『はしれ走』(はしれかける)は、みやたけしによる日本の漫画。『週刊少年サンデー』(小学館)において、1981年20号から1984年27号にかけて連載された。全91話。
小学生による少年サッカーチームを通じ、運動音痴の主人公の成長と仲間たちとの友情を描く物語であり、その作風は「ハートウォーミング・サッカーストーリー」とも形容される[1]。続編に、高校生に成長した主人公たちの活躍を描く『ストライカー列伝』(後述。以下『続編』と略)がある[1]。
主人公・山下 走は、不良中年の父とともに千葉県の九十九里浜に住む祖母の家へ転居してきた。引越荷物の中にあった古いサッカーボールをきっかけに、走はサッカーの魅力に取りつかれ、小学校の仲間たちとともに少年サッカーチーム「ウンたまズ」を結成。初の練習試合で強豪、戸成町サッカークラブと対戦する。素人揃いの上にチームワークも最悪だった一同だが、走が挙げた初得点を機に、次第にサッカーの面白さに目覚める。やがてウンたまズは全日本少年サッカーリーグ千葉県大会へ出場し、全国大会を目指して、数々の強豪チームとの試合を戦い抜いてゆく。
主要人物である納内、望、高句、葦谷、夢雄、走の名の語呂合わせで「幼い望み高く明日に夢をかける」となり、これは作中の台詞でも語られている。
走が自ら結成した少年サッカーチーム。走がウンチ(運動音痴)で球拾いばかりやらされていたことから「ウンたま」と仇名されており、彼が思いつきで言ったこのチーム名が、そのまま正式な登録名となった。
高知県の和気無以外は全日本少年サッカーリーグ千葉県大会の出場チームであり、ウンたまズも含めて「千葉5強」と呼ばれる。
『ストライカー列伝』(ストライカーれつでん)は、『週刊少年サンデー増刊号』(小学館)において、1984年5月号から1985年9月号まで連載された。全17話。
『はしれ走』の登場人物たちの第64回全国高等学校サッカー選手権大会(1986年)での活躍を描く作品であり、走とかつてのライバルたち、かつてのチームメイトでありながら他校に入学したために敵同士となった者たちとの対決が描かれた。最終回では同大会決勝戦において、走と高句の数年ぶりの対決が展開されたが、その結末は描かれないまま完結した。
『はしれ走』の物語から数年後。かつて千葉で戦い合った仲間たち、ライバルたちは全国各地の高校に散らばっていた。走は静岡の青南高校に入学してサッカー部へ入部するが、同校はサッカーでは無名であり、先輩部員たちも皆、無気力であった。さらに監督となった父・正一が新入生の走をキャプテンに任命したことに先輩部員たちは反感を抱き、試合では走に不利なことばかり仕掛ける。それでも走は全国大会で仲間たちやライバルたちと再会するため孤軍奮闘。やがてそれに感化された先輩部員たちも一丸となり、青南高は数々の試合を勝ち抜いてゆく。