非都市ディストリクト(ひとしディストリクト、英語: Non-metropolitan district)またはシャイア・ディストリクト(英語: shire districts)は、イングランドの行政区画の1つ。非都市カウンティの下に属する自治体。シティ・ステータスを持つものとバラ・ステータスを持つものとが存在する。
二段構造で構成されるイギリスの地方行政のうち、非都市カウンティの下に属する行政区画である[1]。ほとんどの非都市カウンティはカウンティ・カウンシル(英語版)と複数のディストリクトで構成され、ディストリクトもまたカウンシルとバラによって構成される。
多くの非都市ディストリクトがバラ・ステータス(英語版)を有しており、自らのカウンシルを「バラ・カウンシル」と呼ぶ権利を持つ。この地位は多くの場合国王からの特許状によって得ており、数世紀に及ぶ長い歴史を持つ。オックスフォードやエクセターなどシティ・ステータスを持つディストリクトも存在するが、行政上の権限は特に変わらない。逆に、シティ・ステータスやバラ・ステータスを持つ自治体の中には単一自治体や都市ディストリクトであるものも多い。
単一自治体は儀礼上はカウンティに属するが行政上はカウンティとは別の議会によって運営される。また、都市ディストリクトは1974年の行政改革によって都市カウンティの中に作られた自治体である。
1899年まで、イングランドの自治体は地方ディストリクト(英語版)、都市ディストリクト、都市バラ(英語版)、カウンティ・バラ(英語版)、大都市バラの5つに分けられていたが、20世紀後半に行われた地方行政改革によってこれらの区分は撤廃された。なお、非都市ディストリクトはグレーター・ロンドン外の自治体が都市カウンティと非都市カウンティに分けられた1974年、非都市カウンティの下に位置する自治体として設置された。創設当初は296の非都市ディストリクトがあったが、1990年代と2009年に行われた行政改革によってその数は192にまで減少した。また、当初の非都市ディストリクトのうち55の自治体は単一自治体に格上げされた。
ウェールズでは、これほぼ同様の2段階の地方行政制度(ディストリクト(英語版))が1974年から96年まで存在していた。しかし、1996年の地方行政改革によって2段階制だった自治体が全て1段階の自治体へ変更された。グレーター・ロンドンのような大都市エリアを持たないウェールズにおいて、非都市ディストリクトという区分は存在しない。またスコットランドにおいても1996年に2段階制の自治体制度が1段階へ変更されたため、非都市ディストリクトは存在しない。
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