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この項目では、徳島県鳴門市にある寺院について説明しています。同県内の徳島市にある寺院については「長谷寺 (徳島市)」をご覧ください。 |
長谷寺(ちょうこくじ)は、徳島県鳴門市撫養町木津に位置する高野山真言宗の寺院である。山号は豊山。院号は神楽院。本尊は十一面観世音菩薩。新四国曼荼羅霊場第二番札所、阿波北嶺薬師霊場第十九番札所。
- ご詠歌:いくちよも めぐみかわらぬ とよやまに ひかりかがやく のりのあさひは
歴史
木津の住人・船戸左衛門尉次正が主人である細川氏を討たれ、その仇を取るべく大和国の長谷寺の観世音に月詣りをしていた。ある時旅程が遅れて長谷の里へは夜に着いたため、里人から盗賊だと間違われて処刑されそうになった。しかし長谷寺の住職の夢の中に観世音が現れ、次正を助けるように指示した。住職は次正を寺へ連れ帰り、寺に伝わる十一面観世音菩薩像を贈り、四国に堂を作って拝むように勧めた。
以上の御縁から、次正は山号・院号・寺号を大和国の長谷寺と同じ寺を作り、しかし読みだけは「はせでら」ではなく音読みの「ちょうこくじ」とした。
なお創建当時の寺の前一帯は海であり、木津の入江の寺という意味で「木津江寺(こづえじ)」あるいは「木末衛寺(こずえじ)」とも呼ばれていたことがあった。
境内
- 本堂:十一面観音が本尊の木造のお堂で、中に仁王像と四天王像が拝顔できる。通称観音堂。
- 持仏堂:鉄筋の大きなお堂で天井画が鑑賞できる。
- 毘沙門天堂:隣の金比羅社の参道の初めにある
- 不動堂:裏山の標高101 mの頂上にあり、ミニ西国霊場の27番である。
- 鎮守社:皇大神宮
- 鐘楼:袴腰造り
文化財
- 鳴門市指定有形文化財
- 紙本墨書駅路寺文書:1598年(慶長3年)藩主家政から下付されたものと、1641年(寛永18年)忠英から下付された文書の2葉。昭和57年指定[1]。
- 鳴門市指定天然記念物
- 長谷寺のオハツキイチョウ:樹齢600年と云われる[2]。
前後の札所
- 新四国曼荼羅霊場
- 01 東林院 -- 02 長谷寺 -- 03 不動院
- 阿波北嶺薬師霊場
- 18 願成寺 -- 19 長谷寺 -- 20 真楽寺
交通
脚注
参考文献
- 『鳴門再発見―ライブミュージアムでお接待―』 「鳴門再発見」実行委員会 2005
関連項目
外部リンク