ヤー・ヤー・ヤーズ (Yeah Yeah Yeahs)は、2000年に結成されたアメリカ合衆国 ニューヨーク市 出身の3人組オルタナティヴ・ロック ・バンド。バンド名は「yeah, yeah, yeah (そう、そう、そうだよね)」という、NYの街で交わされている適当な相槌に由来する。
バイオグラフィ
結成から初アルバム誕生まで
1990年代後半、ボーカルのカレンO とドラムのブライアン・チェイスがオハイオ州 のオーバリン・カレッジ在学中に出会う。チェイスは当時ジャズ を学ぶ学生だった。その後、カレンがニューヨーク大学 に編入し、ニューヨークでギターのニック・ジナーと地元の飲み屋で出会い、意気投合した。二人はアコースティック ・デュオ「ユニタード」を結成するが、後にオハイオ州の伝説的なアヴァン・パンク ・シーンに影響されエレクトリック に路線変更する。最初の募集で見つけたドラマーが辞退したためチェイスが加入することになり、カレンがオハイオに残してきた「つまらなく、パンクで、薄汚れた」芸術学生グループのようなパンクバンド を形成することにした[ 1] 。
バンドは、最初のリハーサルの時に沢山の曲を作り、すぐにザ・ストロークス やザ・ホワイト・ストライプス 等の前座を務めるようになり、一気に知名度を上げた。
2001年後半、自分のバンド名を冠したデビューアルバム『Yeah Yeah Yeahs (EP)』を発表。これはボス・ホグのジェリー・ティールと共にレコーディングされ、自らのレーベル「Shifty」によってリリースされた[ 2] 。
翌年、バンドは全米をガールズ・アゲンスト・ボーイズ とツアーしたり、ジョン・スペンサー ・ブルーズ・エクスプロージョンと共にヨーロッパ・ツアーを敢行し、さらに英国では単独ツアーを行う等、国際的にも注目を浴びるようになる[ 3] 。 前述のEPはイギリスではウィチタ・レコーディングス によってリリースされ、またアメリカでもタッチ・アンド・ゴー・レコード によって再発売された。
1stアルバム『フィーヴァー・トゥ・テル』
2003年には初のフル・アルバム『フィーヴァー・トゥ・テル』をリリースし、批評家からの高い評価を受け、全世界で75万枚を売り上げた。特に同アルバムの3曲目「Maps」はオルタナティブ 系ラジオ局でヘビー・プレイされた。また2004年にリリースされたシングル「Y Control」のPVは映画監督 のスパイク・ジョーンズ により撮影された(一時期カレンOとジョーンズ監督は交際していた)[ 4] 。
2004年10月には初DVD『Tell Me What Rockers to Swallow』をリリース。同DVDにはサンフランシスコ でのライブ映像をはじめ、バンドのPVすべてや様々なインタビューが収録されている。
2ndアルバム『ショウ・ユア・ボーンズ』
ティム・フェスティバルでのカレンO
フルアルバムとしては2作目の『ショウ・ユア・ボーンズ』が2006年3月27日にリリースされた。本アルバムからのファースト・シングルとして「Gold Lion」が3月20日にリリースされ、英国シングルチャートで18位を記録した。ただし、「Gold Lion」の出だしが1980年代のオルタナ・バンド:ラブ・アンド・ロケッツの「No New Tale To Tell」に似ていることがリーア・グリーンブラットに指摘されている[ 5] 。
同年のほとんどはヨーロッパやアメリカ中のツアーに費やされた。また、「オール・トゥモローズ・パーティー・フェスティバル」のイギリス版作成への支援も行った。
2006年12月には『NME 』誌により年間ベストアルバムランキングの第2位に選ばれ、シングル「Cheated Hearts」も10位に投票された。『ローリング・ストーン 』誌は同アルバムを年間ベスト44位とし、『Spin 』誌は年間ベスト40アルバム中31位とした。
EP『IS IS』
2007年7月24日にEP 『IS IS』をリリースした。中には新しい5曲とブルックリンのグラスランズ・ギャラリーで撮影されたショート・フィルムで構成されている。これらの曲は2004年の『フィーヴァー・トゥ・テル』ツアー中に作曲され、この間にライブでは披露されていた[ 6] 。 また、新5曲中3曲は『Tell Me What Rockers to Swallow』のDVDに収録済み[ 7] 。5月7日にはニューヨークで撮影されたライブ・パフォーマンスをパトリック・ドーターズに監督されたDVDとしてリリース予定である。同DVDの楽曲はiTunes Storeで動画配信済み[ 8] 。
3rdアルバム『イッツ・ブリッツ!』
グラストンベリー でのステージ(2009年)
2009年3月に3作目のアルバム『イッツ・ブリッツ!』がリリースされた[ 9] 。バンドによると、今回のアルバムは今までとは少し違う様相になっているが、ヤー・ヤー・ヤーズらしさは残してあると言う。当初、このアルバムは4月13日にリリース予定であったが、2月22日にインターネットで事前にリークされた問題で[ 10] 、レーベルのインタースコープ社がリリースを前倒しした[ 11] 。
ツアー
自身のワールド・ツアーに加え、ザ・ホワイト・ストライプス 、ザ・ストロークス 、ライアーズ 、ジョン・スペンサー ・ブルーズ・エクスプロージョン等の前座を務めている。2007年には、北京 でModern Sky Festivalの目玉として出演し、中国でライブ演奏した数少ない西欧ロック・バンドである[ 12] 。
サイド・プロジェクトと他バンドとのコラボ
カレンとニックはともにタイニー・マスターズ・オブ・トゥデーのアルバム『Bang Bang Boom Cake』にゲスト出演している。この曲はEメールで書かれ、カレンが歌っている。さらに、カレンは同バンドのHologram World Videoの助監督として活躍し、ヤー・ヤー・ヤーズの全3メンバーがビデオに登場している。
サウンドトラック
2005年にカレンは「Teaser」という楽曲でMC Kool Keithとコラボした。本楽曲はポルノ映画『Deep Throat vs. Lialeh』のサントラに含まれる予定であったが[ 13] 、リリースされることはなかった。
