INO hidefumi (猪野 秀史 いの ひでふみ)は、日本 の音楽家 [ 1] 、キーボーディスト 、シンガーソングライター 。宮崎県 延岡市 生まれ[ 2] 。
略歴
生い立ち
1970年宮崎県 延岡市 に2人兄弟の次男として生まれる。5歳まで山深い辺境の地で過ごす。スーパー も無くお風呂は五右衛門風呂 だった。 父親の仕事の関係で引っ越しが多く転校することもあり少年時代は一人で毎日音楽を聴いて過ごしていた。初めて親に買ってもらったレコード はYMO 『ライディーン 』のシングル 。初めて自分で買ったレコードは 『太陽にほえろ! 』のサウンドトラック [ 3] 。母親の勧めでピアノ を習い始め5歳から高校3年まで複数のピアノ教室に通っていた。音大 受験のため声楽も学ぶ。中学では吹奏楽 部でチューバ を担当[ 4] 。部長に推す声が多い中、同級生にその重荷を押し付け本人は副部長となる。高校の時に友人に誘われて参加したヤマハ 「TEENS' MUSIC FESTIVAL 」にてベストキーボーディスト賞を受賞。高校卒業後、上京してミュージシャンになることを希望したが親の猛反対により断念。
福岡時代
いくつかの音大を受験したが家庭の方針で国公立しか進学を許されず、福岡の予備校 へ入学し2浪する。2年間はバンド 活動、映画、レコード漬けの日々を送り大学へは進学していない。友人からの誘いでThe Lublitesというバンドを結成し1960年代 ロック などのカバー を中心にオルガン とボーカル を担当していた。地元での活動が話題になる中、大阪 や東京 にもライブで呼ばれるようになり芝浦 インクスティック などの会場で、あいさとう率いるモッズ バンドThe Hairと対バン を行ったりしていた。バンドでの上京を希望するがメンバーからの賛同を得られず断念。そのままバンドは自然消滅。バンド活動の終焉がきっかけとなり、一人で音楽制作を本格的に始めるようになった。
1996年A.P.C. に就職。ブランド内に音楽レーベル を持っていてレコードを制作したり音楽に力を入れているからと友人に強く勧められ、本人はA.P.C.を知らないまま面接へ行ったところ、アパレル未経験にもかかわらずいきなり店長として採用される。当時福岡店に訪れたデザイナーJean Touitou に気に入られ、現在も親交は続いている。ミュージシャンになる夢を捨てきれず2000年に退社し上京。当時30歳だった。
上京後
無職で上京しすぐにアルバイト を探すが、ベビーブーム 世代の30歳男性を迎え入れるバイト先はほぼ無かった。東京での極貧生活の中、デモ音源を制作し複数のレコード会社 へ持ち込むが全て断られ自分でレーベルを興すことを決意。嫌いな言葉は「無理」と発言しているだけあってタフである。
「興行性よりも自分のつくりたいものをつくるインディペンデントなミュージシャンとして、自分が本当に納得できるものづくりがしたい」[ 5] 。という想いから、九州 から後に上京しマネージャーとなる妻と二人で借金をし、2002年に音楽レーベル事務所兼カフェ “テネメント“を恵比寿 に開業。およそ3年間で借金を返済、会社を設立し“innocent record“を立ち上げた。
テネメント開店当初、たまたま店の前を通りかかりその後常連となる音楽家小西康陽 による駄洒落からレーベル名“innocent record“が命名される。自身のアルバム制作から著作権 の管理、映像やレコードジャケット のアートワーク、ライヴ制作など全ての業務を独学で学び、妻と二人で運営している。当時このスタイルは類を見ずDIY インディーズ・レーベルの先駆けとなる。
フェンダー ・ローズ・ピアノ を偏愛するあまり、ローズ・ピアノをメインにしたインスト を数多く作っており、2005年に念願の初7inchシングルをリリース。「期待の超大型新人(身長)」というキャッチコピー でデビュー。そのとおり長身である。
デビュー後
全財産をつぎ込み、初リリースしたレコードが完売したので7inchシリーズとして第2弾、3弾をリリース。これらが国内外のクラブDJ の間で評判となり、2006年にアルバム『Satisfaction』をリリース。ノンプロモーションにもかかわらず瞬く間に話題作となりオリコン へのランクインや大手CDショップ のチャートなどを賑わせた。
