HD 206610

HD 206610
仮符号・別名 Bosona[1]
星座 みずがめ座[2]
見かけの等級 (mv) 8.34[3]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  21h 43m 24.9003207195s[4]
赤緯 (Dec, δ) −07° 24′ 29.712099851″[4]
視線速度 (Rv) -18.31 km/s[4]
固有運動 (μ) 赤経: 1.979 ± 0.132 ミリ秒/[4]
赤緯: 1.918 ± 0.128 ミリ秒/年[4]
年周視差 (π) 6.7670 ± 0.0899ミリ秒[4]
(誤差1.3%)
距離 482 ± 6 光年[注 1]
(148 ± 2 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 2.5[注 2]
HD 206610の位置(丸印)
物理的性質
半径 6.12 R[5]
質量 1.55 M[5]
表面重力 1.7 G[5][注 3]
自転速度 2.57 km/s[6]
スペクトル分類 K0 III[4]
光度 18.9 ± 0.6 L[6]
表面温度 4,842 K[5]
色指数 (B-V) 1.009[3]
色指数 (V-I) 0.98[3]
金属量[Fe/H] 0.14[6]
年齢 3 ± 1 ×109[6]
他のカタログでの名称
BD-08 5719, FK5 5916, HIP 107251, SAO 145619[4]
Template (ノート 解説) ■Project

HD 206610は、みずがめ座の方角におよそ482光年の距離にある恒星である[2][4]。周囲には、一つの太陽系外惑星が発見されている[6]

特徴

HD 206610は、橙色の巨星で、A型主系列星水素を燃焼し尽くして進化したものと考えられる[2][6]質量太陽の1.55倍、半径太陽の6.12倍と推定され、年齢はおよそ30億年とみられる[5][6]

惑星系

2010年ケック天文台における視線速度法の観測から、HD 206610の周りに1つの系外惑星が存在する、と発表された[6]。この惑星HD 206610 bは、質量が木星の2倍以上、半径も木星より2割程大きく、巨大ガス惑星と考えられる。母星から1.7au程の位置を、およそ1年10ヶ月かけて公転している[5]

HD 206610の惑星[5]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b (Naron) ≥ 2.036 MJ 1.74 673.156 ± 3.312 0.100 ± 0.042 1.208 RJ

名称

2019年、世界中の全ての国または地域に1つの系外惑星系を命名する機会を提供する「IAU100 Name ExoWorldsプロジェクト」において、HD 206610とHD 206610 bはボスニア・ヘルツェゴビナに割り当てられる系外惑星系となった[2]。このプロジェクトは、「国際天文学連合100周年事業」の一環として計画されたイベントの1つで、ボスニア・ヘルツェゴビナ国内での選考、国際天文学連合 (IAU) への提案を経て、太陽系外惑星とその母星に固有名が承認されるものであった[7]。2019年12月17日、IAUから最終結果が公表され、HD 206610はBosona、HD 206610 bはNaronと命名された[1]。Bosonaは、現在のボスニアのかつての呼び名で、ボスニアを流れるボスナ川が語源。Bosonaが転訛してボスニアになったとされる[1]。Naronは、ネレトヴァ川の 呼び名の一つで、ネレトヴァがケルト人の呼び名を元にしているのに対し、Naronはヘルツェゴビナでの古い呼び名である[1]

脚注

注釈

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
  3. ^ [出典での表記は、

出典

  1. ^ a b c d Approved names”. NameExoWorlds. IAU. 2019年12月24日閲覧。
  2. ^ a b c d List of stars and planets”. Name ExoWorlds. IAU. 2019年8月27日閲覧。
  3. ^ a b c ESA (1997), The HIPPARCOS and TYCHO catalogues. Astrometric and photometric star catalogues derived from the ESA HIPPARCOS Space Astrometry Mission, ESA SP Series, 1200, Noordwijk, Netherlands: ESA Publications Division, Bibcode1997ESASP1200.....E, ISBN 9290923997 
  4. ^ a b c d e f g h i HD 206610 -- Star”. SIMBAD. CDS. 2019年8月27日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g Luhn, Jacob K.; et al. (2019-04), “Retired A Stars and Their Companions. VIII. 15 New Planetary Signals around Subgiants and Transit Parameters for California Planet Search Planets with Subgiant Hosts”, Astronomical Journal 157 (4): 149, arXiv:1811.03043, Bibcode2019AJ....157..149L, doi:10.3847/1538-3881/aaf5d0 
  6. ^ a b c d e f g h Johnson, John Asher; et al. (2010-06), “Retired A Stars and Their Companions. IV. Seven Jovian Exoplanets from Keck Observatory”, Publications of the Astronomical Society of the Pacific 122 (892): 701-711, Bibcode2010PASP..122..701J, doi:10.1086/653809 
  7. ^ Methodology”. Name ExoWorlds. IAU. 2019年8月27日閲覧。

関連項目

外部リンク

座標: 星図 21h 43m 24.9003207195s, −07° 24′ 29.712099851″

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