シベ語[4](シベご、シベ語:ᠰᡞᠪᡝ
ᡤᡞᠰᡠᠨ、転写:Sibe gisun)は、中国少数民族であるシベ族(シボ族とも[5])が話す言語。言語学的には、ツングース語族に分類される。
アルタイ語族があるとすればツングース語派に分類されることになる。同時に室韋語・鮮卑語などがツングース化したとも伝わる。
言語名別称
- 日本語:シベ語/シボ語
- 中国語:(簡体字)锡伯语/(繁体字)錫伯語
- 英語:Xibe language
シベ文字
シベ語では、満洲文字を改良したシベ文字を使用している[6]。
活字が使われることはほとんどなく、本などは手書きで書かれている[要出典]。
音韻体系
シベ語は8つの母音を有し、満洲語とおおよそ互いに意思疎通ができる。その母音体系は非常に複雑である。
形態
シベ語には7つの格語尾がある。
格
|
接尾辞
|
例
|
文語
|
グロス
|
主格
|
-ø
|
ɢazn-ø
|
|
village
|
属格
|
-i
|
ɢazn-i
|
ᡤᠠᡧᠠᠨ ᡳ (gašan -i)
|
of the village
|
与格
|
-də/-t
|
ɢazn-t
|
ᡤᠠᡧᠠᠨ ᡩᡝ (gašan de)
|
to the village
|
対格
|
-f/-və
|
ɢazn-və
|
ᡤᠠᡧᠠᠨ ᠪᡝ (gašan be)
|
the village (object)
|
奪格
|
-dəri
|
ɢazn-dəri
|
ᡤᠠᡧᠠᠨ ᡩᡝᡵᡳ (gašan deri)
|
from the village
|
与格
|
-ći
|
ɢazn-ći
|
ᡤᠠᡧᠠᠨ ᠴᡳ (gašan ci)
|
towards the village
|
具格
|
-maq
|
ɢazn-maq
|
|
with the village
|
語彙
シベ語は、満洲語と同じく基礎語彙と構造の面で中国語から多くの影響を受けていない。しかしシベ語は中国語から政治や経済を主とした多くの専門用語を吸収している。例として「ᠵᡠᠩᡬᠣjungg'o(中国)」、「ᠵᡳᠩᠵᡳjingji(経済)」、「gəming(革命)」、「ᠵᡠᠰᡳjusi(主席)」、「chūna(出納)」、「daikuan(貸款、貸付金)」等が挙げられる。
書き言葉で外来語が使用されることは、口語よりも少ない。しかし口語では、満洲語のᠨᡳᠶᠠᠯᠮᠠ(niyalma)に対するシベ語の「nan(男)」のように、満洲語の口語の発音とかけ離れた例もある。
そしてロシアからの影響もあり、「konsul(консул,執政官)」、「mashina(машина,ミシン)」のような単語も見られる。さらに他のチュルク諸語からの借用語として、ウイグル語からの「namas(イスラムで宴会の名)」、カザフ語からの「baige(競馬)」といったように文化面での用語もある。
脚注
関連項目
外部サイト