当初はライブ活動を行うつもりは無かったが、「フジロックフェスティバル 」や「ライジング・サン・ロックフェスティバル 」など、様々なライブのオファーがきて驚いたと後に語っている。背中を押されるようにライブ活動をはじめ、2007年にはLIQUIDROOM で初のソロライブを行いチケットは即完売。その時の映像を『INO hidefumi LIVE SET』として2008年にDVD 化している。デビュー前からローランド のハードディスク・レコーダー ”VSシリーズ ”を愛用。パソコン で行う音楽制作が不向きな性格と、直感的に操作ができるという理由から、現在も音楽制作は全てこの機材で行っており、自身を化石 のようだと言っている[ 6] 。
2007年来日していた友人のJean Touitouと夕食をしていた時に偶然同じレストラン に藤原ヒロシ が居合わせそこで紹介され交流が始まる。その後、藤原とは“カフェツアー“など様々な地域や会場でライブを行っている。
2009年ロイ・エアーズ 来日ツアー(東京・大阪・名古屋 )にて対バンを務めた際に、ロイ・エアーズ・バンドの強烈なグルーヴとそれを織りなす身体能力の高さ、民族性の違いなどを目の当たりにし、日本人としてのリズムやグルーヴ、音楽との向き合い方を追求するようになる。
2012年からは鈴木茂 と2人名義でのライブを行うようになり、後にドラマーの林立夫 、ベーシスト のハマ・オカモト を迎えて4人でのライブツアーも行っている。2018年リリースの自身初となる歌もののアルバム『SONG ALBUM』には細野晴臣 、鈴木茂、林立夫、小西康陽、常盤響 、沖祐一(東京スカパラダイスオーケストラ )、ハマ・オカモト、馬場正道がコメントを寄稿。同年、舞台[うまれたまちで]の主題歌を担当。「2020年東京オリンピック 」の閉会式 に自身の楽曲「思えば世界はあまりにも美しい」が使用された。
ディスコグラフィ
7インチシリーズ
Billie Jean / Never Can Say Goodbye(2005年)
Spartacus / Blood is Thicker Than Water(2005年)
Just the Tow of Us / Pillow Talk(2005年)
What are you doing the rest of your life / Solid Foundation(2006年)
Hymne a Lamour / +2℃(2007年)
Serendipity / Sentimental Promnade(2008年)
Love Theme from Spartacus #piano / Suicide Is Painless (2008年)
ありあまる自由のなかで / Green Tea(2012年)
CRY ME A RIVER(2013年)featuring 鈴木茂 / CRY ME A RIVER -version-
CAN'T SLEEP / GOOD NIGHT(2017年)
SKYTREE / 魔法(2018年)
Squall / 永遠的スローモーション(2020年)
IN DREAMS / MAGNETIC DANCE(2021年)
LP
INOCOLOGY(2009年)
SATISFACTION(2016年)
SONG ALBUM(2018年)
IN DREAMS(2021年)
MEMORIES(2024年)
アルバム
Satisfaction(2006年)
Living Message(2008年)
INOCOLOGY(2009年)
KALEIDOSCOPIC -LIVE盤-(2010年)
NEW MORNING -新しい夜明け-(2013年)[ 7]
NO SATISFACTION(2016年)
SONG ALBUM(2018年)
IN DREAMS(2021年)
MEMORIES(2024年)
ミニ・アルバム
The Force of Exotic(2007年)/ タワーレコード × innocent record
DVD
INO hidefumi LIVE SET(2008年)
参加作品
主なライヴ出演
2006年-2007年
2007年
2007年-2017年
2008年
"フジロックフェスティバル " 2008 出演 Field of Heaven Stage
渋谷 Apple Store in Store Live
"TAICOCLUB" Fes.こだまの森 出演
