IN A MODEL ROOM (イン・ア・モデル・ルーム)は、P-MODEL の1枚目のスタジオ・アルバム 。1979年 8月25日 、ワーナー・パイオニア より発売された。
概要
P-MODELの初のフルアルバム。また、佐久間正英 の初プロデュース作品である[ 1] 。
当時プラスチックスにて活動していた佐久間は、「屋根裏でプラスチックスのライブをやった時に平沢進君が「プロデュースして欲しい。」と声をかけてくれ、カセットを渡してくれたんですよ。当時、プロデューサーという言葉はありましたが、事務所の社長だったり、レコード会社の人間だったり、そういう人たちのことを指してた時代で、今のように確立されてなかった時代ですね。」と語っており、これが切っ掛けとなり多くのミュージシャンへのプロデューサー業を展開していく事となった[ 2] [ 3] 。
大半の楽曲は前身バンド・MANDRAKE 時代から演奏されており、これが結成から8ヶ月弱というスピードデビューに繋がった。
本作のみ、平沢の実兄である平沢裕一が作詞に参加している。
「異邦人 」[ ※ 1] 、「ホワイト・シューズ」[ ※ 2] も収録予定だったがボツとなった。
1999年に発売されたアルバム『VIRTUAL LIVE-1 』でフルリメイクされたが、「ソフィスティケイテッド」のみ収録されなかった。
ジョージ・オーウェル の小説『1984年 』がアルバムのコンセプトの下敷きにある[ 4] 。
楽曲解説
美術館で会った人だろ
1stシングル表題曲。 歌詞に「美術館に 火をつけるよ 」というフレーズがある為、平沢は「消防士の父を持つにもかかわらず放火予告でレコード会社と契約した」と後年ネタにしている。[ 5]
ヘルス・エンジェル
1984年 に久々に演奏する[ ※ 3] 際、平沢はギターのフレーズをすっかり忘れており、当時のメンバーであった三浦俊一に逆に教わったという。平沢進が自分以外が作曲して歌って楽しかった曲に挙げている[ 6] 。
KAMEARI POP
本アルバム発売後の1979年 12月25日 、2ndシングルとしてリカット。1987年 には平沢・KERA 率いる「此岸のパラダイス亀有永遠のワンパターンバンド」が、『KAMEARI POP 此岸のパラダイス編』としてカバーしている。 解凍期~改訂期にもリアレンジして演奏されている。ニューウェーブバンドDEVO がタイヤの街(オハイオ州アクロン )出身だという主張に影響された。
偉大なる頭脳
MANDRAKEの楽曲「錯乱の扉」のイントロ部分を再アレンジし歌詞をつけたもの。2007年 にPOLYSICS がカバーしている。(8thアルバム『KARATE HOUSE 』収録)
2023年 の平沢ソロライブ『HYBRID PHONON 2566』では、歌詞を新たに描き下ろしてリアレンジの上演奏された。
ホワイトシガレット
初期のライブでは歌詞中の「コロンブス」を「アメリカ」に変えて歌うこともあった。
MOMO色トリック
歌詞中の「ユージさん」は今野雄二 のこと。初期のライブではフルネームで歌うこともあった。また「アホのリノ」は女優のかたせ梨乃 のことである。 当時P-MODELと今野の間に確執があり[ ※ 4] 、それを受けて制作された楽曲。
アート・ブラインド
2010年に平沢ソロアルバム『突弦変異 』でリメイクされた。 『突弦変異』の収録曲は各フルアルバムから1曲ずつ[ ※ 5] ファン投票より決められたが、平沢はアレンジの方向性などを考えた結果、投票結果を無視してこの曲を選択した[ 7] 。
収録曲
# タイトル 作詞 作曲 時間 1. 「美術館で会った人だろ (Art Mania)」 平沢進 平沢進 3:09 2. 「ヘルス・エンジェル (Health Angel)」 田中靖美 田中靖美 2:32 3. 「ルームランナー (Roomrunner)」 田中靖美 田中靖美 2:32 4. 「ソフィスティケイテッド (Sophisticated)」 平沢進 平沢進 4:26 5. 「子供たちどうも (For Kids)」 平沢裕一 平沢進 3:31 6. 「KAMEARI POP 」 平沢進 平沢進 3:56 7. 「サンシャイン・シティー (Sunshine City)」 平沢裕一 田中靖美 2:03 8. 「偉大なる頭脳 (The Great Brain)」 平沢進 安部文泰(ノンクレジット)、平沢進 4:13 9. 「ホワイト・シガレット (White Cigarettes)」 平沢進 平沢進 3:15 10. 「MOMO色トリック (Pinky Trick)」 平沢進 平沢進 3:18 11. 「アート・ブラインド (Art Blind)」 平沢進 平沢進 2:39 合計時間:
33:28
リリース履歴
参加ミュージシャン
脚注・出典
脚注
^ 『改訂復刻DIGITAL版音楽産業廃棄物』によると、ヘヴィなナンバーであるため、「ピンク盤から出る音ではない」と感じたという。
^ 1989年に発売された映像作品『PHOTON-1』のエンディング曲に使用。ボックスセット『太陽系亞種音 』にも収録されている。
^ 1981年 のP-MODELの方針転換後、『IN A MODEL ROOM』『LANDSALE 』の楽曲は封印状態となっていた。
^ 今野が、自身が司会を務めていたテレビ番組「水曜イレブン 」の中でP-MODELを酷評したことがきっかけとされている。また、かたせは同番組でアシスタントを務めていた。
^ 『Potpourri 』『SCUBA 』『舟 』からは選曲されなかった。
出典
外部リンク
現メンバー
平沢進 (Vocal,Guitar,Synthesizer)
元メンバー
ベース キーボード ドラムス
田井中貞利 - 荒木康弘 - 藤井ヤスチカ - 上領亘 - TAINACO
P-MODEL
シングル
美術館で会った人だろ
KAMEARI POP
ミサイル
ジャングルベッドⅡ
Rocket Shoot
ASHURA CLOCK
LAYER-GREEN
オリジナル アルバム その他 アルバム 映像作品
三界の人体地図
BITMAP 1979-1992
ENDING ERROR
音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE
核P-MODEL
シングル
Anti-Vistoron[Mecano Version]
Big Brother-可逆的分離態様
オリジナル アルバム その他 アルバム 映像作品
LIVE VISTORON
LIVE Parallel Kozak
HYBRID PHONON
関連項目