マイクル・コナリー (Michael Connelly 、1956年 7月21日 -)は、フィラデルフィア 出身のアメリカの探偵・犯罪小説家・テレビ脚本家である。日本ではハードボイルド 派小説家に分類されることが多い。
クリントン元米大統領 などの支持もあり、米国以外の国でも人気を得ているが、人気によって版権料も高くなり、日本では彼の作品の翻訳権を巡っていくつかの出版社からの発刊にまたがる結果となっている。
若齢期
ペンシルベニア州フィラデルフィア で、不動産開発会社のW・マイケル・コナリーと、主婦のメアリー・コナリーの次男として生まれた[1] 。コナリーによると、父親は挫折した芸術家であり、子供たちに人生の成功を望むよう励まし[2] 、キャリアを追求するために成功と失敗を交互に繰り返すリスクテイカーであったという。母親はミステリー小説のファンで、息子に推理小説の世界を紹介した[1] 。
12歳のとき、家族とともにフィラデルフィアからフロリダ州のフォートローダーデール に移り、セント・トーマス・アクィナス高校に入学した。16歳のとき、ホテルの皿洗いの仕事から帰る途中、男が生け垣に物を投げ入れるのを目撃し、近寄って調べてみると、それはシャツに包まれた銃だった。銃を戻した後、彼はその男を追ってバーへ行き、その後、父親に報告するために家に帰った。その夜、コナリーは警察をバーに連れて行ったが、男はすでにいなくなっていた。この出来事で彼は警察官の世界とその生活に触れ、その仕事ぶりに感銘を受けた[1] 。
コナリーは、父親が早くから選んでいた建築の仕事を継ぐつもりで、フロリダ大学 ゲインズビル校のリンカー建築学部で建築管理を学び始めた。予想以上に低い成績だったコナリーは、ロバート・アルトマン の映画『長いお別れ 』(1973年)を見に行った。レイモンド・チャンドラー の同名小説(1953年)を原作とするこの映画を見て、コナリーは推理作家 になりたいと思うようになった。そして、フロリダ大学ジャーナリズムコミュニケーション学部に編入し、ジャーナリズム を専攻し、クリエイティブ・ライティングを副専攻することにした[1] 。
略歴
大学卒業後は、フロリダで新聞記者となり、複数の新聞において、主として警察及び犯罪事件を担当する。当時、南フロリダ地区は、いわゆる「コカイン戦争 」の真っ只中であり、コナリーはその犯罪と警察について記事を書き続けた。
1985~6年、コナリーは他の記者2名とともに、デルタ航空191便墜落事故 からの生還者達にインタビューを行い、このレポートは雑誌に発表され、また、ピューリツァー賞 候補にも推された。この報道により、コナリーはジャーナリストとしての地位を高め、ロサンゼルス・タイムス社 の犯罪担当記者となり、大学生時代に憧れたチャンドラーが描いた街に赴くこととなった。
ロサンゼルスで3年間の犯罪記者経験の後、ロサンゼルス市警察 (LAPD)の刑事ヒエロニムス(ハリー)・ボッシュを主人公とした小説を書き始める。1992年、シリーズ第1作となる“The Black Echo”(邦題『ナイトホークス 』)を発表。実際にロサンゼルスで起きた事件を一部に題材として描いた本作は、初版わずか15,000部、しかも全米で一切新聞広告の露出がなかったにもかかわらず、各書評で非常に高い評価を得て、更には同年度、アメリカ探偵作家クラブ のエドガー賞 処女長編賞 を獲得した。
コナリーの小説は、現在までに35か国で翻訳されている。2003-2004年には、アメリカ探偵作家クラブ (MWA)の会長を務めた。現在は、夫人、愛娘と共に、フロリダ在住。FOXで放送されている『キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き 』にて、主人公の大先輩としてデニス・ルヘイン とともにカメオ出演している。
『ハリー・ボッシュ・シリーズ』に基づいてテレビドラマ化された『BOSCH/ボッシュ 』、および『ボッシュ: 受け継がれるもの 』では製作総指揮を務めるとともに、複数のエピソードの脚本を書いている。
作品リスト
各作品は、作品毎に提示された事件や謎が解決されるという意味では一話で完結するが、主人公が同一のシリーズ物として緩く繋がっており、過去作で語られた主人公の立場や人間関係などは以降の作品において既知の設定として引き継がれていく。
各シリーズ間にも繋がりがあり、あるシリーズの主人公や登場人物が別のシリーズの作品に登場することがある[3] 。詳細は、下記の発表順小説リストの登場人物を参照。
刑事 "ハリー・ボッシュ" シリーズ
The Black Echo (1992)
The Black Ice (1993)
The Concrete Blonde (1994)
The Last Coyote (1995)
Trunk Music (1997)
Angels Flight (1999)
A Darkness More Than Night (2001) - 『わが心臓の痛み』の主人公テリー・マッケイレブも登場
City of Bones (2002)
Lost Light (2003)
