アーロン・スペリング(Aaron Spelling、1923年4月22日 - 2006年6月23日)は、アメリカ合衆国のプロデューサー、脚本家。テキサス州出身。
人物
テキサス州ダラスにて、ポーランドから移住してきたユダヤ人夫妻の間に生まれる。父デイヴィッドの本来の苗字のつづりはSpurlingだが、アメリカ移住時にスペリング(Spelling)に変更した。
8歳の時、アーロンは同級生にいじめられたトラウマから心身医学的に歩けなくなり、1年間寝たきりだった[1]。
フォレスト・アベニュー高校(英語版)在学時、彼は第二次世界大戦のアメリカ軍に軍務についた。
1949年に卒業するまで南メソジスト大学にてチアリーダーを務めた[2]。
1953年に女優キャロリン・ジョーンズと結婚するも、1964年に離婚した[3]。翌1968年、アーロンはキャンディ・ジーンと再婚し、1973年に娘トリを、1978年にランディをそれぞれもうけた。このうちトリは『ビバリーヒルズ青春白書』にも出演している。
テレビ・映画業界入りと私生活
1954年、スペリングは『ジェーン・ワイマンの炉端劇場(英語版)』の初稿を売った。同年、彼はCBSのシットコム Willy の第1話に野犬捕獲者役で出演した。この番組のメインキャストの一人であるニューハンプシャー州の弁護士役を演じたジューン・ハヴォックは、のちにボードヴィル劇団の上演を行うためニューヨーク市へ移った[4]。
1968年からアーロンはプロデュース業で成功を収め、『モッズ特捜隊』『命がけの青春/ザ・ルーキーズ(英語版)』『チャーリーズ・エンジェル』『ビバリーヒルズ青春白書』『チャームド』など多数のヒット作を世に送りだした[5]。1969年には、アーロン・スペリング・プロダクション(1988年にスペリング・エンターテイメントに改称)を設立した[6]。1972年にはレナード・ゴールドバーグとスペリング/ゴールドバーグ・プロダクションを設立し、2つのプロダクションで番組制作を行った。『ベガス』ではマイケル・マン(企画)、Matt Houstonではローレンス・ゴードン(製作総指揮・企画)、『恋はお手上げ』ではキャノンの総帥メナハム・ゴーラン、ヨーラム・グローバス(製作総指揮)と共に作品を手がけている。
1988年、アーロンは、ビング・クロスビーの邸宅のうち6-エーカー (2.4 ha) 分を購入した[7]。1991年、彼はその邸宅をつぶして123部屋もある家を建てた。ザ・マナー(英語版)として知られるこの邸宅は、床面積56,500平方フィート (5,250 m2) をほこり、一家族が所有する家の中ではロサンゼルス一大きかった[8][9]。
2004年に放送されたテレビ映画 Behind the Camera: The Unauthorized Story of Charlie's Angels では、アーロン役をダン・カステラネタが務め[10]、同年放送された Dynasty: The Making of a Guilty Pleasure では ニコラス・ハモンドがアーロンを演じた[11]。
死
2001年、アーロンは口腔癌と診断された[12]。2006年6月18日に自宅で脳卒中に見舞われ、6月23日には脳卒中の合併症により、83歳で亡くなった[13][14] 死後数日後に密葬が行われ、遺体はHillside Memorial Park Cemeteryにある霊廟に収められた。
同年8月27日、第58回プライムタイム・エミー賞にて、 アーロンは、かつて彼の作品にかかわったジョーン・コリンズ 、 スティーヴン・コリンズ、ヘザー・ロックリア、ファラ・フォーセット、ケイト・ジャクソン、 ジャクリーン・スミスらによって表彰された。
2007年4月4日、5月13日放送のテレビドラマ 7th Heaven の最終回はアーロンに捧ぐ内容になることが明らかにされた[15] 。
2008年、後家となったキャンディはこの邸宅を1500万ドルで売却し[9]、2011年にソーシャライトのペトラ・エクレストンが850万ドルで購入した[16]。
作品
テレビ
映画
- チャーリーズ・エンジェル(2000年)
- モッド・スクワッド
- ソープディッシュ
- キャノンズ
- サティスファクション
- 恋はお手あげ
- タイム・リミットは午後3時
- ミスター・マム
- ジャックポット
- 地獄へ片足(脚本のみ)
- 大爆破(兼脚本)
脚注
- ^ “Movies: Biography forAaron Spelling”. The New York Times. http://movies.nytimes.com/person/112276/Aaron-Spelling/biography
- ^ “Aaron Spelling and SMU - News and Communications - SMU”. Smu.edu. 2013年10月18日閲覧。
- ^ Spelling, Aaron; Graham, Jefferson (1996). A Prime-Time Life: An Autobiography. New York: St. Martin's Press. p. 51. ISBN 0-312-14268-4
- ^ “First Case”. Internet Movie Data Base. March 12, 2011閲覧。
- ^ "Aaron Spelling". New York Times.
- ^ "Aaron Spelling biography". biography.com.
- ^ “Spelling's Widow Fires Back at House Sale Reports”. Hollywood.com. January 25, 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。July 7, 2006閲覧。
- ^ Brown, Len (June 13, 2011). “UK Heiress Purchases Aaron Spelling Mega Mansion”. http://www.etonline.com/news/111552_UK_Heiress_Purchases_Aaron_Spelling_Mansion/index.html
- ^ a b Jose, Katharine (July 5, 2006). “Aaron Spelling's Widow Puts Infamous Mansion On Market For $150 Million...”. Huffington Post. オリジナルのJuly 6, 2006時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20060706210014/http://www.huffingtonpost.com/2006/07/05/aaron-spellings-widow-pu_n_24441.html July 5, 2006閲覧。
- ^ “Behind the Camera: The Unauthorized Story of "Charlie's Angels"”. IMDB.com. March 8, 2004閲覧。
- ^ "Dy¥nasty: The Making of a Guilty Pleasure". Variety. December 28, 2004.
- ^ “Prime time patriarch”. Oralcancerfoundation.org. July 11, 2001閲覧。
- ^ Carter, Bill (June 24, 2006). “Aaron Spelling, Prolific Television Producer, Dies at 83”. The New York Times. オリジナルのJuly 8, 2006時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20060708100027/http://www.nytimes.com/2006/06/24/arts/television/24spelling.html June 24, 2006閲覧。
- ^ "TV innovator Aaron Spelling dies at 83". MSNBC. June 26, 2006.
- ^ “7th Heaven: Will Camdens Reunite for Last Episode?”. TVSeriesFinale.com. April 10, 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。April 5, 2007閲覧。
- ^ Chung, Juliet; Jackson, Candace (June 14, 2011). “L.A. Mansion for U.K. Heiress”. The Wall Street Journal. http://online.wsj.com/article/SB10001424052702303714704576384013798228854.html June 13, 2011閲覧。
外部リンク