2人のオーガの両親は、7歳の息子であるシュレックを家から出し、生活のために世に送り出す。その容姿のせいで、世間から疎まれ、死ぬ間際に見るのは暴徒たちの怒りだと忠告される。数年後、袂を分かった成長したシュレックは、沼地で1人満足に暮らしていた(「Big, Bright, Beautiful World」)。しかし、彼の土地におとぎ話の住人たちの難民キャラバンが現れ、彼の孤独は崩壊してしまう。彼らは、邪悪なファークワード卿の命令でデュロックから追放され、変人であることを理由に流刑に処され、もし戻ってきたら死の罰があると説明する(「Story of my Life」)。迷いながらも、シュレックはピノキオたちに励まされながら、ファークワード卿に会いに行き、沼を取り戻そうと決心する(「The Goodbye Song」)。
その道中、シュレックはおしゃべりなドンキーをファークワード卿の護衛から助ける。シュレックを助けたお礼に、ドンキーはシュレックにデュロックへの道を教えるために同行すると言い出し、シュレックは渋々それに同意する(「Don't Let Me Go」)。
一方、デュロックでは、ファークワード卿がジンジャーブレッドマンを拷問して、まだ自分の王国に隠れている他のおとぎ話の住人たちの居場所を吐かせて、彼らも逮捕させようとしている。ジンジャーブレッドマンが知っていることを明かそうとしたその時、衛兵隊長がやってきて、「魔法の鏡」を見つけたと報告する。ファークワード卿は鏡に、デュロックが最も完璧な王国なのかと尋ねた。鏡は、自分はまだ本当の王ではないが、姫と結婚すれば王になれると告げた。今回の「This Is Your Wife」(「The Dating Game」のパロディ)では、ファークワード卿が選ぶ3人の姫、シンデレラ、白雪姫、フィオナを鏡が紹介し、子分のセロニアスの提案で、ファークワード卿はフィオナを選ぶが、彼女は現在溶岩に囲まれ火を吐く恐ろしいドラゴンに守られた城に閉じ込められている。これを任務として引き受けたファークワード卿は、彼女と結婚して王になることを決意し、どの騎士が、鏡が彼女の夜の様子を伝える前にフィオナを取り戻す旅に出るにふさわしいか、くじ引きの計画を立てるために奔走する。そして、「鏡」は観客にフィオナの幼少期の物語を見せる。
シュレックとドンキーはデュロックに到着し、ファークワード卿は陽気なクッキーカットのデュロック・ダンサーズを従えて、自分の王国への愛を表現する(「What's Up Duloc?」)。2人はファークワード卿に近づき、シュレックの大きさと外見に感心される。ファークワード卿は、シュレックにフィオナを救出するよう要求し、その見返りとして、シュレックに自分の沼地の証書を与える。
シュレックはドンキーに腹を立てながら、フィオナを探す旅に出る(「Travel Song」)。シュレックは古びた橋を渡り、城に到着すると、フィオナを助けるために1人で出発する。一方、ドンキーはドラゴンに出会い、最初は自分を食べようとしていたが、ドンキーが彼女を魅了することに成功すると、彼を自分のものにして助けることにする(「Donkey Pot Pie」/「Forever」)。シュレックはフィオナを見つけると、彼女が望むロマンチックな救出シーンを演じようとしない彼に腹を立て、力づくで彼女を引きずり出す(「This is How a Dream Comes True」)。ドンキーと再会した2人は、怒ったドラゴンと骸骨の手下に追われながら、3人で脱出を試みる。シュレックがドラゴンを捕らえ、2人は安全な地点にたどり着く。
翌日、フィオナは早起きして青い鳥と歌い、鹿と踊る(鳥は爆発させ、鹿は崖から投げ落とす)。そしてハーメルンの笛吹き男のネズミ退治を手伝う(「Morning Person」)。シュレックは、花婿になる男について微妙なヒントを与えようとしたり(「ファークワード卿のような男は不足している」、「彼は世間話がとても上手だ」など)、彼女の悲惨な子供時代を嘲笑したりして、彼女の気分を悪くさせる。2人は、相手の裏話に負けないようにと勝負を始めるが、結局はそれぞれの過去が明らかになってしまう(「I Think I Got You Beat」)。親に捨てられたという共通点と、醜い体の音が好きという共通点から、友情が芽生える。