The Narrows (2004) - 記者 "ジャック・マカヴォイ" シリーズ『ザ・ポエット』の続編である[4]
The Closers (2005)
Echo Park (2006)
The Overlook (2007)
Nine Dragons (2009)
The Drop (2011)
The Black Box (2012)
The Burning Room (2014)
The Crossing (2015)
The Wrong Side of Goodbye (2016)
Two Kinds of Truth (2017)
刑事弁護士 "ミッキー・ハラー" シリーズ
The Lincoln Lawyer (2005)
The Brass Verdict (2008)
The Reversal (2010)
The Fifth Witness (2011)
The Gods of Guilt (2013)
The Law Of Innocence (2020)
記者 "ジャック・マカヴォイ" シリーズ
ジャック・マカヴォイはデンヴァーの新聞「ロッキー・マウンテン・ニューズ」の記者。殺人事件を詳細に取材したコラムを担当している。(その後転職して『スケアクロウ』 ではLAタイムズの記者、『警告』では消費者問題を扱うニュース・サイト「フェアウォーニング」の記者になっている。)
The Poet (1996)
『ザ・ポエット』(古沢嘉通訳:扶桑社ミステリー 上巻:ISBN 4-594-02363-0 / 下巻:ISBN 4-594-02364-9 )
あらすじ:ジャックの双子の兄で警官のショーンが死体で発見される。状況は自殺のように見えるが納得がいかないジャックは事件を調べ始める。そして連続殺人事件の手がかりを見つけ、FBIの捜査に同行して犯人を探す。
大部分は主人公ジャックの一人称形式で記述されているが、時折グラッデンの行動が三人称で記述される章が織り込まれている。
本作で登場したFBI捜査官レイチェル・ウォリングは、その後ハリー・ボッシュ・シリーズ に何回か描かれている。
本作は、1997年にアンソニー賞 、ネロ・ウルフ賞 、ディリス賞 を受賞した。
ハリー・ボッシュ・シリーズの『天使と罪の街』(2004)は本作の続編に当たる。
コナリーの小説世界においては本作は実際にマカヴォイが執筆して出版された書籍であるとされており、前述『天使と罪の街』の中でレイチェルが本書を読んでいたり、『スケアクロウ』の捜査の中でも発見される。
主な登場人物
ショーン・マカヴォイ:ジャックの双子の兄、デンヴァー市警殺人課の刑事
グレッグ・グレン:ジャックの上司
マイクル・ウォレン:法執行財団の広報官、元新聞記者
レイチェル・ウォリング:FBI捜査官
ゴードン・トースン:FBI捜査官
ボブ・バッカス:レイチェルの上司、捜査チームのボス
ウィリアム・グラッデン:子どもの写真を撮る男
Scarecrow (2009)
Fair Warning (2020)
女性刑事 "レネイ・バラード" シリーズ
The Late Show (2017)
Dark Sacred Night (2018) - 刑事 "ハリー・ボッシュ" シリーズ でもある
The Night Fire (2019) - 刑事 "ハリー・ボッシュ" シリーズ でもある
The Dark Hours (2021) -- 刑事 "ハリー・ボッシュ" シリーズ でもある
Desert Star (2022) -- 刑事 "ハリー・ボッシュ" シリーズ でもある
ノン・シリーズ
Blood Work (1998) - 元FBI捜査官テリー・マッケイレブが主人公
Void Moon (2000) - 元窃盗犯の女性キャシー・ブラックが主人公
Chasing The Dime (2002) - ベンチャー企業代表ヘンリー・ピアスが主人公
ノン・フィクション
Crime Beat: True Crime Reports Of Cops And Killers (2006)
発表順小説リスト
#
邦題
原題
出版年
出版年
訳者
出版社
登場人物[3]
1
ナイトホークス
The Black Echo
1992年
1992年
古沢 嘉通
扶桑社ミステリー
HB
2
ブラック・アイス
The Black Ice
1993年
1994年
古沢 嘉通
扶桑社ミステリー
HB
3
ブラック・ハート
The Concrete Blonde
1994年
1995年
古沢 嘉通
扶桑社ミステリー
HB
4
ラスト・コヨーテ
The Last Coyote
1995年
1996年
古沢 嘉通
扶桑社ミステリー
HB
5
ザ・ポエット
The Poet
1996年
1997年
古沢 嘉通
扶桑社ミステリー
JM,RW
6
トランク・ミュージック
Trunk Music
1997年
1998年
古沢 嘉通
扶桑社ミステリー
HB
7
わが心臓の痛み
Blood Work
1998年
2002年
古沢 嘉通
扶桑社ミステリー
TM
8
堕天使は地獄へ飛ぶ/エンジェルズ・フライト
Angels Flight
1999年
2001年/2006年
古沢 嘉通
扶桑社/扶桑社ミステリー
HB
