ニトロキシル

ニトロキシル
識別情報
CAS登録番号 14332-28-6 チェック
PubChem 945
ChemSpider 920 チェック
UNII GFQ4MMS07W チェック
MeSH Nitroxyl
ChEMBL CHEMBL1200689 チェック
特性
化学式 HNO
モル質量 31.01 g mol−1
log POW 0.74
構造
配位構造 Digonal
分子の形 折れ線形
熱化学
標準モルエントロピー So 220.91 J K−1 mol−1
標準定圧モル比熱, Cpo 33.88 J K−1 mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ニトロキシル(一般名、英語: nitroxyl)または、アザノン(IUPAC名、英語: azanone[2]は、化学式が HNO の化合物である。気相ではよく知られている[3][4]。ニトロキシルは、溶液相で短寿命の中間体として形成される。HNOとNO-は酸塩基の関係(pKa = 11.4) にある。

ニトロキシルはチオールのような求核剤に対して非常に反応性が高く、速やかに二量体化して次亜硝酸(じあしょうさん、hyponitrous acid)に、脱水して亜酸化窒素となる。したがって、硝酸は一般にアンジェリー塩()やピロティ酸()などによって合成される。

ニトロシルには心臓麻痺の治療に使える可能性があり、現在の研究では新しいニトロシルドナーの模索が行われている。研究の一つに[5]酢酸鉛(IV)によるシクロヘキサノンオキシム有機酸化での酢酸-1-ニトロソシクロヘキシルの合成がある。

酢酸ニトロソシクロヘキシル
酢酸ニトロソシクロヘキシル

この化合物は、リン酸塩の緩衝剤による塩基性条件下で、ニトロシル HNO、酢酸シクロヘキサノン加水分解できる。

脚注

  1. ^ Nitroxyl”. PubChem. August 24, 2022閲覧。
  2. ^ Doctorovich, F.; Bikiel, D.; Pellegrino, J.; Suárez, S. A.; Larsen, A.; Martí, M. A. (2011). “Nitroxyl (azanone) trapping by metalloporphyrins”. Coordination Chemistry Reviews 255 (23–24): 2764–2784. doi:10.1016/j.ccr.2011.04.012. hdl:11336/68714. 
  3. ^ グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン英語版. ISBN 978-0-08-037941-8
  4. ^ Wiberg, Egon; Holleman, Arnold Frederick (2001). Inorganic Chemistry. Elsevier. ISBN 978-0-12-352651-9 
  5. ^ Hydrolysis of Acyloxy Nitroso Compounds Yields Nitroxyl (HNO) Xin Sha, T. Scott Isbell, Rakesh P. Patel, Cynthia S. Day, and S. Bruce King J. Am. Chem. Soc.; 2006; 128(30) pp 9687 - 9692; (Article) doi: 10.1021/ja062365a

関連項目

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