デュロックに戻ったファークワード卿は、浴槽で結婚式の準備をしていたが、「魔法の鏡」がファークワード卿に父親を招待するよう主張し、ファークワード卿が拒否して、子供の頃に父親に森に捨てられたことを説明し、自らの汚れた遺産を明かす(「The Ballad of Farquaad」)。
シュレックとフィオナの仲が深まり、恋が芽生えた頃、ドンキーはスリー・ブラインド・マイスの助けを借りて、シュレックが勇気を出してフィオナと恋仲になることを主張する(「Make a Move」)。シュレックは、ようやく苛立ちや保護の殻を破り始めたフィオナに、自分の気持ちを説明する言葉を探そうとする(「When Words Fail」)。
翌日、人間の姿に戻ったフィオナは、シュレックに呪いのことを話すことにする(「Morning Person (Reprise)」)。しかし、シュレックの「醜い獣」が耳に入り、フィオナの誤解を招いてしまう。そして、ファークワード卿はフィオナを迎えるために到着し、彼はおとぎ話の生き物の沼を明け渡し、今再びシュレックに属していることを伝える。フィオナはファークワード卿にあまり良い印象を抱いていなかったが、彼との結婚に同意し、日没前に結婚式を挙げることを強く勧める。ファークワード卿とフィオナが馬でデュロックに戻ると、ドンキーはシュレックに誤解を説明しようとするが(シュレックは怒って動揺して聞いてくれない)、シュレックも拒絶し、自分は1人で沼地に戻り、壁を築いて世界から身を隠すと宣言する(「Build a Wall」)。
シュレックは再び自分だけの沼に戻ったが、フィオナに会えなくて寂しい思いを抱いている。そこにドンキーが現れ、沼の半分を石の玉で封鎖しようとするが、シュレックはこれをはねつける。一方、ドンキーはシュレックのフィオナを追い出してしまうほどの引っ込み思案で頑固な性格を怒る。怒ったシュレックは、前の晩に彼女が恐ろしい生き物について話しているのを聞いたと明かすと、ドンキーは自分のことではなく、「他の誰か」のことを話していたと反論する。混乱したシュレックが誰なのか尋ねると、約束を守りたいドンキーは、それでもシュレックに逆らい、話すことを拒否する。シュレックが謝って友好関係を広げると、ドンキーは彼を許す。その後、2人はデュロックに戻り、ファークワード卿がフィオナにキスする前にシュレックがこの結婚に反対し、フィオナはシュレックと話をさせるように説得する。シュレックはついにフィオナへの想いを伝える言葉を見つけ、愛の告白をする(「Big Bright Beautiful World (Reprise)」)。しかし、彼の愛の宣言はファークワード卿に嘲笑される。愛と呪いを解きたいという思いの間で、フィオナはこの出来事から逃れようとする。その時、おとぎ話の住人たちが結婚式に乱入し、追放に抗議する。また、七人の小人の一人であるグランピーも同行しており、彼はファークワード卿の父親であり、28歳の時に地下室から出ようとしないファークワード卿を追い出し、ファークワード卿が同様に変人であることを明らかにする。その最中、太陽が沈み、フィオナは皆の前でオーガと化してしまう。ファークワード卿は、その変化に激怒し、嫌悪感を抱き、シュレックをおとぎ話の住人たちと一緒に引き連れて四つ裂きにし、フィオナを彼女の塔に追放するよう命令する。ファークワード卿が新しい王を宣言すると、シュレックはドラゴンに口笛を吹く。そして、ドラゴンはドンキーと一緒に窓を突き破り、ファークワード卿を炎の息で焼き払った。
