^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1487, p.1503
^ 『小学館ランダムハウス英和大辞典』p.2002
^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1494
^ オオキヌタソウ 、日本のレッドデータ検索システム、2023年10月3日閲覧
^ マンセンオオキヌタソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
^ 内貴章世 (2017)「アカネ科」『改訂新版 日本の野生植物 4』pp.289-290
参考文献
外部リンク