9
バッドラック・ムーン
Void Moon
2000年
2001年
木村 二郎
講談社文庫
CB
10
夜より暗き闇
A Darkness More Than Night
2001年
2003年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB,TM,JM(わずか)
11
シティ・オブ・ボーンズ
City Of Bones
2002年
2005年
古沢 嘉通
ハヤカワ・ミステリ文庫
HB
12
チェイシング・リリー
Chasing The Dime
2002年
2007年
古沢 嘉通, 三角 和代
ハヤカワ・ミステリ文庫
HP
13
暗く聖なる夜
Lost Light
2003年
2005年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB
14
天使と罪の街
The Narrows
2004年
2006年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB,RW,TM,CB(わずか)
15
終決者たち
The Closers
2005年
2007年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB
16
リンカーン弁護士
The Lincoln Lawyer
2005年
2009年
古沢 嘉通
講談社文庫
MH
17
エコー・パーク
Echo Park
2006年
2010年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB,RW
18
死角 オーバールック
The Overlook
2007年
2010年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB,RW
19
真鍮の評決 リンカーン弁護士
The Brass Verdict
2008年
2012年
古沢 嘉通
講談社文庫
MH,HB,JM(わずか)
20
スケアクロウ
The Scarecrow
2009年
2013年
古沢 嘉通
講談社文庫
JM,RW
21
ナイン・ドラゴンズ
Nine Dragons
2009年
2014年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB,MH
22
判決破棄 リンカーン弁護士
The Reversal
2010年
2014年
古沢 嘉通
講談社文庫
MH,HB,RW(わずか)
23
証言拒否 リンカーン弁護士
The Fifth Witness
2011年
2016年
古沢 嘉通
講談社文庫
MH,HB(わずか)
24
転落の街
The Drop
2011年
2016年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB
25
ブラックボックス
The Black Box
2012年
2017年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB,RW(わずか)
26
罪責の神々 リンカーン弁護士
The Gods of Guilt
2013年
2017年
古沢 嘉通
講談社文庫
MH,HB(わずか)
27
燃える部屋
The Burning Room
2014年
2018年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB,RW(わずか)
28
贖罪の街
The Crossing
2015年
2018年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB,MH
29
訣別
The Wrong Side of Goodbye
2016年
2019年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB,MH
30
レイトショー
The Late Show
2017年
2020年
古沢 嘉通
講談社文庫
RB
31
汚名
Two Kinds of Truth
2017年
2020年
古沢 嘉通
講談社文庫
HB,MH
32
素晴らしき世界
Dark Sacred Night
2018年
2020年
古沢 嘉通
講談社文庫
RB,HB
33
鬼火
The Night Fire
2019年
2021年
古沢 嘉通
講談社文庫
RB,HB,MH
34
警告
Fair Warning
2020年
2021年
古沢 嘉通
講談社文庫
JM,RW
35
潔白の法則 リンカーン弁護士
The Law Of Innocence
2020年
2022年
古沢 嘉通
講談社文庫
MH,HB
36
ダーク・アワーズ
The Dark Hours
2021年
2022年
古沢 嘉通
講談社文庫
RB,HB
37
正義の弧
Desert Star
2022年
2023年
古沢 嘉通
講談社文庫
RB,HB,MH(わずか)
38
Resurrection Walk
2023年
MH,HB,RB(わずか)
