アンカラ・エセンボーア国際空港 内に設置されている、トルコ共和国政府奨学金受給者向け窓口
トルコ共和国政府奨学金 [ 1] (トルコ語 : Türkiye Bursları ) は、トルコ政府 (英語版 ) が拠出している国際奨学金 プログラムである[ 2] [ 3] [ 4] 。トゥルグト・オザル が大統領であった1992年に設立され、2012年に現在の名称になった[ 5] 。毎年5,000人に支給されるトルコ 最大規模の奨学金であり、2021年には178か国から165,500人の応募があった[ 6] 。2017年の時点で、トルコ国内の公立・私立大学 105校へ留学生 を受け入れている[ 7] 。
奨学金を受給しトルコ国内で教育を受けた学生は、卒業後1年以内に母国へ帰国しなければならない。ただしトルコが必要とする有資格職の範囲内で労働許可証を付与され、国内での就労が認められた場合は、この規定の対象外とされる[ 8] 。
支給対象
学位
奨学金の支給対象となるのは、短期大学士 、学士 、修士 、Ph.D. レベルの高等教育 (第3期教育 )を受ける留学生である[ 2] [ 9] 。他国との相互理解や、人と人との交流を深めることを設立理念として掲げている[ 10] 。
地域
学部レベルの奨学金は、支給対象者が特定の地域出身の者に限られている。主に開発途上国 やかつてのオスマン帝国領 のように歴史的にトルコとの関係が深い地域が対象とされており、対する西ヨーロッパ 、アングロアメリカ 、オーストラリア などの先進国の大半の出身者は、この種類の奨学金を受給する手段が用意されていない。対象国はアフリカ諸国 カテゴリ、ボスポラス カテゴリ(ラテンアメリカ と一部の非トルコ系アジア諸国)、バルカン カテゴリ(旧ユーゴスラビア 諸国、ブルガリア 、ルーマニア 、アルバニア 、ギリシャ )、ハッラーン カテゴリ(中東 諸国、バングラデシュ 、アフガニスタン 、タジキスタン )、黒海 カテゴリ(黒海沿岸諸国、ドイツを除く旧東側諸国 )、トルコ語圏諸国(トルコ系国家)、アナトリア カテゴリ(北キプロス 、すでにトルコ国内の学校を卒業している外国人)といったカテゴリに分類されている[ 11] 。
一部の開発途上国 では、限られた割当枠のために厳しい国内選抜試験を行っているところもある。例えば2020年のナイジェリア では、12人の枠に対して1000人を超える学生が応募した[ 12] 。2012年から2021年までの9年間で、16,720人のナイジェリア人がトルコ共和国奨学金に応募し、そのうち337人が奨学金を受給するに至った[ 13] 。
十分なトルコ語 能力を持たない受給者は、留学先で学位取得のために取る語学講座単位の有無と関係なく、1年間のトルコ語講座に出席することが必須とされている[ 14] [ 15] 。
奨学金の申請書類は、トルコ語 、アラビア語 、英語 、フランス語 、ロシア語 、ボスニア語 、ペルシア語 、スペイン語 のいずれかで書くことが認められている[ 16] 。2017年、トルコは世界各地で約100の国際同窓会設立を2年のうちに設立するため支援を行うと発表した[ 17] 。2013年から2022年の間に、53か国で94 回の同窓会が開催されており、また30か国に設立された34の同窓会が在外トルコ人および関連コミュニティ庁 (トルコ語版 ) の支援を受けて活動を継続しているとされている[ 5] 。
脚注
関連項目
外部リンク