『くるみ割り人形』(くるみわりにんぎょう、The Nutcracker in 3D, DVD題: The Nutcracker: The Untold Story)は2009年のハンガリー・イギリスの3Dファンタジー映画。
監督はアンドレイ・コンチャロフスキー、出演はエル・ファニングとチャーリー・ロウなど。
チャイコフスキーのバレエ音楽『くるみ割り人形』および、E.T.A.ホフマンのメルヒェン作品『くるみ割り人形とねずみの王様』を原案としている。
ストーリー
1920年ころのウィーンの町のクリスマスイブ。マリーとマックスの姉弟()は家でクリスマスの準備をしていた。いたずらずきのマックスは、クリスマスツリーのかざりの雪の精()のドレスをもやしてしまいマリーにしかられる。マリーは雪の精に銀紙で新しいドレスを作ってあげる。マリーは父母といっしょにすごしたがったが、母ルイーズは王宮()の舞踏会()で歌うようにと招待()されていて、父ジョセフといっしょに出かけてしまう。かわりに父の兄のアルバート伯父()さんが子守にやってくる。外からはあやしいねずみたちがこっそりとマリーの家へ集まって来ていた。
マリーは父母を引きとめられず悲しむ。アルバート伯父はマリーとマックスに大きな人形の家をプレゼントする。家にはチンパンジーの”ゲルガード”、太ったピエロの”ティンカー”、少年ドラマーの”スティックス”の3つの人形が住んでいて、外のハンドルをまわすと明りが点いて、音楽がなり、人形たちが陽気()に動きだす。マリーたちは大よろこびする。
アルバート伯父はもう1つのプレゼント、くるみ割り人形の"NC"をプレゼントする。NCはある町で指名手配()されている重要人物()だというが、マリーは一目でNCを気にいる。マックスは3個のくるみを一ぺんに割ろうとしてNCのあごをこわしてしまう。マリーはマックスにおこるが、アルバート伯父はすぐNCをなおしてマリーを安心させる。
伯父はマックスとマリーに、だれかにとってはくだらないおもちゃでも、ほかのだれかにとっては大切な友だちで、見かたを変えれば相対的()に真実()が変わること、想像()することが大事であること、などを楽しく歌ってきかせる。二人はアルバート伯父の愛情にうれしくなって、きもちよくねむりだす。
マリーがふと目をさますと、NCが急にしゃべり出す。NCにたのまれて戸だなの上にのせると、NCは飛びおり、マリーと同じ大きさになって一人で動けるようになった。NCは応接間の人形の家に向かおうとする。マリーは強引()にそれについて行く。
応接間では、いすやピアノ、テーブル、何もかもが大きくなっていた。天井()や屋根もなくなって、ツリーの上は星空が広がっていた。NCは人形の家のなかまたちに「ねずみの王」への反撃()について説明をはじめる。
キャスト
カッコ内は日本語吹替
製作
構想
監督のアンドレイ・コンチャロフスキーは、20年以上にわたる自分の「夢のプロジェクト」だと語った[3]。コンチャロフスキーは、「原作の幻想的な性質を上手く伝え、CGIのキャラクターの感情を取り込み、家族の観客に訴えるために有用」であるために3Dでの映画化を決めた[4]。また彼はバレエは映画では上手く働かない」という理由からバレエのシーン無しで映画化する道を選んだ[4]。
撮影
2007年5月に第60回カンヌ国際映画祭で告知され、同年夏にハンガリーのブダペストなどで撮影された[5]。
公開
2009年2月5日にヨーロッパ映画マーケットで初上映された。2010年11月24日にカナダのモントリオールとアメリカ合衆国の一部劇場で公開された。2011年1月1日にはエストニアとロシアで公開された。日本では劇場公開されずに2012年11月12日にDVDが発売された[6]。
興行収入
9000万ドルの製作費がかけられたが、全世界での興行収入は1617万8959に終わった[2]。
批評家の反応
Rotten Tomatoesでは29件の批評家レビューで支持率は0%であった[7]。またMetacriticでは18の媒体で18/100となり、さらに同サイトで「2010年最低の限定公開映画」とされた[8][9]。
受賞とノミネート
賞
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部門
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候補
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結果
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Metacritic's Best and Worst Films of 2010
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Worst Limited Release Film of 2010
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『くるみ割り人形』
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受賞
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3Dを誤用した作品賞
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『くるみ割り人形』
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ノミネート
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ヤング・アーティスト賞
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若手女優賞
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エル・ファニング
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ノミネート
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出演
外部リンク