登場人物 HB: 刑事ハリー・ボッシュ、MH: 弁護士ミッキー・ハラー、JM: 記者ジャック・マカヴォイ、RW: FBI捜査官レイチェル・ウォリング、TM: 元FBI捜査官テリー・マッケイレブ、CB: キャシー・ブラック、HP: ヘンリー・ピアス、RB: 女性刑事レネイ・バラード
短編
#
邦題
原題
収録書
出版社
出版年
出版年
ISBN, EAN
訳者
主要登場人物
備考
1
二塁打
Two-Bagger
ミステリマガジン2002年2月号
早川書房
2001
2002
古沢嘉通
ベスト・アメリカン・ミステリ/ハーレム・ノクターン
ハヤカワ・ミステリ 1768
2002
ISBN 4-15-001768-9
古沢嘉通
原著は野球ミステリ・アンソロジー『Murders’ Row 』に書き下ろされた[5] 。出所したての麻薬密造人を二人の刑事が尾行し、大リーグLAドジャースが試合中の球場で起きる事件。
2
(未訳)
Cahoots
2002
3
真夜中を過ぎて
After Midnight
ミステリマガジン 2010年 7月号
早川書房
2003
2010
古沢嘉通
男が茂みに拳銃を隠すところを目撃した少年の話。マイクル・コナリー自身の体験に基づいて書かれた[6] 。原著はミステリ・アンソロジー Men From Boys に収録。
4
クリスマス・イーヴン
Christmas Even
ミステリマガジン2003年2月号
早川書房
2004
2003
古沢嘉通
HB
原著は Angle of Investigation: Three Harry Bosch Short Stories (2011)に収録。
5
空の青(シエロ・アズール)
Cielo Azul
ジャーロ No.5
光文社
2005
2001
宮脇孝雄
HB, TM
シエロ・アズールの事件は長編『夜より暗き闇』で言及される。原著は Suicide Run: Three Harry Bosch Short Stories (2011)に収録。
6
(未訳)
The Safe Man
2005
7
捜査の切り口
Angle of Investigation
ミステリマガジン 2010年 7月号
早川書房
2005
2010
古沢嘉通
HB
原著はAngle of Investigation: Three Harry Bosch Short Stories (2011)に収録。
8
マルホランド・ダイブ
Mulholland Dive
ミステリマガジン 2010年 7月号
早川書房
2007
2010
古沢嘉通
18の罪 -現代ミステリ傑作選
ヴィレッジブックス
2012
古沢嘉通
交通事故鑑定人が主人公。運転中に崖から転落死した資産家の案件調査を依頼された彼は、これが事故であったと結論づけるが、実はこれには裏があった。原著はロサンゼルスを舞台にしたミステリを集めた短編集 Los Angeles Noir などに収録。
9
自殺事案
Suicide Run
ミステリマガジン 2010年 12月号
早川書房
2007
2010
EAN 4910084391207
古沢嘉通
HB
原著は Suicide Run: Three Harry Bosch Short Stories (2011)に収録。
10
1ドルのジャックポット
One Dollar Jackpot
ポーカーはやめられない ポーカー・ミステリ書下ろし傑作選
ランダムハウス講談社文庫
2007
2010
ISBN 978-4-27010342-5
田口俊樹
HB
原著は Suicide Run: Three Harry Bosch Short Stories (2011)に収録。
11
父の日
Father's Day
ミステリマガジン 2010年 7月号
早川書房
2008
2010
古沢嘉通
HB
ベスト・アメリカン・短編ミステリ
ディーエイチシー
2010
ISBN 978-4-88724508-2
山下麻貴
原著は Angle of Investigation: Three Harry Bosch Short Stories (2011)に収録。
12
ちかみち
Short Cut
ミステリマガジン 2010年 7月号
早川書房
2009
2010
ふるさわよしみち
子供向けの超短編。原著は小学校高学年向けのホラー・アンソロジーHalf-Minute Horrors に収録された。トンネルに入っていく恐怖を描いている。
13
(未訳)
Blue on Black
2010
HB, RW
原著は、釣りを題材にしたミステリ・アンソロジー『Hook, Line & Sinister: Mysteries to Reel You In 』に収録されている。
14
(未訳)
The Perfect Triangle
2010
MH
15
(未訳)
Blood Washes Off
2011
HB
16
(未訳)
'Homicide Special
2011
HB
17
細かな赤い霧
A Fine Mist of Blood
ベスト・アメリカン・短編ミステリ 2014
ディーエイチシー
2012
2015
ISBN 978-4-88724559-4