A.P.C. 青山 Jean Touitou × INO hidefumi
INO hidefumi 2nd Album"Living Message Tour" at 東京・沖縄・名古屋・大阪・福岡・横浜
2009年
"ロイ・エアーズ JAPAN TOUR" at 東京・名古屋・大阪
東京芸術大学 学園祭 "GEISAI”
富山白雪山善光寺“お寺座ライブ"
"TAICOCLUB KAWASAKI"
2010年
INO hidefumi 3rd Album "INOCOLOGY Tour" at 東京・広島・名古屋・大阪・京都・沖縄・鹿児島・福岡・仙台・静岡・東京追加[ 16]
"サンセットライブ "出演
"STUSSY WORLD TRIBE" at 新木場STUDIO COAST
2011年
2012年
"HENNESSY ARTISTRY" DJ MURO × INO hidefumi
"DOMMUNE " INO hidefumi BANDライブ出演
"ボブ・マーリー ROOTS OF LEGEND" RELEASE LIVE
"鈴木茂 × INO hidefumi" Billboard Live Tour [ 17]
2013年
"フジロックフェスティバル出演”
"ROPPONGI ART NIGHT" at 東京ミッドタウン
"サンセットライブ"出演
INO hidefumi 4th Album "NEW MORNING RELEASE SHOW" at LIQUIDROOM[ 18]
"INO hidefumi SPECIAL COVER NIGHT"東阪ツアー
INTERSECT BY LEXUS TOKYO NOKKO × INO hidefumi
2015年
2016年
INO hidefumi 1st Album "SATISFACTION" 10th.Anniversary Live Tour
湘南ライブ2016 "鈴木茂 × INO hidefumi" with 小原礼 & 長谷部徹
ONE KYUSHU 福岡大名小学校 "鈴木茂 × INO hidefumi"
石川セリ 西鉄グランドホテルディナーショー with 浜口茂外也 × 南佳孝 × INO hidefumi
INO hidefumi ふるさとワンマン公演 延岡市総合文化センター
2017年
"鈴木茂 × INO hidefumi Billboard Live Tour” スペシャルサポート with 林立夫、ハマ・オカモト東阪ツアー
THE BASS DAY LIVE at 赤坂BLITZ 出演
2018年
鈴木茂 × INO hidefumi スペシャルサポートwith 林立夫、ハマ・オカモト 全6公演 Tour
宮崎県五ヶ瀬ワイナリー収穫祭フェス出演
Jean Touitou × INO hidefumi at A.P.C.青山&大阪
2019年
INO hidefumi 7th Album"SONG ALBUM" LIVE PERFORMANCE TOUR 東京・福岡・鹿児島・熊本・佐賀・名古屋・京都・金沢
cero presents "Traffic" at 新木場STUDIO COAST
亀井神社 奉納ライブ
INO hidefumi 7th Album "SONG ALBUM" LIVE PERFORMANCE TOUR 追加公演 東京WWW &大阪SHANGRI-LA
2020年
BANG & OLFUSEN GINZA リスニング&トークライブ
INO hidefumi Billboard Live TOUR
配信ライブ"THE SESSION" feat.ハマ・オカモト
配信ライブ"THE SESSION" feat. 鈴木茂
2021年
配信ライブ"THE SESSION" feat.ゴンドウトモヒコ
配信ライブ"THE SESSION" feat.高野寛
配信ライブ"THE SESSION" feat.藤原ヒロシ
配信ライブ"THE SESSION" feat.曽我部恵一
INO hidefumi 8th Album"IN DREAMS TOUR" 東京・横浜・大阪
2022年
配信ライブ"THE SESSION" feat.角銅真実
配信ライブ"THE SESSION" feat.直枝政広
配信ライブ"THE SESSION" feat.堀江博久
2024年
脚注
出典
外部リンク