ランカスター PA474(Lancaster PA474)は、イギリス空軍が保有するランカスター B Mk.I爆撃機である。バトル・オブ・ブリテン記念飛行小隊(英語版)に爆撃軍団(英語版)の象徴として参加している。
現存するランカスター爆撃機のうち、飛行可能な状態で保存されているのは、イギリス空軍が保有するPA474号機とカナダ軍用機遺産博物館(英語版)(CWH)が保有するMk.10MR FM213号機のみである[1]。
歴史
PA474号機は、第二次世界大戦末期の1945年にチェスターからほど近いヴィッカース・アームストロング社ブロートン工場(英語版)で製造され、タイガー・フォース(英語版)(極東を活動地域とする戦略爆撃隊)に配属された。まもなくして日本が降伏して第二次世界大戦が終結し、PA474号機も任務を解かれた。その後、銃塔を取り外され、アフリカ東部および南部で活動する第82飛行隊(英語版)に写真偵察機として配属された[2]。
第82飛行隊での任務を終えたPA474号機はフライト・リフューリング(英語版)社に貸し出され、無人航空機に改造された[2]。同社が別のリンカーン爆撃機を入手すると、PA474号機は航空大学に譲られ、ハンドレページ社が開発した層流翼の試験に用いられた[2]。この時、試験用の翼は機体後部の上面に垂直に取り付けられていた[2]。
1964年、イギリス空軍博物館での展示を行う為、PA474号機は空軍歴史部(英語版)に管理されることになる[2]。この頃、映画『クロスボー作戦(英語版)』(1965年)および映画『ナヴァロンの要塞』(1961年)に出演している[2]。その後、第44飛行隊(英語版)からの要請を受けてワディントン空軍基地(英語版)に移され、戦時仕様への復元作業が施された[2]。この際に前方および後方の機銃が再び取り付けられている。
1973年、バトル・オブ・ブリテン記念飛行小隊(英語版)に配属される[2]。1975年、アルゼンチンで発見されたランカスター爆撃機の中央銃塔がPA474号機に取り付けられた[2]。1995年冬、機体寿命を延ばす為に翼の主けた(main spar)が新しいものに交換された[2]。2015年5月7日、右外側エンジンから出火するも、コニングスビー空軍基地(英語版)に無事着陸した[3]。
脚注
外部リンク