日向りょう
HB
18
(未訳)
Switchblade
2014
HB
19
(未訳)
Red Eye
2014
HB
原著は人気キャラクターを有するミステリ作家2名を組み合わせて共作させた作品を収録したアンソロジー『FaceOff』に収録されている。デニス・ルヘイン との共著であり、彼のキャラクターである探偵パトリック・ケンジーも登場する。
20
(未訳)
The Crooked Man
2014
HB
21
(未訳)
Burnt Matches
2016
MH
22
夜鷹 ナイトホークス
Nighthawks
短編画廊 絵から生まれた17の物語
ハーパーコリンズ・ ジャパン
2016
2019
ISBN 978-4-59655209-9
古沢嘉通
HB
23
第三のパネル
The Third Panel
短編画廊 アートから生まれた17の物語
ハーパーコリンズ・ ジャパン
2017
2021
ISBN 978-4596552150
古沢嘉通
24
(未訳)
The Guardian
2020
HB
25
(未訳)
Avalon
2021
評論・エッセイ
#
邦題
原題
収録書
出版社
出版年
出版年
ISBN, EAN
訳者
備考
1
マイクル・コナリーのチャンドラー論
ミステリマガジン1999年3月号
早川書房
1999
門倉洸太郎
2
'犬の捕獲人'としての存在
ミステリマガジン2003年2月号
早川書房
2003
古沢嘉通
3
人物造形
ミステリマガジン2008年11月号
早川書房
2002
2008
EAN 4910084391184
古沢嘉通
原著はアメリカ探偵作家クラブ 編の『Writing Mysteries: A Handbook by the Mystery Writers of America 』(ISBN 978-1582971452 )に書き下ろされたもので、小説における登場人物の造形の重要性や、人物の人となりを徒に説明を多くすることなく心の葛藤や印象的な描写で浮き彫りにすることなどについて、ハリー・ボッシュ・シリーズの例を引き合いに解説している。
4
ヒエロニムス・ボッシュ
ミステリマガジン2010年7月号
早川書房
2010
三角和代
受賞歴
『ナイトホークス』 The Black Echo (デビュー作)
『ラスト・コヨーテ』The Last Coyote
『ザ・ポエット』 The Poet
『トランク・ミュージック』Trunk Music
『わが心臓の痛み』 Blood Work
『エンジェルズ・フライト』(『堕天使は地獄へ飛ぶ』) Angel's flight
2001年度ドイツ・ミステリ大賞翻訳作品部門受賞(第2位)
『シティ・オブ・ボーンズ』 City of Bones
『リンカーン弁護士 』 The Lincoln Lawyer
なお、『暗く聖なる夜』(原題:Lost Light )では、デビュー(新人賞 受賞)後10年の節目にあって、2004年度エドガー賞 長編賞 の受賞を本命視されていたが、作者自身が主催のMWAの会長職の立場にあったことを理由にノミネートを辞退している[7] 。ちなみに本賞受賞に関しては、上記2004年度(受賞:イアン・ランキン 『甦る男』、他の対立候補に桐野夏生 『OUT』)の他、1999年『わが心臓の痛み』(受賞:ロバート・クラーク 『記憶なき殺人』)、2003年『シティ・オブ・ボーンズ』(受賞:S・J・ローザン 『冬そして夜』)、2006年『リンカーン弁護士』(受賞:ジェス・ウォルター 『市民ヴィンス』)が受賞候補としてノミネートされた(「エドガー賞 長編賞 」参照)。
2023年にはアメリカ探偵作家クラブの巨匠賞(Grand Masters) に選出された[8] 。
映画化
『ブラッド・ワーク 』Blood Work (2002年・ワーナー・ブラザース 配給)製作・監督・主演:クリント・イーストウッド
前述の『わが心臓の痛み』を原作とし、元FBI心理分析官テリー・マッケイレブが主人公。
後に出版されたハリー・ボッシュ・シリーズ 『天使と罪の街』の中では、(この小説の中では実在の人物である)テリーを主人公とした映画がクリント・イーストウッド主演で製作されたことが言及されており、「イーストウッドはテリーより二十歳は年上だったのだが。映画はひいき目に言っても、ささやかな成功しかおさめられなかったが、そのおかげで、全米の新聞に死亡記事が載るくらいの知名度がテリーにはそなわっていた。」と書かれている[9] 。
『リンカーン弁護士 』The Lincoln Lawyer (2011年・ライオンズゲート 配給)監督:ブラッド・ファーマン 、主演:マシュー・マコノヒー
その他、“The Black Echo”、“The Black Ice”、“The Poet”、“Void Moon”などの映画化権も売れており、脚色化されてはいる(“Void Moon”についてはコナリー自身の脚色、映画化権はワーナー・ブラザース )が、実際の映画化は未定である。
コナリーがイメージしているボッシュ像は、『ブリット 』に主演した頃のスティーヴ・マックイーン だということである。
ドラマ化
出典
関連項目
外部リンク