ファークワード卿が死に、シュレックとフィオナは互いへの愛を認め、真の愛のキスをする。フィオナの呪いが解け、本来の姿である「オーガ」になる。最初は自分の容姿を恥じていたが、シュレックは「それでも美しい」と宣言する。2人のオーガは、ドンキー、ドラゴン、おとぎ話の住人たちとともに、ファークワード卿の支配からの解放を祝い、新しい生活を始める(「This Is Our Story」)。最後は、シュレックとフィオナが(ドンキーとドラゴンの協力で)結婚式の後のパーティーを開催するのである(「I'm A Believer」)。
プレビューの際、「I Could Get Used to This」は「Don't Let Me Go」に、「Let Her In」は「Make a Move」に差し替えられた。また、予告編では、フィオナの「醜い獣と一緒にいる」という誤解を招く発言をシュレックが耳にした後、「Who I'd Be」が短く再演され、「Build a Wall」へと繋がった。これはカットされ、「Build a Wall」は「Morning Person (Reprise)」の後に差し替えられた。その後、「Build a Wall」はトライアウト公演でカットされたが、本番終了間際に再登場した。
ブロードウェイのオリジナル・キャスト・レコーディングは2009年1月12日に録音され、2009年3月24日にデッカ・ブロードウェイ・レコーズから発売された。このアルバムは、ビルボードのトップ・キャスト・アルバム・チャートで1位、ビルボード200で88位を獲得した[28][29]。「I'm a Believer」は2009年10月2日に追加されたばかりなので、初回収録では紹介されていない。その後、2009年11月17日に発売された「Highlighted Cast Recording」に収録された。2009年12月4日、グラミー賞の候補が発表され、キャスト録音はベスト・ミュージカル・ショー・アルバムにノミネートされた[30]。
「Donkey Pot Pie」(ブロードウェイのオリジナル・キャスト・レコーディングに収録)は、今後のプロダクションからカットされ、「Forever」に置き換わった。この曲は2011年にiTunesで配信が開始された。全米ツアーのシカゴ公演のライブで収録されたもので、キャリー・コンパー(ドラゴン役)とアラン・ミンゴ・ジュニア(ドンキー役)が出演している。
ロンドンのオリジナル・キャストはプロモーション用に「I'm a Believer」のシングルを録音している。
2011年8月から9月にかけて、マドリードのキャストによるスペイン語のオリジナル・キャスト・レコーディングが行われ、9月にリリースされた。スペイン盤には、後に追加された「Forever」「I'm a Believer」、ブロードウェイ録音とは異なるオーケストレーション、全国ツアー用に作られたアレンジメントが収録されている。
ホームメディア
2009年10月、ジェフリー・カッツェンバーグは、ブロードウェイ公演がDVD化される可能性があるとして、その収録を発表した。しかし、全国ツアーやウエストエンド公演がかなり長引いたため、この構想は保留になった[31]。2013年7月19日、全国ツアーとウエストエンド公演の閉幕に伴い、Amazon.comは、2013年9月17日に映像化された公演をインスタントビューイングで提供することを確認した。また、2013年10月15日より「Kindle Fire HD、Xbox 360、PlayStation 3、RokuなどのHD対応機器で再生できるようにHDで提供されるようになった。また、2014年1月にはNetflix Streamingにてホームビデオ版の配信が開始された。また、同日にDVD、Blu-ray、デジタルダウンロードも発売された。この公演は、いくつかのライブパフォーマンスと、観客を入れずに撮影したパフォーマンスを編集したものである。オリジナルの主要キャストはもちろん、ブロードウェイで活躍した過去の出演者も登場した。また、替え歌の「Forever」ではなく、「Donkey Pot Pie」を残しているのも特徴である。