映画『Jackass 2』のためカレンはエレクトロ系アーティストPeaches と同映画主演のen:Johnny Knoxville と「Backass」と名付けられた楽曲でコラボした。
2007年にカレンは映画『アイム・ノット・ゼア 』のため、ボブ・ディラン の楽曲『Highway 61 Revisited』でボーカルとして参加した[ 14] 。
2009年にカレンはスパイク・ジョーンズ監督の映画『かいじゅうたちのいるところ 』のサントラを制作[ 15] 。
Head Wound City
ニック・ジナーはヤー・ヤー・ヤーズの活動以外にもen:Head Wound City というマスコア 、スラッシュコアのスーパー・グループとコラボしている。他の著名なメンバーはバンドThe Blood BrothersのJordan BlilieとCody Votolatoや、The LocustとHoly MolarのJustin PearsonやGabe Serbian。2005年にデビューアルバム『Head Wound City EP』がリリースされている。
メンバー
ライブで演奏するバンド(2019年)
カレンO (Karen O、1978年 11月22日 - )ヴォーカル担当。
ブライアン・チェイス (Brian Chase、1978年 12月2日 - )ドラム担当。
ニック・ジナー (Nick Zinner、1974年 12月8日 - )ギター、キーボード担当。
イマード・ワージフ (Imaad Wasif)セカンド・ギター担当。2006年からツアー参加。
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
『フィーヴァー・トゥ・テル』 - Fever to Tell (2003年)
『ショウ・ユア・ボーンズ』 - Show Your Bones (2006年)
『イッツ・ブリッツ!』 - It's Blitz! (2009年)
『モスキート』 - Mosquito (2013年)
受賞歴
来日公演
2003年
10月1日 愛知 Nagoya Club Quattro
10月2日 大阪 Shinsaibashi Club Quattro
10月3日 福岡 DRUM Logos
10月6日 東京 Shibuya-AX [ 16]
2004年
2006年
7月29日 新潟 苗場スキー場 - FUJI ROCK FESTIVAL (White Stage)
2010年
1月15日 大阪 Shinsaibashi Club Quattro
1月16日 東京 品川ステラボール
脚注
^ Hanley, Lynsey (February 26, 2006). “Lynsey Hansley talks to Yeah Yeah Yeahs ”. The Guardian . 2009年4月15日 閲覧。
^ “Jerry Teel ”. Discogs. 2009年4月15日 閲覧。
^ “Yeah Yeah Yeahs ”. MTV.com. 2009年4月15日 閲覧。
^ “Spike Jonze ”. FamousWhy.com. 2009年4月15日 閲覧。
^ Greenblatt, Leah (June 16, 2006). “Did The Red Hot Chili Peppers copy Tom Petty?” . Entertainment Weekly . http://www.ew.com/ew/article/commentary/0,6115,1204700_4_0_,00.html 2008年11月19日 閲覧。
^ Yeah Yeah Yeahs to Release New EP of Old Songs (2007年6月16日時点のアーカイブ )
^ “Yeah Yeah Yeahs to release new EP ”. NME (June 13, 2007). 2008年11月19日 閲覧。
^ “Yeah Yeah Yeahs videos ”. iTunes Store. 2009年4月15日 閲覧。
^ Breihan, Tom (2009年1月21日). “New Yeah Yeah Yeahs Album: It's Blitz ”. Pitchfork Media . 2009年1月22日時点のオリジナル よりアーカイブ。2009年4月15日 閲覧。
^ “diditleak.co.uk ”. 2009年4月15日 閲覧。
^ “Yeah Yeah Yeahs to release album early due to leak ”. NME (March 3, 2009). 2009年4月15日 閲覧。
^ Sisario, Ben (2007年11月25日). “For All the Rock in China” . New York Times . http://www.nytimes.com/2007/11/25/arts/music/25sisa.html 2007年12月3日 閲覧。
^ van Horn, Teri (May 13, 2005). “Yeah Yeah Yeahs' Karen O Tackles Folk Music, Porn ”. MTV News. 2009年4月15日 閲覧。
^ “New Karen O - "Highway 61 Revisited" (Stereogum Premiere) ”. Stereogum (October 25, 2007). 2009年4月15日 閲覧。
^ Kasia Galazka (2007年11月20日). “Karen O is Where the Wild Things Are ”. Paste Magazine. 2007年11月20日 閲覧。
^ http://www.vibe-net.com/news/?news=0014527
外部リンク