ザ・ストロークス (The Strokes )は、アメリカ合衆国 ニューヨーク 出身のロックバンド 。メンバーはジュリアン・カサブランカス 、ニック・ヴァレンシ 、アルバート・ハモンドJr. 、ニコライ・フレイチュア 、ファブリツィオ・モレッティ の5人。
略歴
ザ・ストロークス(2002年)
1999年、NYのアッパーウェストサイドにある上流階級や富裕層の子弟が通う学校で、幼馴染で一緒にバンドをやっていたジュリアンとニコライのコンビに、ニックとファブのこちらも幼馴染コンビが出会う。そこに、ジュリアンのル・ロゼ での友人でLAからニューヨーク大学 に映画の勉強にやってきていたアルバートが加わり、ザ・ストロークスが結成された。
2001年、イギリス のラフ・トレード にデモ・テープを送り、契約に至る。3曲入りのEP『ザ・モダン・エイジ』(The Modern Age)を発表。これがきっかけでイギリスで人気が爆発。音楽誌はこぞって“NEXT BIG THING”として取り上げる。同年8月にデビューアルバム『イズ・ディス・イット 』(Is This It)を発売し、全世界でヒットさせる。
2002年、2月に初の来日公演を行う。チケットは即日完売となり、会場によっては当初より大きい会場に変更されるハプニングもあった。
2003年、2ndアルバム『ルーム・オン・ファイア 』(Room on Fire)を発表する。「12:51」、「レプティリア」(Reptilia)がヒットし、人気を確かなものとする。8月にはサマーソニック に出演。
2006年、3rdアルバム『ファースト・インプレッションズ・オブ・アース 』(First Impressions of Earth)を発表[6] 。この年のフジロックフェスティバル ではヘッドライナーを務めた。
2011年、4thアルバム『アングルズ 』(Angles)を発表[7] 。この年のサマーソニック でヘッドライナーを務めた。
2013年、5thアルバム『カムダウン・マシーン』(Comedown Machine)を発表[8] 。
2016年、4曲入りのEP『フューチャー・プレゼント・パスト』(Future Present Past)を発表[9] 。
2020年、6thアルバム『ザ・ニュー・アブノーマル』(The New Abnormal)を発表[10] 。第63回グラミー賞 でロック部門・最優秀ロック・アルバム賞を受賞し、キャリア初のグラミー賞受賞となった。
評価
ライブでのストロークス(2019年)
1960年代 前後のガレージロック サウンドを彷彿とさせ、ザ・ホワイト・ストライプス と共にガレージロック・リバイバル の代表格として有名である。しかしその音楽性はストライプスとは大きく異なり、都会的で洗練された曲調が持ち味。同じく出自がニューヨーク であり、そのアンダーグラウンドで活躍して後のロックに多大な影響を与えたヴェルヴェット・アンダーグラウンド やテレヴィジョン といったバンドと似た雰囲気を持っていると評価されるが、メンバーは特に影響を受けていないという[11] 。
ロックンロール・リバイバルの旗手
2000年代に差し掛かった当時、アメリカ ではヒップホップ やR&B などの黒人音楽勢やラップメタル /ヘヴィロックが、イギリス ではレディオヘッド やコールドプレイ などの陰鬱な雰囲気を持った、およそ陽性なロックンロール とは相容れないアーティスト達がそれぞれセールス を伸ばして隆盛していた。そんな中でストロークスは"60年代前後のロックンロール/ガレージ・ロックを現代の若者風にスタイリッシュに解釈"したとも言えるサウンドにより人気を博し、そのようなシーンの中で「ロックの復権」「ロックンロール・リバイバルの旗手」として評された。
これは、ロックミュージックのセールスが黒人音楽勢に押されて危うくなっていたイギリスを中心としたマスメディア によるハイプ だ、との見方もあったが、結果的にストロークスは前述のアーティスト以上のリスナーからの支持を勝ち得ることになり、実際にその後のシーンではストロークスに影響を受けて感化された後進バンドが数多く登場した。フランツ・フェルディナンド 、アークティック・モンキーズ [12] 、カイザー・チーフス など、大きな成功を収めた2000年代のUKガレージ・ロック /ポストパンク バンドの多くは、ストロークスからの影響を公言している。
楽曲「ラスト・ナイト」は、ローリング・ストーン 誌による「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500 」に於いて478位に選ばれている。
メンバー
ジュリアン・カサブランカス(ボーカル)
ニック・ヴァレンシ(ギター)
アルバート・ハモンドJr.(ギター)
ニコライ・フレイチュア(ベース)
ファブリツィオ・モレッティ(ドラムス)
ディスコグラフィー
スタジオアルバム
タイトル
詳細
最高順位
備考
US [13]
AUS [14]
AUT [15]
BEL [16]
FRA [17]
GER [18]
NOR [19]
NZ [20]
SWE [21]
UK [22]
イズ・ディス・イット Is This It [I]
33
5
35
47
19
13
2
23
3
2
ルーム・オン・ファイア Room on Fire
Released: 2003年10月28日
Label: Rough Trade (#130), RCA (#55497)
Formats: CD, LP
4
6
14
14
16
5
3
6
6
2
ファースト・インプレッションズ・オブ・アース First Impressions of Earth
Released: 2006年1月3日
Label: Rough Trade (#330), RCA (#73177)
Formats: CD, enhanced CD , LP
4
4
9
21
9
10
22
10
9
1
アングルズ Angles
Released: 2011年4月5日
Label: Rough Trade (#530), RCA
Formats: CD, LP, download
4
1
9
18
6
15
15
6
21
3
カムダウン・マシーンComedown Machine
Released: 2013年3月26日
Label: RCA
Formats: CD, LP
10
7
21
49
17
50
10
18
28
10
ザ・ニュー・アブノーマルThe New Abnormal
Released: 2020年4月10日
Label: Cult, RCA
Formats: CD, LP, cassette, download
8
21
8
—
20
12
—
15
31
3
I ^ 写真が卑猥であるとされUSバージョンのみジャケットを差し替えられた。また、"New York City Cops"が"When It Started"に差し替えられている。
EP
タイトル
詳細
最高順位
