エクスフィニティ・シリーズ (Xfinity Series ) は、NASCAR が主催するストックカー レースのカテゴリー。モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ の下位カテゴリー。カップシリーズにステップアップを目指すドライバーたちが競い合う。エクスフィニティ・シリーズはモンスターエナジー・カップシリーズと同じ開催地でその前日などに開催されたり独立開催もあり、ファンたちは両方のイベントを楽しむことができることが多い。またカップ戦ドライバーの参戦も多く、同じ週末に両レースを制覇してしまう猛者もいる。
そのためアメリカンモータースポーツにおける人気はNASCARカップ戦に次いで高く、視聴者数はインディカー やNHRA を遥かに凌ぐ[1] 。
旧名称はバドワイザー・レイトモデル・スポーツマン・シリーズ (Budweiser Late Model Sportsman Series :1982~1983年)、ブッシュ・グランドナショナル・シリーズ またはブッシュ・シリーズ (Busch Grand National Series :1984~2003年) 、ネイションワイド・シリーズ (Nationwide Series :2004~2014年)。
歴史
ペースカ-に先導されるレースカー、テキサス、2007年4月
シリーズは1950年代にNASCARのショートトラック・ディビジョン (英語版 ) から形成されたスポーツマン・ディビジョンが元である。それは1948年に創設されたモディファイド・シリーズ (英語版 ) 、ロードスター・シリーズ 、1949年に創設されたストリクトリー・ストック・シリーズ (英語版 ) に次ぐ4番目のシリーズである。スポーツマン・ディビジョンで使用される車両は現行モデル車ではなく、より改造が行われたものであった。(モディファイド・シリーズで使用される車両程は改造されてはいない。)[2] 1968年にはレイトモデル・スポーツマン・シリーズと改称され、間もなくデイトナ・インターナショナル・スピードウェイ のようなより大きなサーキットで競われるようになった。ドライバーはより大きなサーキットで旧式なグランドナショナル(現在のスプリントカップ・シリーズ)用車両を使用したが、1982年のNASCAR・バドワイザー・レイトモデル・スポーツマン・シリーズからは旧式の小型車を使用するようになった。ショートトラック用車両は300立方インチの比較的小さなV型8気筒 エンジンを搭載した。ドライバーたちはV型6気筒 エンジンを搭載した現行モデル車を使用した。
現在のネイションワイド・シリーズは1982年に形成された。アンハイザー・ブッシュ 社が新たに変更されたレイトモデル・スポーツマン・シリーズを、バドワイザー ・ブランドでスポンサードした。シリーズは1984年にブッシュ・ブランドが冠されるようになり、1986年にはブッシュ・グランドナショナル・シリーズと改称された。
「グランドナショナル」の語は2003年にNASCARブランドのアイデンティティ確立の一環として取り外された。現在「グランドナショナル」は地方シリーズであるブッシュ・イースト・シリーズ(現・NASCAR K&N プロシリーズ・イースト (英語版 ) )およびウィンストン・ウェスト・シリーズ(現・NASCAR K&N プロシリーズ・ウェスト (英語版 ) )に使用される。2007年シリーズの後、アンハイザー・ブッシュはスポンサーを更新しないと発表した。2008年シーズンはネイションワイド・インシュアランス (英語版 ) 社がタイトルスポンサーとなり、シリーズはネイションワイド・シリーズと改称された[3] 。
ネイションワイドによるスポンサーシップは7年間の契約であり、その期間はABC/ESPN とNASCARとの放送契約と一致している。スポンサーシップは2008年度、1,000万ドルで契約され、その後は年6%ずつ増加することとなっている[4] 。直接のスポンサー料に加え、ネイションワイドはESPNでの広告料として400万ドルから500万ドルの追加契約を行った。
2014年9月にはNBC とNBCSN の親会社コムキャスト のケーブルテレビ 事業部門である「エクスフィニティ」がスポンサー契約を結んだ[5] 。
アメリカ国外の、カナダやメキシコでもロードレースを行うことがある。
使用車両
スプリントカップ車両との差異
カー・オブ・トゥモロー 車両の導入に従い、ネイションワイド・シリーズの車両はスプリントカップ・シリーズ車両と大きく異なるようになった。主な違いとして、ホイールベース の短縮化(110インチから105インチ)、100ポンドの軽量化、ウィングの代わりにスポイラーを装着、非力なエンジンが挙げられる。以前にはスプリントカップのV8エンジンに代わってV6エンジン を使用するのと同様に、スプリントカップでは使用されない車両を使用することができた。
80年代前半、ゼネラルモーターズ の参加チームは311立方インチ(5.096リットル)のエンジンを積む 1971-77年式GM・X-ボディ (英語版 ) のコンパクトカー からその使用車両を切り替えていき、後には1982-87年式GM・G-ボディ (英語版 ) を使用するようになった。フォード・モーター 使用チームは一貫してフォード・サンダーバード を使用した。
1989年、NASCARはスプリントカップ・シリーズ車両同様の車体を使用するように規則を変更した。しかしながら搭載エンジンはV6のままであった。車両は徐々にスプリントカップ・シリーズ車両同様に変化していった。
性能諸元
NASCARオフィシャルによりテンプレート (英語版 ) による計測を受ける、2004年式 シボレー・モンテカルロ ・ケイシー・アトウッド (英語版 ) 車。
参戦メーカー・車両の変遷
バドワイザー・レイトモデル・スポーツマン・シリーズ(1982年–1983年)
クライスラー
フォード
ゼネラル・モーターズ
ブッシュ・グランドナショナル・シリーズ(1984年–2003年)
クライスラー
フォード
ゼネラル・モーターズ
ブッシュ・シリーズ(2004年–2007年)
クライスラー
フォード
ゼネラル・モーターズ
トヨタ
ネイションワイド・シリーズ(2008年–2014年)
クライスラー
ダッジ・チャージャー (2008年–2010年)
ダッジ・チャレンジャー(2010年–2014年) ※2012年以降はダッジ の公式サポートが無くなる。
フォード
ゼネラル・モーターズ
トヨタ
エクスフィニティ・シリーズ(2015年–現在)
FCA US(クライスラー)
ダッジ・チャレンジャー(2015年–2016年) ※公式サポート無し
フォード
ゼネラル・モーターズ
トヨタ
歴代チャンピオン
参照
関連項目
外部リンク
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