CAN [29]
NOR [30]
UK [31]
ザ・モダン・エイジThe Modern Age
20
28
68
フューチャー・プレゼント・パストFuture Present Past
Release: 2016年6月3日
Label: Cult
Formats: LP, download
—
—
—
受賞歴
日本公演
2002年
2003年
2005年
11月18日、東京 渋谷Duo Music Exchange
2006年
2011年
2023年
脚注
^ Phares, Heather. The Strokes Biography, Songs, & Albums - オールミュージック . 2023年4月26日 閲覧。
^ Lipshutz, Jason (2011年3月23日). “Top 10 Garage Rock Revival Bands: Where Are They Now? ”. Billboard . 2023年4月26日 閲覧。
^ Abebe, Nitsuh (2010年2月25日). “The Decade in Indie ”. Pitchfork . Condé Nast . 2023年4月26日 閲覧。
^ Lynskey, Dorian (2012年1月16日). “Indie rock's slow and painful death ”. The Guardian . Guardian News & Media. 2023年4月26日 閲覧。
^ Kravitz, Kayley (2012年10月23日). “Revisiting the Post-Punk Revival ”. HuffPost Entertainment . BuzzFeed. 2023年4月26日 閲覧。
^ “AllMusic | Record Reviews, Streaming Songs, Genres & Bands ” (英語). AllMusic . 2020年4月11日 閲覧。
^ Stone, Rolling (2011年3月16日). “Strokes' New Album 'Angles' is Best Since Their Debut ” (英語). Rolling Stone . 2020年4月11日 閲覧。
^ “The Strokes Announce Fifth Studio Album, 'Comedown Machine' ”. Billboard (2013年1月30日). 2020年4月11日 閲覧。
^ “Album Review: The Strokes - Future Present Past EP ” (英語). Consequence of Sound (2016年5月30日). 2020年4月11日 閲覧。
^ “Stream The Strokes' First Album In 7 Years, 'The New Abnormal' ”. Stereogum (2020年4月10日). 2020年4月11日 閲覧。
^ ニックとニコライ、デビューから快進撃の1年を語る
^ FUJI ROCK FESTIVAL '06、大トリはザ・ストロークスに決定。
^ “The Strokes Artist Chart History: Albums ”. Billboard . 2009年2月1日時点のオリジナル よりアーカイブ。2008年3月14日 閲覧。
^ “The Strokes Australia album chart history ”. australian-charts.com. 2008年3月14日 閲覧。
^ “The Strokes Austria album chart history ”. AustrianCharts.at. 2008年3月14日 閲覧。
^ “The Strokes Belgium album chart history ”. ultratop.be. 2008年3月14日 閲覧。
^ “The Strokes France album chart history ”. lescharts.com. 2008年3月14日 閲覧。
^ “The Strokes Germany album chart history ”. Musicline.de. 2008年3月14日 閲覧。
^ “The Strokes Norway album chart history ”. NorwegianCharts.com. 2008年3月14日 閲覧。
^ “The Strokes New Zealand album chart history ”. charts.org.nz. 2008年3月14日 閲覧。
^ “The Strokes Sweden album chart history ”. SwedishCharts.com. 2008年3月14日 閲覧。
^ “UK charts ”. Everyhit.com. 2008年3月14日 閲覧。
^ a b c d “Gold and Platinum database ”. Recording Industry Association of America . 2008年3月14日 閲覧。
^ “ARIA Charts – Accreditations – 2002 albums ”. Australian Recording Industry Association . 2008年3月14日 閲覧。
^ a b c d “Canadian Recording Industry Association – Search Certification Database ”. Canadian Recording Industry Association . 2008年3月14日 閲覧。
^ “Is This It Certified Awards ”. British Phonographic Industry . 2008年3月14日 閲覧。
^ a b “ARIA Charts – Accreditations – 2004 Albums ”. Australian Recording Industry Association . 2008年3月14日 閲覧。
^ “Room on Fire Certified Awards ”. British Phonographic Industry. 2008年3月14日 閲覧。
^ “The Strokes Billboard Chart History: Singles ”. Allmusic . 2008年3月14日 閲覧。
^ “The Strokes Norway singles chart history ”. NorwegianCharts.com. 2008年3月14日 閲覧。
^ “UK chartlog ”. zobbel.de. 2009年7月9日 閲覧。
外部リンク